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声楽家のサモナーさんが異世界で謳歌します  作者: euch nicht
第五章 独立学術国家メイリア
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第一話

 船に乗り湖の中央へ向かい、到着したと思ったら、更に大きな船着き場があった。


「なるほど、バスプールみたいなものか」


「ばすぷーるですか?」


「いや、なんでもない。この仕組と似たようなものが俺の居た世界にあったんだ」


 予想通り、ここから各所へと船が出ているらしい。そして、今着いた船着き場の真正面にお城が見えている。そして、そこまでの水路が一番大きい。そして、かなりの数の船の往来がある。


「アレが噂の学園か……とりあえず行ってみようか?」


「そうですね」


「うむ……」


「どうしたキリエ?」


「いや、学問と聞くと眠くなって」


 アホの子だ。


「くだらないこと言ってないで行くぞ」



 俺らはお城の正面の船着き場へ向かった。そして、船に乗りお城へとたどり着いた。聞いていたとおり、6つの塔があり、そこからお城へつながる通路がある。予想以上に塔が高い。お城も想像以上のデカさだ。


「見ると聞くとは大違いだな」


「ですね……私も始めてきましたがここまで大きいとは思いませんでした」


「Zzz」


 アホの子は寝ていた。俺は頭を叩く。


「このばかちんが!起きなさい!」


「何をする!ヴィル!痛いではないか!」


「寝てるお前が悪いわ!」


 ぶーたれていたが、とりあえず起きて三人でお城の中へと入っていった。

 中に入ると物凄い広い空間に出たが、人でごった返している。

 俺らは手を繋ぎ、はぐれないようにしながら壁際までとりあえず来てみた。すると、壁際に受付のような場所が何箇所か見受けられる。とりあえず、あそこまで行ってみよう。


「すみません、初めて来たのですが、ここは何をする場所でしょうか」


「はい、この壁際にある場所は全て総合案内をさせていただいております」


「ここって学舎と考えて良いんですか?」


「はい。学び舎でもありますし、この国のトップが集まり、会議をしたり、色々なことに使われています。ですが、主には学生のための学舎でうね」


「なるほど、それにしていつもこんなに混雑しているのですか?」


「そうですね。この国に住む方々の税金の支払いや、その他に商業を行う際の営業許可証などの発行とかも行っていますので、割とこのあたりに人は多いです」


「なるほど」


「因みにこの総合案内はどこに行けばどのようなことができるかを案内する場所です。初めて来られたとおっしゃいましたが、どのようなご用件でしょうか」


「ああ、この学園に入学したいと思いまして。どうしたら良いのでしょうか?」


「定期的に開かれる入学試験に合格いたしますと入学できます。この学園のシステムについてもご説明いたしますね。入学後は好きな単位を取得し、ある一定以上の単位を取得しますと卒業試験を受けられます。それを合格しますとこの学園都市である一定の成績を修めた証書が渡されます。好きな単位と言っても最初に受講できるのは初級コースの単位のみです。卒業をすることができましたら、次に中級の単位を受けることが出来ます。その際、初級のコースをもう一度というときにはそれも可能です。そして、中級を卒業すると次に上級。最後に最上級コースがあり、ここで優秀な成績を修めますと、塔へ行くことができるようになります。塔は6つあり、それぞれ好きな場所へ行くことが出来ますが、まぁ大抵の場合、それまでにどの学問を極めるか、定まってくると思います。自分に合った塔へ向かうことをおすすめします。駆け足になりましたが、以上がこの学園の簡易的な説明になります」


「入学に際してお金はどうなりますか?」


「はい。初級は無料です。その後は有料になります。ただし、入学試験を受けて合格した際に一定額納めて頂く必要があります」


「もう一つ質問。卒業するに足る単位を取得したら自動で卒業試験を受けないといけないのですか?」


「いいえ、極端な話をしますと、初級の全ての講義の単位を取得してから卒業試験を受けることも可能です。因みにですが、試験を受ける、受けないは自由です。ただし、最上級コースを卒業し、塔に行くことが出来たとしても、こちらに戻り、講義を受講することは可能ですですが、あまりおすすめはしません。一つの分野に特化したやり方をおすすめします。初級が無料なのはどれが一番自分の肌に合うかを見極めるためでもあります。中級コース以降はほぼ全ての学生は自分の専門のみを追求するカリキュラムを選びますね。例外はいるでしょうが」


「なるほど。ありがとうございます。大体わかりました。次の試験日はいつでしょうか?」


「はい、試験は毎日行われています。太陽がちょうど真上に来る時間帯にここの中央広場、ここの奥にて行われます」


「あの空の見えている庭みたいなところですね?」


「はい。そうです」


「わかりました。ありがとうございます……あの、因みにですが、飛び級という制度はあったりしますか?」


「え、ええ、よくご存知ですね?最後に飛び級が行われたのは10年以上前の話ですが、一応制度としてはありますよ」


「やっぱり。ああ、そうだ。試験の内容ってどんな感じなんですか?」


「試験といいましても、あまり心配しなくてもいいと思います。行うのは体力測定と、剣術の適性検査、魔術の適性検査、一応最後に教室に移り、筆記試験を受けていただきます」


「筆記試験といいますと?」


「はい、各部門の初級から最上級までの問題が出題されます。これは解くことを前提としておりませんので、形式上のものです。因みに、飛び級というのはこの試験で優秀な成績を修めた者がすることがあります。ですが、入学者の大半が文字の読み書きが難しい場合が多いため、口頭で説明すればわかるかもしれませんが、文字で説明しろと言われるととてもむずかしいと言わざるを得ません。ですので、なかなか飛び級で上がってくる方もいません。識字率を上げるために、ここでは初級は無料となっております。入学金も言うほど高くはありませんし敷居は低くなっています。ですから初級の講義内容はまず文字を習うことが筆記試験をクリアできなかった方々が必須の単位となっております。筆記試験とはほぼ名前だけの、適性検査のようなもので、これが基本的には入学できるか否かの判断材料にはなりませんので、ご安心ください」


「なるほど、色々とご説明ありがとうございます」


「いえいえ、本日は試験が終了いたしましたので、また明日以降試験を受けに来てください」


「わかりました。何から何までご丁寧にありがとうございました」


 そう言って俺らは再度お城を出る。


「どうする?全員入学してみないか?」


「私は賛成です」


「私は嫌だぞ」


「じゃあ、多数決で全員参加で学園に入学してみよう。どんなものか色々試してみたいし」


「そうですね!」


「む~」


「まぁ、とりあえず、ここも長期的に滞在することになりそうだし、どこかに家を買おう」



 こうして、その日は家貸しのところへ行って、いい物件(お城にもかなり近い)を購入し、そこで三人で生活することとなった。もちろん、六人で生活することを考えての大きさの家を買った。因みに、風呂はかなり大きい家を買った。うん。特に深い意味は無い。

お読みいただきありがとうございます。

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