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声楽家のサモナーさんが異世界で謳歌します  作者: euch nicht
第六章 独立迷宮国家イシュタルテ
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第五話

「ここが、ダンジョンの入口か」


 俺の目の前には巨大な階段が下に向かって口を大きく開けている。中に入ると兵隊さんみたいな人が立っている。


「冒険者ギルドのカードもしくは生産、傭兵ギルドのカードを提出してください。それがなければ入場はお断りしております」


「ああ、なるほど。そういうことですね。わかりました。これでいいですか?」


 そう言って俺や嫁たち全員が冒険者ギルドのカードを提出する。


「け、結構です。ど、どうぞお通りください」


 何故か動揺している。あっ、ランクか……。まっ、いいか。



「確か、第一階層の中に沢山の水晶体が浮いているんだよね?それに全員手を繋ぎながら何回階層かをイメージすればそこに全員で飛べるんだよね?」


「はい、そうです。私は試したことが無いので初めての経験です!」


「うむ!」


「そうですわね。私達も初めてですわ」


「俺も初めてだぜ!」


「初めて」


「とりあえず、神様は120とかなんとか言ってたけど、どうする?確かに最初からは嫌だけど、いきなり120とかは怖くないか?」


「ですが、神様が判断されたのならその階層で問題ないのではないでしょうか?」


「私もそう思いますわ」


「ん~、だったらちょうどぴったり100階層から始めてみないか?」


「かったるいから120階層からでいいじゃねぇか」


「120」


「はぁ~、わかったよ。ただし用心しろよ?」


「それはもちろんです!」


「うむ!」


「そうですわね」


「楽しみだぜ!」


「戦う」


「本当にわかってんのか?まぁ良いけど。じゃあ、120から始めようか。まずは水晶体を見つけないと」


 というと、テンプレがやって来た。


「おい兄ちゃん、そんなに生き急いでどうするんだ?」


 チンピラ風味の奴らがやって来た。


「そんなに死にたいなら自分だけで死ねよ。そこの女を置いてよ」


「綺麗どころが揃ってるじゃねぇか!てめぇはお呼びじゃねぇんだよ!とっとと120層に自殺しにいけ」


 などと言ってくれる。かなり嫁たちは嫌そうな顔をしている。俺は思いっきり地面を蹴った。

 ズドンという物凄い音が響き、床がクレーター状にひび割れる。


「自殺がなんだって?」


 そう言うと、男どもは去っていった。が、そのかわりに衛兵たちがすっ飛んできた。


「君!今君は何をした!」


「変な男どもに絡まれたんで蹴散らしましたがなにか?」


「いや、そうじゃない!ダンジョンの床に傷をつけなかったか?」


「は?あ、いや、はい。確かに踏みしめたらひび割れましたが?」


「た、大変だ!ステータスの開示をしていただけないでしょうか!それと、おい!誰か!冒険者ギルドのギルドマスターを呼んで来い!」


「ちょ、ちょっと待ってください。どうしたんですか?」


「君!今君がしたことはとてつもないことなんだよ!さっきのダンジョンの床を壊した攻撃もう一度後でやっていただけないだろうか!」


「……はぁ~、まぁ、良いですよ。というかなんで冒険者ギルドのギルドマスターなんです?」


「ダンジョンの床は基本的に壊すことができないんだ!」


「で?」


「いや、だから君は傷をつけることができたから大騒ぎになっているのだよ!」


「ああ、なるほど」


「なるほどって……とにかく、ステータスを見せていただけないだろうか」


「必須ですか?」


「できればお願いをしたい」


「あまり見せたくないんですけど」


「そこを何とか!」


「まぁ、良いですけど」


「本当か!ではギルドマスターが来たときに開示していただきたい」


「はい。わかりました」


 そして待つこと数分。冒険者ギルドのギルドマスターになったレノが息を切らしながら走ってきた。


「ダンジョンに傷をつけたて!その場所はどこだ!」


「あの~」


「おお!ヴィルヘルム殿!済まないが今はそれどころではないのだ!ダンジョンに傷をつけた者が居るらしく、其の者と合わねばならぬのでな!」


「ちょっとお待ち下さい!この方がダンジョンに傷をつけられた方です!」


 テンプレのはずが……なんかおかしな話になってきたぞ?


「ヴィルヘルム殿でしたか!なんと!さすがA+++ランクの冒険者です!」


「なんと!A+++ランクですか!道理で!」


「で、もう一回足踏みすればいいの?それとも完全に破壊するつもりで全力でやればいいの?」


「なんと!あれで全力ではなかったと!」


「魔法使えば大概のものは壊せると思いますが?」


「そうだった……ヴィルヘルム殿は魔法が使えるのだった……」


「魔法って、あのおとぎ話の魔法ですか!」


「ああ、彼はそのためにメイリアの魔法部門の主席になったほどだ」


「なんと!」


 あの~、俺を置いて話を進めないでほしいんですけど……。


「確かに、その検証はしていなかった……メイリアに報告せねば!」


「というか、今やったのではダメですか?」


「おお、そうだった。ではやってみてください」


 そう言われ俺は再度足踏みをする。すると、やはりズドンとものすごい音がして、地面がひび割れた。すぐに直ったが。


「た、確かに……あれ?魔法部門……あれ?」


 レノさんは現実を受け止められないようだ。


「い、今のが魔法ですか?」


 兵隊さんもおかしなことを言う。


「ただの足踏みです」


「……ハッ、そうでした、ステータスを是非お見せいただきたい!」


「ヴィル殿それは真ですか!ステータスを見せていただけるのですか!」


「ああ、もう良いよ。見せるから。あまり他言しないでね」


 そう思い、隠蔽箇所を確認し、提示して俺も吹いた。



ステータス


名前:wilhelm schutz

性別:男性

年齢:31

種族:人種(?)

種族レベル:9,582


ジョブ:レベル100:神の御使い


総合ステータス

  HP:73,101,400

  MP:75,553,600

 攻撃力:15,587,032

  魔力:15,821,432

物理防御:15,876,572

魔術防御:15,997,772

 器用値:15,567,432

 敏捷力:15,577,232

 幸運値:15,555,632


加護

創造神の加護



(クソ神が!何てことしてくれやがる!)


(え~、クソ神は無いんじゃないの~)


(こういうときばっかり繋がんじゃねぇよ!)


「に、ヴィルヘルム殿……これはいくらなんでも一発で隠蔽ってわかるステータスですよ」


「い、いや、確かステータスは低くはできても高くは出来ないんじゃなかったっけ?」


 衛兵さんも口調が崩れ始めてる。


「まぁ、私も先程まで全く違うステータスだったのでびっくりしましたが、今はこんなステータスみたいです。犯人は神様です。俺に責任は一切ありません」


 そう言うとふたりとも固まり、唖然としている。


「そろそろもうダンジョンへ行ってもいいですか?」


「あ、ああ。ただし、この件はメイリアに報告させてもらうけどよろしいかな?」


「うへ、またモルモットにされるの?」


「モルモットですか?」


「いや、なんでもない……構わないよ。ただ、俺はいつダンジョンに入っていつダンジョンから出るかわからないとだけ伝えといて……それでも何日でも何ヶ月でも何年でも入り口で待ってるでしょうけど……」


「と、とりあえず、報告しますのであしからず」


「わかりました。諦めます。で、入っていいですか?」


「お引き止めして申し訳ございません。どうぞお入りください」


 そう言われやっと俺たちは開放されるのであった。

 気持ちを切り替えダンジョンへの奥地へと向かうのであった。

お読みいただきありがとうございます。

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