モノローグ・マルゴ3
ケイゴの家で飲んでから一夜明け、店に戻ったらサラサがいた。
サラサが冷たい微笑みを俺に向けている……。
テーブルの上には冷めた料理。ユリファの花で店中が飾り立てられている。
雑然とした店が物の見事に整理整頓されており、俺の店じゃないみたいだ。
なぜだか俺は、全身から脂汗が吹き出るのを感じた。なぜだ……、何も悪いことしてないのに……。
「どこに行っていたの?」
冷たいトーンの声色が俺の背筋をなでた。思わず背筋がシャキッと伸びた。
「ケイゴのところに飲みに」
完璧な言い訳だと思うが嫌な予感しかしない。というか言い訳でも何でもなく、普通に飲んでただけだ。断じて浮気などしてない。
最近は飲み屋で女とイチャイチャするのも控えている。やってもバレないようには徹底しているので大丈夫なはずだ。
「何でコソコソ私から逃げるように家を出て行ったのよ」
「いや、それはだな」
俺はさらに脂汗が吹き出るのを感じた。サラサのプレッシャーが凄くて逃げたのは確かだ。
しかし、こんなこともバレてしまうのか!?
戦慄した俺は正座することにした。
それから俺は、泣きながら怒り出すサラサをなだめるのに大変な目にあった。
数時間かけて何とかサラサの機嫌を元通りにすることに成功した。
危なかった……。どこに地雷があるかわかったもんじゃねえ。
それから俺たちは仲良く冷めた料理を温めなおして一緒に食べることにした。
サラサのアーンも今日だけは甘んじて受け入れることにした。
いよいよ追い詰められてきた。
本当にどうするよ、俺!?




