モノローグ・???
我は誇り高き森のハンター。
我らの上位存在たる我が主が人間に討たれた。
その人間はとても強く、不思議な術を使う。
頭が良いと自負する我々が3体がかりでも敵わない難敵であった。
何ということか、主の忘れ形見である若君がその人間に捕まってしまったのだ。
我らはその人間に手を出すことができなくなったのだ。
やむを得ず、我らは若君の様子を遠くから観察することにした。
若君は特段人間に酷いことをされているということはなかった。
むしろ、こう言っては何だが人間と上手くやっているように見えた。
難敵であるサーペントが若君と人間を襲ったときなど肝が冷えたが、若君は人間を守るべく強敵に対し果敢に立ち向かっていった。
人間は若君をかばって戦っておられた。
既に我らの中では、あの方は若君の恩人であるという認識となっていた。
森の方へ若君と人間が出かけることがあった。
我らは、周りに隠れ潜み若君に害をなす不貞の輩を排除した。
何という失態か若君を見守るために人間に近づきすぎて、人間の不思議な術にかかってしまった。ぐぬぬぬ…体が動かぬ!
人間が我に気がつき、こちらにやってきた。
これで殺されでもしたら無念どころの話ではない。
何ということだ。若君が我をかばって、人間との間を取り成してくれた。
我は感動のあまり心が打ち震えた。
しかも何ということか、人間は足に噛み付いた不思議な術を取り除き、怪我をした足を治療してくれたのだ。
衝撃だった。
人間といえば、殺すか殺されるかの関係でしかなかったのだ。
この人間は特別だと改めて認識した瞬間だった。
我は誇り高き森のハンター、ブルーウルフ。
そして、我らは忠誠心が厚い。
若君とその若君を守護していただいている人間に忠誠を誓う者也。




