k-121
17:00
マルゴとジュノが馬車でやってきた。
俺は作成した数本のファイアダガーとウォーダーダガーを荷台に積み込み、マルゴへの納品を済ませる。
鶏とロシナンテ(馬)はお留守番なので、エサと水の補充をしておく。
アッシュを抱っこして荷台に乗り込み町へと出発する。
17:30
まだ飲み屋さんの開店まで少し時間があるとのことで、マルゴの店で飲むことになった。
俺は30分ほどで戻ると言って、アッシュと一緒にマルゴの店を出た。アッシュをサラサに預かってもらうためだ。
◇◇◇
サラサは暇なのか、店のテーブルで暇そうに頬杖をついていた。
俺を見るなり怪訝そうな表情をしたが、アッシュがサラサの元へふっとんでいったので、良い笑顔になった。
俺はサラサにマルゴたちと飲みに行くとジェスチャーで伝え、その間アッシュを預かってもらうように頼んだ。
さっきジュノがしてくれたジェスチャーだ。ボン・キュ・ボン、飲むみたいな。
「アッシュ良い子にしているんだぞ」
俺は、サラサに抱かれたアッシュの頭をナデナデして別れを惜しむ。
――何故だろう。サラサは笑顔なのだが、全く目が笑っていなかった。
18:30
再びマルゴの店に行く。マルゴとジュノは、既に酒を飲んで出来上がっている。
どうやら、もう飲み屋さんの開店の時間らしく、俺を待っていてくれていたらしい。
異世界の飲み屋さんか……。静かに飲めて話せる場所だと良いな。
色々な酒が飲めそうで、少し楽しみだ。俺はまるで、外国旅行で異国情緒溢れる飲み屋さんに足を踏み入れるような。
ちょっとした高揚感を覚えずには、いられなかった。
そして俺たちは三人で肩を並べて、飲み屋さんへと向かった。




