表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
織田信長の利口な兄(織田秀俊)に生まれ変わったので領地開発して天下統一を目指す  作者: 伊月空目


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/32

23、氷上砦(ひかみとりで)攻略

 (きょう)(ろく)五年(ごねん)の年が明け、千代丸軍は即座に動いた。岡田(おかだ)助右(すけ)衛門(えもん)を筆頭に梶原平九郎、滝川八郎ら千五百は氷上(ひかみ)(とりで)に攻め寄せた。


 千代丸は大高城で(ほう)じ茶を飲んでいる。千代丸、四歳。落ち着きのある四歳で体も大きくなり、体術も習っている。


「検地も終わり、新田(しんでん)(たがや)すことが決まりました。」


 水野磯七(みずのいそしち)家長(いえなが)が報告する。大高城を中心に米、麦、大豆、稗の栽培(さいばい)が始まっている。百姓だけでなく、武士の次女、三女、四女と言った者たちが志願して開墾(かいこん)(はげ)んでいる。千代丸の家中は士気が高い。知多半島から移住する者たちもいる。手厚い補助金が与えられ、ただ同然で土地を与えられる。


 織田の若様の所に行けば、仕事がある。そういう噂が流れている。他の土地から人が、物が流れてくる。


「うむ。検地(けんち)大儀(たいぎ)である。(いそ)(しち)よ。大高は豊かになろう」


「はっ、何しろ若様がおられるのですからな。織田の千代丸と言えば、赤子でも知っておりまするぞ」


 磯七が笑う。千代丸も笑みを浮かべた。織田家の中でも異彩(いさい)を放つ千代丸軍団は人材も豊かになり、軍事的な機動力も上がっていた。


「職人町も作っておりまする。いやはや、伊勢だろうと遠江だろうと腕の良い者が来ておりまするよ」


 千代丸は満足そうに(うなず)く。新しい町も作っている。城下町に武家屋敷も造営(ぞうえい)されている。千代丸の家臣団は大高城下に住むことになる。松平が(うらや)む町になるだろう。千代丸はさらに笑みを深くする。


 大高城下は千代丸によって新しく生まれ変わろうとしていた。








「本丸取ったぞ―――――っ」


 梶原平九郎が大声を上げる。砦の兵たちは逃げていった。名和城に逃げ込む気だろう。平九郎は一息をつく。滝川八郎がやってくる。


「さすが猛将、梶原平九郎様。鬼神(きしん)(ごと)き働きでございますな」


「フフフ。見たか、この平九郎。武功を上げたわ。フハハハ! また知行が与えられるかの」


 八郎が(はや)し立てる。平九郎は胸を張った。梶原軍団は一つにまとまって猛攻(もうこう)した。攻城兵器も手に入れ、城攻めも得意になりつつある。


 平九郎は自慢(じまん)の槍をガンと地面に立てた。


(いやはや、若君に仕えて良かったわ。梶原平九郎、ここにありと武功を立てることができた。若君は政も目を瞠るものがある。あのような才、見たことがない……)


 平九郎は周りを見回す。家臣は欠けていない。千代丸の発注した盾で家臣たちは守られる。千代丸には内政だけでなく、軍事の才もあった。細かく指示してくるが猛者(もさ)である平九郎も(うな)らされることが多い。奇妙な童子だが、ついてきて良かった。平九郎は肩で息をしながら、何度も(うなず)くのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ