閑話三
ポムタン
「あぁ?会議だ?しょうがねぇな。やらねぇとエルフがうるさくてかなわない。海人族もな。ところで、本当だろうな?あのうるさいエルフをなんとかすれば俺が王になるっていう海人族の契約は」
「へい。本当のようでさぁ。奴らはなぜかエルフを欲しがっているみたいで」
「ならいい。今回の会議で大暴れして全てを俺の流れに持ってきてやる」
いざ会議が始まると見知らぬハーフエルフが数人居る。しかも、人種に近い獣人族だ。コイツラは弱いくせに、俺らに歯向かってきやがるらしいから嫌いだ。
「おい、待て。その前にそのハーフエルフ共をどうにかしろ。食い殺して構わないのか?人種に近い獣のハーフエルフ女もいるぞ?」
すると代表であろう男が出てきた。
「相手をしてやろうか?」
そう聞こえたと思ったら、首を掴まれ壁に叩きつけられた。そして男は言った。
「で、お前はどれだけ強くて、どうやって俺を殺すと?」
「き、貴様!」
ブチ切れた。それ以上でもそれ以下でもない。こいつは必ず殺す。俺はやつにかろうじて口を向けて火炎を放った。
「これで貴様も……まる……焦げ……に……」
と思ったら男の顔には焦げ目一つ無い状態の顔があった。
「で、終わりか?次は俺が攻撃して良いのか?次は本気だすぞ?」
「クッ、わかった。離せ。貴様らがここにいることは咎めない」
「頭が高いな。お願いします離してくださいだろ?」
再度切れた。やはりこいつは必ず殺す!
「貴様!調子に乗るなよ!」
と言った瞬間。
「グッ」
と、俺の声と思われる物が聞こえたと思ったときには既に意識は途切れていた。
目を覚ますと、俺の部屋だった。
「クッ、やつはどこだ!やつは必ず俺が殺す!」
その叫び声を聞いたのか、何者かが部屋へ入ってきた。例のアレだった。
「なんだ、例のアレか。お前、何があったか教えろ!」
「ん~、地面に投げ飛ばされて気絶しちゃったっちゃ☆」
例のアレが急に動揺し始める。
「いや、俺の体は痛くもなんともないぞ?」
「でも気絶したっちゃ☆」
「なんだと?クッ、何か卑怯な手を使いやがったな?絶対にあいつは殺してやる。ところでなんでお前は動揺しているんだ?」
「ど、動揺?な、なんのこと……っちゃ?☆」
より目になってやがる。
「完全に動揺してるじゃねぇか」
「そんなこと無いぴょん☆」
そう言うと例のアレは脱皮し始めた。
「おい、馬鹿やめろ!ここで脱皮なんかするな!魚臭いだろ!」
「だ、脱皮なんてしてないっちゃ☆ゲシュタルト崩壊させてるっちゃ☆」
本当に何があったんだ?
「とりあえず、体は大丈夫だ。今度の長の戦いも勝ち抜いてやる。その後あの男をぶち殺す!」
「や、止めたほうがいいと思うっちゃ☆」
脱皮をもとに戻した例のアレは再度脱皮を始めた。というか、元に戻すとかどうヤッてるんだ?
「だから、脱皮はやめろ!そういえばやつの名前はなんていうんだ?墓標に刻むには名前くらいは描いてやらぬとな……俺が忘れる」
ニヤリとかっこつけてドヤ顔で言う。例のアレは何故か動揺からもとに戻り、教えてくれた。
「あの男の名前はヴィルヘルム・シュッツ、ヴィルと呼ばれていた」
「ヴィルヘルムか……必ずぶっ殺す!」
そして、俺は再開した。しかも獣人族の長を決める神聖な戦いに出るという。
「き、貴様!なぜここに居る!」
というと男はこっちを冷めた目で見ながら言う。
「俺も参加するからだよ。名前も名乗れないお馬鹿さん」
な、な、な!言うに事書いて俺を馬鹿だと?名乗れと?ふざけるな!だが、名乗らないとお諭しての威厳が……いや、名乗ったほうがおさとしての威厳がなくなる……いやそうじゃねぇ、こいつになんで名乗らないといけないんだ!いや、名乗らないと俺は馬鹿だとそしられるのか!そんなことは許せない!だけど、俺の名前は……いや、言えねぇ。
「俺の名前は……その……いや、どうでもいいだろ!それより名前も名乗れない馬鹿だと!ふざけやがって!俺の名前は……俺の名前は……ええい!俺も男だ!言ってやろうじゃないか」
俺はやけっぱちになって言ってやった。
「良いか、一度しか言わない。よく聞いておけ。俺の名前は……ポムタンだ」
「「「「「「ブフッ」」」」」」
コイツら!全員吹きやがって!だからいいたくなかったんだ!例のアレによるとやつは名乗ったらしいからこっちからは聞けないし……まぁ、名前はやつが覚えてるだろうから些細な問題じゃない。
「貴様!貴様だろ名前を聞いてきたのは!だから言いたくなかったんだ!」
というと、男はニヤニヤしながら言った。
「いやいや、ポムタン、良い名前じゃないか。なぁ、みんな」
「そうね。いい名前ねポムタン」
「うむ。良き名だ。ポムタン」
「素晴らしい名前だと思いますわ。ポムタン」
「俺は可愛いと思うぞ。ポムタン」
「ポムタン(笑)」
全員が馬鹿にしている。
「き、貴様ら!特に最後何だ!隠しもせずに笑いやがって!ふざけるのもいい加減にしろ!……そういえば貴様、出場すると言ったな!今度こそ貴様をギッタギタにしてやんよ!」
「はいはい。期待しないで待ってるね……ポムタン(笑)」
「貴様!笑うな!」
と、叫んでいる最中にアナウンスが流れた。
『これより族長を決める戦いをこれから行う。ルールは簡単。最後まで中央に残っていたものが長だ!参加者は全員中央に集まれ!』
俺は心の中で嗤った。これでこいつを殺せると。その瞬間やつはその場から消えた。あたりを見回してもどこにも居ない。そして、闘技場に目を向けるとど真ん中に立っていやがった。
「あれ?みんな来ないの?俺だけ?俺の勝ち?」
などと男が抜かす。俺らは全員束になってかかっていったが、最初の数人倒された時点で残りの奴らは勝てないと思ったのか攻撃を止めた。俺はとりあえず先に雑魚どもを蹴散らした。
「貴様をぶっ殺す事が出来て嬉しいぜ」
「そういう言葉は俺を殺してから言いなさい。滑稽ですよ?……ポムタン(笑)」
「き、貴様!もう許さん!絶対に殺す!」
そう言うと全力でやつに突っ込んでいった。と思ったら俺は意識を失った。
「ハッ!ここはどこだ!」
「おっ、今回は早かったな。自分の部屋も忘れたのか?」
例のアレが居た。
「例のアレ、一体どうなった!なぜ俺は此処で寝ている!」
再び始まる例のアレの動揺。
「き、気絶させられたからだっちゃ☆」
「またか!くそっ、一体今度はどんなイカサマをしやがったんだ!」
「い、イカサマじゃないと思うっちゃ☆」
俺は再度激怒した。
「じゃなきゃ俺が負けるわけがねぇだろ!だからお前は俺に協力してくれてるんだろ!?」
「そ、そんな事言われても、もう辞めるだっちゃ☆」
「だから、てめぇはいつまで動揺している!あっ、コラ!脱皮するな!……キョトンとした顔をしてこっちを見るな!……いや、より目にしたからってなんだって言うんだ!いや、誰が貴様のポーズなんか見たがるんだ!てかお前は男なのか女なのかどっちなんだ!はっきりしやがれ!だからキョトンとするな!」
例のアレは芸人だった。
数日間トレーニングをして、俺はやつに再戦を、いや、真の戦いを挑んだ。
「貴様!俺ともう一度勝負しろ!今度はイカサマはなしだ!」
「あのさ、いい加減認めろ」
「くっ、あのときのイカサマの方法はわからないが、俺ともう一度戦え!」
「はぁ~、気絶させるのがあかんのかな?とりあえず、良いよ。しつけてやる」
俺様を躾けるだと!ふざけるな!絶対ぶっ殺す!
そして、俺は最終的に心を折られた。
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