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声楽家のサモナーさんが異世界で謳歌します  作者: euch nicht
第六章 独立迷宮国家イシュタルテ
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第一話

 通された部屋は塔の会議場そっくりの円卓の会議場だった。この国は各ギルドのトップのギルドマスターが居るらしい。というと語弊がある。ここのギルドマスターはすべての国のギルドのトップである。ギルドサブマスターは他の国だと首都のギルドマスタークラスの権限があるらしい。

 各ギルドはギルドマスター、1人。サブギルドマスター3人で会議を行うらしい。


「只今、各ギルドのマスターに声をかけています。サブマスターは全員いないかもしれませんが、可能な限り集める予定です」


 そう言ってきたのはどなたかわからない方だった。


「おっと、失礼しました。私は冒険者ギルドサブギルドマスターのレノと申します。サブマスターにも序列がありまして、私が一番上のサブギルドマスターです。お気づきかもしれませんが、実質的なトップと思っていただいて結構です」


 そう言うと、地獄耳の肉塊がやってきた。


「レノ!貴様!私がギルドマスターだぞ!私がいなくなったらどうするつもり!」


「大丈夫です。あなたがいなくても私達で回しているので何も問題は起きません。おやめになるのですか?でしたらそのように手続を取りますが?」


「い、いや。やめない!やめるわけがないだろ!どれだけこの冒険者ギルドに貢献していると思っているんだ……ブヒ」


「そうですか。辞めたくなったらいつでもお申し付けください」


 そう言うと、俺の方を振り向いてレノが言った。


「お見苦しいところをお見せいたしました。それではこちらへお越しください。後ろの方々は奥方様ですか?」


「ええ。妻であり、メイリア各塔の主席に近い位置に居て、すぐワルド王国、フラが帝国、ゲルギルグ王国の王族、皇族でもあります」


 と言うと憎々しげな目でこちらを睨む。何だ?狙ってたのか妻たちを?


「お、奥方だったのですか……そうですか……ブヒ」


 肉塊がねっとりと粘つくような視線を妻たちに向けている。フィリアとティーファはティアの後ろに隠れてるし。


「あの、妻たちにも椅子を用意していただけないでしょうか」


「おい。レノ。役立たずが少しは気を使ってみたらどうだ?……ブヒヒ」


「わかりました。お持ちいたします。少々お待ちを」


 そう言うとレノは部屋を出ていった。


「レノめ。あいつには気をつけたほうがいいですぞ……ブヒ」


「どういうことですか?」


「あいつは役立たずで裏で何をやっているかわからないクズですので……ブヒヒ」


「ふーん……とりあえず、他のギルドマスターはまだ来ないのですか?」


 そう言うと、後ろの方から声が聞こえてきた。


「ふん、貴様がヴィルヘルムとやらか?」


 といきなりこれである。


「ああ、そうだが、貴様は誰だ?ん?名前すら無い者がここに居てもいいのか?今すぐスラム街に戻ったらどうだ?」


「……傭兵ギルド、ギルドマスターのディボアだ。先程は失言だった許していただきたい。この家業舐められたら終いなのでな」


「試すならこちらの対応を見てからでも良かったのでは?」


「……申し訳ない。そこのデブから連絡があったため警戒してしまった」


「そうですか……そうですね。こちらも売り言葉に買い言葉でした。申し訳ない」


「いや、構わない。こちらの失言だったのは事実だからな」


「ちょっと待て!デブとは私のことを言っているのか!?私はデブではない!ぽっちゃりしているだけだ!」


 と肉塊が喚いている。


「「はぁ~」」


 ディボアさんと目が合う。そして再度ため息をつく。


「ヴィルヘルム殿とは仲良くできそうだ」


「奇遇ですね。俺もです」


 そして、再度ため息をつく。


「貴様ら!何を離している!なんの話だ!私にもわかるように説明しないか!冒険者ギルドのギルドマスターだぞ!」


「まぁ、いいや。他にもギルドマスターは来るんだろ?」


「ああ、来るぞ……と言ってるうちに来たな。芸能ギルドのギルドマスターたちだ」


「芸能ギルド!ちょ、ちょっと行ってくる!」


「どうしたんだ?何かあるのか?」


「多分俺が一番お世話になっているギルドだ!一応傭兵ギルドにも登録しているからよろしく!」


「ああ、今度茶でも飲みに来るといい」


「ああ、そのときにはよろしく」


 そう言うと、二人から離れ、久々に見る、そして実際には初めて会う芸能ギルドのギルドマスターのところへ行った。

お読みいただきありがとうございます。

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