ベストフレンド1
マルゴへ
今さらなんだか照れくさいけど、手紙を書いておくよ。
マルゴはハインリッヒを打倒すると言っていたが、あまり無理はしないでほしい。
俺とユリナさんは大丈夫だから。
いざとなったら、隣の国にでも逃げるさ。
マルゴには本当に世話になった。こっちの世界に来た当初、貧乏人の俺に武器防具をただ同然で売ってくれたよな。
あれは本当に感謝している。あれが無かったら、俺は普通にモンスターに殺されていただろうな。
でもその後、何かにつけて俺の家に来やがって。
鬱陶しいったらなかったぜ。
でも不思議と嫌じゃなかったな。なんでだろうな。
俺はちょっとへそ曲がりな性格をしていて、わざわざ付き合ってくれていたのもわかっている。
何も言わずにいつも俺の側にいてくれてサンキューな。
俺はそれだけで救われた気がしてたんだ。
レスタの町のみんなを頼む。特に冒険者の命はお前にかかっているからな。
あとは……、サラサとお幸せに!
ハインリッヒのことは何とかすると言っていたが、無茶だけはやめてくれ。
レスタに戻れないだろうと俺が考えていることは、サラサとエルザには秘密にしておいてくれ。
なぜかはわかるだろ?
俺もマルゴも女の涙には弱いからな。あんまりあいつらを悲ませるようなことは言わないでほしいんだ。
あまり、ダラダラと書くのは好きじゃないからこれくらいにしとく。
元気で。
ケイゴ




