第三話
入学してから一月が経った。俺は既に魔法部門の主席になってしまった。一応、この国の首脳陣になるつもりは無いし、そもそも一国の王であることも伝えてある。だから、会議に参加すれど、滅多なことでは発言しない方向で固まった。リリアとキリエも無事最上級をクリアして、リリアは魔道具部門、キリエは武術部門の塔へ入ることを許されるようになった。
「にしても、学園モノのイメージをしていたのだが、全く違ったな」
「はぁ、学園モノですか?それは一体どういう……」
「ん、気にしなくていいよリリア。それにしても嫉妬すらなく、皆学問に忠実であろうとしているのだな」
「ええ、まぁ、そうですね……魔道具部門はドロドロしていますが」
そう、問題は魔道具部門。研究者は問題ないし、研究したい人たちが基本的には集まっているからそこまで問題が無い。ただ、主席に座している者たちが問題だ。汚職だの、癒着だのそういう言葉が似合うようなゲス共だった。具体的には、俺をまず魔法部門から引き抜こうとしていた。金で。それを断ると今度は刺客を送ってきた。返り討ちにして、依頼主を話させたが。
で、具体的には何をやっているのか。独立迷宮国家イシュタルテで算出される魔石。これは魔道具には欠かせないものだ。そして、この魔石は必ず冒険者ギルドで買い取りをしないといけない。魔石を感知する魔道具がこの国の出入り口全てに置いてあり、盗み出すことも不可能。ただし、抜け道として、魔道具を作ることは可能だ。もちろん、法律では必ず冒険者ギルドに売らないといけないとなっている以上違法なのだが。
閑話休題。
この魔石はすべてメイリアに運ばれてくるのだが、地理的には近いため、地下道を掘って、そこを行き来させている。そこで関税をかけてがっぽり儲けているらしい。そして、贅沢三昧。というのが事の真相。関税をかけていることはメイリアの人たちは知らない。しかも、この国の予算を管理するのが一番権力の強い魔道具部門。やりたい放題である。リリアに調べてもらった結果はこんな感じだ。
キリエの方はどうかと言うと、いわゆる脳筋の集まりらしく、強ければいいらしい。キリエも俺と同様主席になってしまった。だから、俺と同じように、発言は控えるということで決着はついている。
「それにしても、よくすぐに調べられたな」
「ザルでした。アレはあまりにもずさんというか稚拙というか……誰でも調べられるのに、研究肌の職人たちが興味持つと思いますか?お金に。魔石があればなんの問題もないような方々ばかりですよ?」
「それは……なんとも……ただし、油断はするな。俺らのステータスはほぼほぼ知られている上に、塔でもかなり上の存在になっている。あえて、その、油断させるために、そのような演技をした可能性も……」
「それは無いと思います。不審な魔術反応を感じられなかったので。魔道具は必ず魔力を起動時に必ず少しでも使います。さすがに魔道具すべてを知っているわけではありませんが、使われた感じもしませんでしたし、何よりお酒臭かったので、まともな判断が出来たとも思えません……一応用心はしておきますが」
「ん?なんの話をしているのだ?そういえばしばらくヴィルと戦っていないな!どうだ!私も少しは強くなったと思うぞ!模擬戦でもどうだ!」
「納金バカは黙ってなさい」
「脳筋?とはなんだ?」
「あっ、それ、私も知らないです」
「脳筋とは略称だ。正式には脳みそまで筋肉。だ」
リリアは珍しく吹き出さいた。
そして当のキリエは何故か喜んでいた。
「私は脳みそまで筋肉だったのか!最高ではないか!つまり私は脳みそも鍛えられているということなのだな!」
「はぁ、もうそれでいいよ。で、だ。これからだが、どうする?」
「三人が来るまで適当に色々していればいいのでは?ちょうど、塔はもう3つありますから」
「そうだな。とりあえず、俺はいつまで神様扱いされなきゃいけないのかわからないが、頑張ってみる」
「あ、あはは」
「なんだかわからんが頑張れヴィル!」
前途多難だ。
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