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【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


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モノローグ・シュラク6

 私の名はシュラク。レスタ冒険者ギルドのギルドマスターを任せられている者だ。



 最近になって急にハインリッヒ様がまともなことを言い出した。



 増税した分を財源として、モンスター討伐⚔の報奨金や冒険者ギルドの運営費にあてたいと言い出したのだ。



 先日バイエルン様にハインリッヒ様の横暴ぶりを報告し、町議会に復帰していただくようお願いしたばかりだ。



 どうしたものか……。



 ハインリッヒ様そう仰る以上、冒険者ギルドとしてはハインリッヒ様を支持せざるを得ないのだが……。



 町の治安を預かる身としては、民の利益を優先して考えねばなるまい。



 バイエルン様は今現在は以前とはかなり性格が変わられたが、町の皆は傲慢だった頃を覚えているだろう。


 冒険者の中には何もしていないのに、牢に入れられた者すらいる。


 バイエルン様を恨んでいる者も多かろう。



 ハインリッヒ様が前評判のようにまともであるのであれば、おそらく皆も納得するだろう。



 二人を天秤にかけることなどしたくはないのだが、今の状況を考えれば仕方がない。



 ……客観的に考えれば、ハインリッヒ様にこのまま町を運営して頂く方が町の治安を考えれば良さそうだ。




 バイエルン様には悪いことをしてしまった。


 体調が悪いのに、心を乱すようなことを言ってしまった。本当に心が痛む。


 ここは私が頭を下げ、正直に心の内をバイエルン様にお伝えし、謝罪するしかないだろう。



 こんなことは苦労のうちには入らない。全てはレスタの民のためだ。



 そして今日も私はレスタの治安維持のため、頭を悩ます日々を送っている。

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