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声楽家のサモナーさんが異世界で謳歌します  作者: euch nicht
第三章 ゲルギルグ王国
35/80

第四話

「……いや、やりすぎたね」


「……神様のご意向としてはよろしかったのでは?」


「たくさんドラゴンを狩れて楽しかったぞ!」


 言うまでもないが、やりすぎた。下級の竜種はほぼ狩り尽くした。しばらくは竜種を見かけることすら無いだろう。そして、俺も、召喚獣も、リリアとキリエもレベルが上がり、一般人から遠く離れてしまってる。


(やっほー、神様だよ~)


 と三人の頭の中に響いたが、キリエは初体験だったらしく、とてつもなく動揺している。


「か、神様?何だ?この頭の中に聴こえてくる声は」


「あー、とりあえず、その説明はかくかくしかじかというわけです」


「なるほどこの指輪は神様からもらったのは聞いたが、念話もできるのか!すごい機能だな!」


「というか、一度アイテムの鑑定結果教えなかったっけ?」


「知らん!覚えておらん!」


 全く、この暴走娘は……。


(あの~、話ししても良い?)


(ああ、はいはいどうぞ)


(リリアちゃんとキリエちゃんは寿命に関して問題を抱えてるよね?)


 なんか嫌な予感がする。


(次のご褒美は、寿命を解決してあげよう!そして、異世界にはペアルックというものがある。それに倣って種族を作り変えてあげようじゃないか!大丈夫見た目はそのまま、真祖の吸血鬼の因子とハイエルフの因子をかけ合わせたダンピール!そうすれば君たちも強くなれるし、寿命も彼と同じくらい生きられるよ!)


 すると二人共ものすごい食いついてきた。


((本当ですか!))


(ヴィル様と一緒に添い遂げられる!)


(ヴィルと同じ時間を過ごせて、強くなれる!)


(おーい、二人共、心の声がだだ漏れだぞ~)


 と俺が言うと二人共顔を赤らめうつむいた。


(で、次の条件だけど、フィリアちゃんだっけ?彼女とリリアちゃん戦うよね?そこで勝利することを条件にしよう!)


(ちょっと待て、それはこっちに有利すぎないか?)


(チッチッチ、ところがどっこい、そううまくは行かないんだな~これが。獣人は身体能力に関しては人種より強い。だけど、それでも人種のほうがステータスは上の場合も多々ある。だけど、一部の獣人、君たちが会ったあの三人には特殊な力がある。魔術系統じゃなく物理系統なんだけど、これを持っている獣人はほとんど居ない。どういうものかは不公平だから教えないけど、今の君たちのステータスでも勝てるかどうか怪しいよ。ああ、ヴィル君や彼の召喚獣を除いてね。とにかく、相手は奥の手を持っている。十分に注意することをおすすめするよ。基本的に僕は君たちの味方だから、一つヒント。生産ギルドに行ってごらん。そして、ヴィル君のちからを最大限発揮すれば勝利は目前だと思うよ!)


 そこまで神様が言うと、二人共こちらを見る。


「いや、まぁ、そういえば装備渡してなかったな……いろいろ準備をして武器と防具を作るか?リリアはどんな装備が良い?」


「私は杖のような魔術媒体が嬉しいですね」


「私は槍だ!できるだけ強力な槍を作ってくれ!」


(それじゃあ、健闘を祈るよ!またね!ばいば~い!)


 と言うと念話が一方的に切られた。毎回思うが、こちらからアクセスすることは出来ないのだろうか?


「とりあえず、今のレベルでも満足せず、もう少し鍛えようか」


「はい!」


「うむ!」


 そして、数少なくなった下級竜種は更に数を減らしたのであった。


 次の日、俺は生産ギルドに来た。


「そういえば、鍛冶なんてゲームと同じとは行かないよな……どうしよう……とりあえず、装備を作るか」


 受付にやってきて要件を告げる。


「あのすみません。鍛冶をしたいのですが、ここの設備で最高レベルの設備を貸していただけませんか?お金はありますので」


「ハーフエルフの方ですか……少々お待ちください……大丈夫です。今は空いていますので。一度の使用で金貨200枚ですが本当によろしいのですか?」


「ああ、はい。一応生産スキルを持っているので」


「生産スキルですって!!!」


 受付嬢がものすごい大きな声を出した。周りに居た人たちは生産スキルと言う言葉に反応してこちらを見る。


「あっ、忘れてましたがギルドカードです」


「生産ギルドカード」

「名前:ヴィルヘルム・シュッツ

職業:サモナー

種族:ハーフエルフ

生産者ランク:B+

備考:生産Lv1」


 これは俺の生産ギルドのカードに表記されているものだ。やはり生産に統合されたスキルを持っているといきなりB+になるみたいだ。


「あっ、それと生産レベル偽装してたので、一応申告しておきます。レベルは10です」


 場はしんと静まり返った。デジャヴ。


「あの、ステータスをお見せしていただくことは出来ないですよね?」


「そちらの鑑定でも見つからないように偽造できるんですよ?嘘をついてどうします?」


「ああ、確かに……少々お待ち下さい。設備をお貸しする前にギルドマスターに報告をしてきたいと思いますので」


 そう言うと受付嬢は奥へと向かっていった。しばらくすると。背のちっこい頑固一徹といった言葉が似合いそうな爺さんが出てきた。


「ふん。このハーフエルフの小童が生産レベル10だというのか?腕前を見せてもらおうか?もし本当なら、伝説クラスの武器でも防具でも作れるはずだが?」


「いえ、神話クラスのが作れると思います。作りませんが」


「……言うだけなら誰でもできる。まずは見せろ。短剣で構わん。一本打ってみろ」


 そう言われ、作業場に連れて行かれる。


「じゃあ、作りますね」


 そう言うと俺は必要な道具を取り出し始めた。


「何じゃ!保存の魔道具でも持っておるのか!」


「似たようなものがスキルであります。もちろん固有スキルです」


「う、うむ。そうか。では、始めてくれ」


 そう言われ、短剣を作り始める。すると、体が勝手に動いていく。複雑な工程をこなし、一本の短剣が出来上がった。


【ヴィルの短剣】

【伝説:攻撃力1,000、敏捷力3,000】


「特殊効果は特につけませんでした。素材がもったいないので。こんなのでいかがでしょうか?」


 ギルドマスターは目を見開いている。


「このような素晴らしい短剣を長年儂は生きてきたが、我らがドワーフでもここまでの物は見たことがない!」


 ん?ちょっと待て、手加減して作ってこれでもこの評価ってやばくない?


「とりあえず、作りたいものがあるので、それを作ってもいいですか?」


「構わんが、儂らに見学させろ!」


「お断りします。そのかわり、その短剣は差し上げますので」


「くっ、短剣は正直欲しい……じゃが、新たな技術が……う~む」


「いや、短剣いらないから見学させろと言われたって断りますよ?」


「そ、それならこの作業場を貸すのを禁止することにする!」


「良いんですか?私このギルド抜けますよ?自分で用意するのが面倒なので借りにきただけなので、別に構いませんよ?」


「い、いや、わ、わかった。頼むから抜けるのだけは止めてくれ……。とりあえず、お主のギルドカードをよこせ。こんな武器を作る者をそんな低いランクにしてられん!」


「わかりました。はい、どうぞ。それで、お借りしてもよろしいですか?」


「くっ、わかった。じゃが確かにその短剣、もらっても良いのじゃな?」


「ええ、構いませんよ」


「わかった。好きに使えば良い。ただし使用料はいただくぞ。それと、出来上がりの品を見せてほしい」


「鑑定しないという条件でなら構いません」


「わ、わかった。それも約束しよう」


「それでは契約成立ですね。とりあえず、金貨200枚お渡しします」


 そうして、人だかりが部屋から消えたのを確認し、作業を始める。



「ふぅ、出来た。二人分は少々骨が折れる」


【神鉄シリーズ】

【神器:鎧、籠手、具足、兜。

HP:50,000、MP:20,000、攻撃力:5,000、魔力:1,000、物理防御:50,000、魔術防御50,000、敏捷力:2,000

特殊効果:状態異常無効、魔法ダメージ軽減、HP自動回復Lv10、MP自動回復Lv10、成長】


これがキリエ用の防具。次がリリア用防具。ぶっちゃけリリアのはかなり高性能


【魔術神シリーズ】

【神器:軽鎧、ローブ、帽子。

HP:70,000、MP:120,000、攻撃力:0、魔力:12,000、物理防御:70,000、魔術防御:120,000、器用値:3,000、敏捷力:1,000、幸運値:5,000

特殊効果:状態異常無効、MP消費十分の一、無詠唱、高速思考、並列思考、魔法ダメージ軽減、HP自動回復Lv10、MP自動回復Lv10、成長】


うん、やりすぎかな?俺もこの装備作ろうかな?っと、武器の方も作らねば。そして、武器の方も作り完成した。


【キリエの槍】

【攻撃力:120,000、敏捷力:8,000

特殊効果:破壊不能、成長】


【リリアの指輪】

【魔力:80,000、物理防御:5,000、魔術防御:12,000、幸運値:1,200

特殊効果:破壊不能、成長、MPプールLv10】


【リリアの杖】

【魔力:120,000、物理防御:8,000、魔術防御:20,000、幸運値:3,000

特殊効果:破壊不能、成長、魔法ダメージ軽減】



 うん、やっぱりやりすぎな気がする。特にリリアは戦うからな……キリエはまぁ、これで十分だろう。

 装備をストレージに収納して、生産ギルドを後にする。


 そして、宿に帰ると二人共こちらを見る。真剣な顔つきだ。


「ヴィル様。闘技場明日開催だそうです」

お読みいただきありがとうございます。

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