k-108
翌朝、俺とマルゴは当然のごとく二日酔いになった。
頭がガンガンして、気持ち悪い。
俺は家の外に出て、胃の中身を吐き出した。水を飲み、ムレーヌ解毒草をムシャムシャと食べて、再び布団で横になる。
一時間は経っただろうか、何とか症状が改善された。
俺は青い顔をしたマルゴにも、水とムレーヌ解毒草を渡してあげた。
昨日は、いつ酔いつぶれたのか記憶がない。
何で飲んでいる時はあんなにも楽しいのに、翌日こんなに辛いのだろうか。
そして、親しい友人と飲めば楽しくなってしまい、結局繰り返してしまうものなのだなと思った。
本当に駄目な大人たちである。
解毒草のおかげで何とか復活した俺は、顔を冷たい水でパシャパシャと洗いうがいをする。
各方面からコケコッコー、ヒヒーン、ワンワンと非難の声が上がっていたのでエサやりをした。
朝食は念のためムレーヌ解毒草でスープを作り、パンと一緒に食べることにした。
マルゴも起きてきたので、一緒に朝食を食べた。
10:00
マルゴはレスタの町へ帰っていった。
そういえば昨日サラサが来ていなかったよな。マルゴの店に毎日来ているのだし、誘って一緒に来てもおかしくないのに。
まあ、いいか。
俺はこの後、マルゴに待ち受けている悲劇を知る由もなかった。
空を見上げると、透き通るような青空だった。日光が頬をくすぐり気持ちいい。
――こんな日は何もしないでおこう。
俺は布団を干してから、安全性の向上した家の敷地内にブルーシートを敷いて寝転んだ。
あまりの気持ちよさにいつの間にか二度寝してしまった。
こんな平穏な日常がいつまでも続けばいい。
俺は心からそう思った。




