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第六話 蒼もレベルアップ!?

「二階堂くん、ジュ⋯⋯」


 そこまで言いかけた瞬間、いきなり目の前がまるで赤いカーテンを掛けられたように真っ赤に染まっていった。

 

 それと同時に警報みたいな音が頭の中に鳴り響く、それはまるで怪盗がお宝を盗む瞬間に失敗してしまったようなけたたましい音だ。


 何これ?恐怖に不安といった負の感情が流れ込んできて、体が微かに震え始める。


 私は椅子に座り込み頭を抱え込んだ『イヤッイヤッもう止めて』と何度も頭の中で叫び続けた、その時。


 『テレテレッテッテッテー』


 え?次はなに?もうわけわかんない。

 どこかで聞いたことのあるような効果音が聞こえた。


 すると目の前の赤いカーテンが幕を開け、警報音と流れ込んできていた負の感情が、ピタリと止まり、私は胸を撫で下ろし安堵の表情を浮かべた。


 本当になんだったのだろう?頭の中で疑問符を浮かべながら、ディスプレイの方に視線を移すと、ステータスとスキルが点滅している事に気付いた。

 

 私は先ほどの恐怖体験もありディスプレイをタッチするのを躊躇ちゅうちょしてしまう。


 でも、このままじゃ埒あかないしと思い、意を決してステータスを押した。


ーーーーーー

ステータス一覧


レベル2


HP 14

MP 18

筋力 21

知力 4

魅力 89

俊敏 57


恋愛経験値 5 次のLvまで10


ーーーーーー


 なにこれ?私は色々あり過ぎて正常に頭が働かなくなっていた。


 意味わかんない⋯⋯考える事を放棄して、スキルも押してみる事にした。

 

ーーーーーー


使用できるスキル

無し


覚えられるスキル


トゥンクトゥンク

スキンシップ(小)

壁ドンッ

番号の交換

顎クイッ

デートに誘う


ーーーーーー


 うん、もう降参。

 頭からプスプスと音をたてて煙が出ていくような感覚に襲われる。


 もうなんでもいいやと投げ遣りにディスプレイをタッチすると『デートに誘う』が使用できるようになっていた。


 なんか押しちゃったかな?押しちゃったついでにスキルも押しちゃう!もう軽く自暴自棄気味にタッチすると。


 何も起こらんよね?知ってるしとステータス一覧に目を戻す。『デートに誘う』の横に常時発動と一文が追加されていた。


 意味わからないと訝しげにディスプレイを見ていたその時。


 『トゥンク⋯⋯』


 え?何?急に心臓が早鐘を打ち始めた。


 『トゥンク⋯⋯トゥンク⋯⋯』


 気持ちが高揚し体が火照っていくのを感じる。


 『トゥンク⋯⋯トゥンク⋯⋯トゥンク⋯⋯』


 (や、やばい、声が漏れ出ちゃいそう、心臓がキューッとなって(よだれ)が⋯⋯)


 私は高ぶる気持ちをなんとか抑え込もうと、太腿と太腿の間に両手を挟み込んだ。


 (やばいやばいやばい)


 思考は完全に停止し、目が潤んできた。


 (ハァハァハァッ⋯⋯もう無理)


 そう諦めた瞬間、鼓動の高鳴りが徐々に収まり始め、私はホッと胸を撫で下ろし、深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。


 体が急に火照ったせいもあり喉がカラカラだ、そう言えば二階堂くんにジュース奢ろうと思ってたんだ。


 「二階堂くんジュース買いにいこ」

 

 「いやです」


 アハッ断られたし!てかあれ?なんか変な感じ、私は色々腑に落ち無い様子で首を傾げ疑問符を浮かべていた。

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