第六話
次の日、俺らは闘技場へ来ていた。そして、お目当ての方々は貴賓席のようなところでくつろいでいた。そして、バトルロワイヤルが始まる。もちろん、片手で大男をポイポイ投げてリリアが勝ち抜く。フィリアも、敵を翻弄するようにすばやく走りながら、相手を場外に落としていく。ちなみに、今回リリアは杖を持っていない。敵に魔術が得意だということを教えないためだ。そのため大男をポンポン投げた。
そして、勝ち抜いた者たちが32人。トーナメントが発表される。が、そのときグラティア第一王女が何かを持って立ち上がった。
「皆のもの、静粛にせよ。我はゲルギルグ王国の第一王女である。この戦いは我らの威厳も関わってくる戦いが一戦だけある。それの実現のため、少々トーナメントを変えさせてもらった。これは不正ではなく正式な要請として認められたものだ。どの戦いとは言わぬが、楽しみにしておくと良い。我がゲルギルグ王国最強が今回出場する。決勝戦を楽しみにしておくと良い」
そう言うと、会場は割れんばかりの歓声が沸き起こる。その後この街の領主が現れ宣言する。
「これより闘技大会の本戦を行う!」
再度割れんばかりの歓声が沸き起こる。
ここからはダイジェストでお送りします。フィリアは予選同様敵を翻弄しながら倒していく。リリアはやはりポンポン投げ飛ばしたり、足を持ってベチンベチン叩きつけたりして勝利していく。そして、決勝戦が始まった。
「リリア、また強くなった。本気出さないと勝てない。最初から本気で行く。それに、その出で立ちは魔術師か……それなのにあの腕力……驚きだ」
「戦う以上手加減はしません。殺したりはしないつもりですが、容赦はいたしません」
二人はこれから始まる戦いに集中する。そして、審判が開始の合図を出す。
「それでは両者、始め!」
「はぁ~~~!!!」
フィリアが力を溜めるような様相を呈する。対してリリアは速攻魔術で攻撃を開始する。スピードを重視したのか、雷魔術の第一位階の魔術を展開する。そして、発動と同時にフィリアが消えた。まぁ、俺には見えていたが。解説すると、フィリアが銀色のオーラを纏い、そのままものすごいスピードで雷魔術を回避したのだ。
フィリアはそのままリリアの後ろに回り込み、肉弾戦を繰り広げようとする。それに対してリリアは……。
「そりゃ、反則だろ」
転移した。
フィリアは攻撃が当たらず、相手は見当たらず一瞬隙きができた。そこに再度雷魔術の第一位階の魔術が複数展開される。その魔力を感じたのかフィリアは縦横無尽に走り回る。
会場は雷の嵐、そして、それを避けて近づくフィリア。フィリアの攻撃範囲に入れば転移して距離を離し、再度雷の嵐。いわゆる千日手というやつだ。だが、これはどちらかへばったほうが負けのような気がする。フィリアはたくさんの魔術を相手に使わせ、リリアは逃げ切る。そんな様相を呈してきた。
リリアもそれに気づいているのか、戦術を変えた。威力はかなり落ちるが第三位階のライトニングバレットレインを展開し始めた。多重で。要するに面攻撃に切り替えたのだ。
流石にこれには対処出来なかったらしく、おとなしく後ろに下がるフィリア。
攻守が逆転した。サンダーバレットを打ちながら第一位階の雷神の鉄槌を発動する。先程より濃密な雷の嵐である。
その時、フィリアは血迷ったのか、一か八かの賭けに出たのか、一気に間合いを詰める。
そして、転移しようとした瞬間……全ての魔術が無力化された。展開していた魔術も、現在フィリアに向かっていた魔術も全てだ。だが、転移だけは成功した。あれはMPを必要としないアイテムの効果だからだと考えられる。フィリアはそれが奥の手だったのか、オーラは消え去り、その場に倒れた。
「勝者!リリア!」
観客は割れんばかりの歓声を上げている。うん、さっきからこればっかり書いている気がする。
リリアも、流石にMPが少なくなっていたのか、肩で息をしている。
リリアはその後、フィリアの元まで行く。そして、回復の魔術をかけている。そして、フィリアが目を覚ました。
「フィリア、負けた」
「ええ、私が勝ちました」
「初めて、負けた」
「そうですか……でも、楽しかったですね」
「うん、楽しかった」
「私、戦いは嫌いでしたが、少し好きになりました」
「私も戦いは好きだけど、弱いのしか居なかった。つまらなかった。だけど、今日は楽しかった。全力を出せた」
リリアが手を差し伸べ、フィリアが手を掴み起き上がる。二人共同じくらいの身長で、同じくらいの年頃なのにすごい戦いをするものだと俺は思った。
「それでは、これより閉会式を開催しま「ちょっと待った!」」
ステージの中央に居たのは人型をした何かだった。
「な!ま、魔族!」
そう、魔族が襲来したのだった。
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