第五話
「全く、どうしたものかな……」
「ヴィル様、最近そればかりですね?」
「ティアか……まぁ、な」
ここで生活をして約1年……色々な部門で俺は活躍したと思われる。魔法についてはかなり解明が進んだおかげで発言力がかなり上がった。議会も月に1回程開催される。だが、どうにもこうにも、各部門のトップはそんなことより研究がしたいお年頃らしく、金銭面はすべて魔道具部門に任せきり。必要な経費はもちろん請求するが、そこを出し渋ると反発が起こるのは目に見えているため、出し惜しみなく魔道具部門の連中は金を出している。それでも利益が莫大すぎて、なんともならなくなっている。
「そろそろ強硬策に出るか?ここにいつまで居てもしょうがないし」
「そうですわね。そうしたほうがよろしいかもしれません」
「おっ、なになに?なんの話?」
ティーファがやって来た。それをきっかけにみんなが集まってくる。
「いや、そろそろなんとかしないとな~、と思ってね。この一年でこの国の状況は把握できたわけだし。とはいえ、一番の問題は各部門のトップ陣が研究バカ&納金バカなんだよな……ぶっちゃけ、金を着服したからって誰も困ってないのが現状なんだよね」
「魔術部門も必要な魔道具は入手できてるから問題ないぜ!誰も文句を言ってないぞ」
「生産ギルドはよくわからんが、誰も不満を持っていないらしいぞ!」
「学術部門は研究に必要な資料の取り寄せなど積極的にお金をいただけているので、やはり不満はありません」
「武術部門、装備品も迷宮産の武器防具、訓練用の木剣等、生産ギルドや魔道具ギルドから提供されている。文句ない」
「はぁ~、だよな。俺の魔法部門も、俺という実験材料が居るわけで、研究は順調だそうだ……何をやってるか、さっぱりわからないが」
「魔道具部門も、トップ以外は皆研究に追われているので、お金とか気にする余裕は一切ないです。それに、魔石の備蓄はかなりあるので、何も問題が無いです」
「つまり、この国では誰も文句が無いわけだ。税金も安く設定してあるし、国民からの不満もない。なにせ、税金なんて取らなくてもいいほど潤ってるわけだし、というか、他の国が税金とってるからこっちも、って話みたいだしな」
「ただ、問題はメイリアよりイシュタルテですね。低ランクの冒険者たちは魔石を入手しても安く買い叩かれるらしいので」
「魔石って確か大きさによって金額が変わってくるんだよな?で、大きい魔石を持つ敵程強くなるってことでいいんだよな?」
「はい、そうです」
「ってことはやっぱり低ランクの冒険者たちが締め上げられているというわけか」
「はい。しかも冒険者ギルドではやはりギルドが私腹を肥やしているらしいです。低価格で魔石を買い取り、高価格でメイリアに売っているので」
「そして、その魔石で作った魔道具をかなり高値にして売っている……というわけか……となると他の国にも影響してくるのか」
「そうですね。魔道具は基本的に一般人には手の届かない商品であるというのが基本ですね。なので、購入するのは大抵が貴族ですね。アルヴィリア連邦は最近交流ができつつありますが、こちらとはほとんど交流がないので」
「ん~、こうして考えていてもしょうがないか……次の会議の時に発言しよう。とりあえず、この間キリエもようやく会議に出席できるようになったし、これで全員が会議に出席できるようになったわけだしな」
「そうですね……いい機会かもしれません」
「うむ!私は異議ないぞ!」
「よろしいかと存じます」
「俺もいいぜ!」
「いい」
「じゃあ、次の会議で決着をつけようか。とにかくこの国の体質を変えて、交流を盛んにしないと文化が発展しない。同盟を結ぶまで行ければいいが、無理なら一度この国を出て、イシュタルテへ向かう必要があるかもしれないな」
こうして、俺らは次の会議に向けての作戦会議を行った。
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