プロローグ
第六章の始まりです。
書き溜めの都合により、第六章より週一ペースで投稿致します。
何卒ご理解の程宜しくお願い致します。
「ヴィル様、良かったのですか?」
「何が?」
「何がって、あの会議の場をいきなり出て、すぐに迷宮国家に向かうって、今頃メイリアの首脳陣は頭がおかしくなってんじゃねぇか?」
「いや、機能させるように……というか、俺が魔法部門で工作してたからな。多分魔法部門が仕切っているはず。とりあえず、あの肉塊はヒーヒーいいながら魔道具の作成に従事させられるはずだ」
「にしてもよ~……」
「ティーファ。とりあえず、すぐ動かないといけないのは決まってただろ?」
「確かにそりゃそうだが……」
「じゃなきゃ意味ないしな……それにもうここは独立迷宮国家イシュタルテだ」
ウルティマが上空を旋回する。その下には高い塀で囲われた四角い街があった。いや、この世界に置いては大都市と言っても過言ではないだろう。肉眼では確認できない高度に居るのに、街がはっきり見える。
「それじゃ、降りるか。今回は時間との勝負だから、そのまま門まで飛んでいって、並んでる連中を蹴散らせ……蹴散らせと言っても、本当に攻撃するのではなく、現れれば良い。この国のトップの頭を早めに抑えないといけないからね」
ウルティマは急降下した。徐々に見えてくる全貌。本当に大きな都市だ。門は4つあり、そのいずれかから入ることができるようだ。俺はウルティマに指示を出して、そのうちの一箇所に向かった。
当然のことながら、いきなりドラゴンが現れたため、商人や冒険者と思しき者たちは皆散り散りになった。
「ふぅ、これでスッキリした。みんな降りるぞ」
そう言って振り返ると全員が呆れ顔でこちらを見ていた。
「何だ?急ぐぞ?何を呆けている?」
そう言って何食わぬ顔で俺は降りた。急遽やって来た衛兵達が騒いでいる。誰か出てくるかと思ったが、誰も出てこない。というか、攻撃の準備をしているらしい。魔力反応がある。それに、対ドラゴン用の装備なのか、バリスタの・ようなものまで準備し始めた。
俺は後ろを振り返り、全員が降りたのを確認して、ウルティマを送還する。すると、衛兵達がざわめく。そして、いきなりわらわらと衛兵たちが出てくる。ドラゴンがいなくなったから強気になったのかは知らないが。もう一回ドラゴン出そうかな?
「あの、この中で代表者はいませんか?」
と俺が声を掛けると、一人の男が出てきた。いや、肉塊が出てきた。
「お前は誰だ」
いきなりこれである。
「はぁ、まぁいいや。俺はヴィルヘルム・シュッツ。こう言えばわかりやすいかな?魔法部門の元主席、特別名誉顧問なんて呼ばれている者だ」
「おお!なんと!」
そういいながら一瞬で顔色を変えて、媚びへつらうような態度になった肉塊。
「で、あんたは誰だ?」
「おお、ご説明がまだでしたな。私はこの独立迷宮国家イシュタルテの冒険者ギルドマスターのノタブ・キヤリテと申します」
そう、この独立迷宮国家はもちろん貴族制度はあれど、お飾りのようなもの。メイリア同様対外的な問題で存在しているだけ。実験を握っているのは各ギルドである。塔の主席達が首脳だとすれば、この国家は冒険者ギルドのギルドマスターや生産ギルド、芸能ギルドのギルドマスター達が国を運営しているのだ。
「ほぅ、この国の実権を握っているお方にあえて光栄です」
「はは、ありがとうございます……フゴ」
なんか嫌な予感がする。こういう肉塊が出てくると。なんだろう。生理的に受け付けないのかな?
「ところでヴィルヘルム様。先程のドラゴンはどちらへ?」
「ああ、俺の召喚獣だから、送還したよ」
「なんと!あの立派なドラゴンが!……ブヒ」
「とりあえず、中に入れてもらっても構わないかな?メイリアの特使としてこちらに来た。しかも火急を要する事案を持って」
「なんと!それでは緊急ギルド会議を開かせていただきます!ではまずこちらへどうぞ」
こうして、いきなりだがこの肉塊との戦いの火蓋が切って落とされた……はず。
お読みいただきありがとうございます。
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