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第二十話 同級生?

 中間テストまで残り二週間を切り、僕は重い瞼を擦りながら、教室で一人考え事をしていた。


 「ふぁ〜〜あぁ〜〜」


 顎が外れるくらいに、大きな口を開け欠伸をすると、目から大粒の涙がポロリと落ちる。


 学生の本分、勉強を毎日遅くまで⋯⋯と言いたい所だけど、買い物に行った日から毎日のように、立花さんと朱里から電話がきて寝不足気味だ。


 そして、その結果。


ーーーーーー

ステータス一覧


レベル7【蒼】レベル3【朱里】


HP 38

MP 26

筋力 7

知力 87

魅力 73

俊敏 6


恋愛経験値 40 次のLvまで30


ーーーーーー

 

ーーーーーー


使用できるスキル

トゥンクトゥンク

番号交換


覚えられるスキル


スキンシップ(小) 告白

壁ドンッ      お泊り      

顎クイッ      プリクラ    

デートに誘う    旅行

スキンシップ(中) サプライズ

キスをする          

恋人繋ぎ 


ーーーーーー


 ま、予想はしていた。恋愛経験値が何かしらのコミュニケーションで得られるなら、電話するだけで取得できるだろうと。


 ここでまた気になるスキル【サプライズ】が取得可能になったのだが⋯⋯正直あまり期待はしていない。


 だって何が起きるかわからないじゃん?わかったらサプライズにならないし、それにこのステータス。


 たぶんこれ、レベルが上がってもステータスは変化しない。


 恐らくステータスを上げるには、リアルで筋トレしたり、勉強しないと増えていかない、その証拠に知力は増えているが、筋力は全く増えていない。


 実際勉強はするけど、筋トレなんて一切しないからね。


 と考察をしていると教室のドアが開きクラスメイトが入ってくる。ま、誰が入ってこようと友達のいない僕には関係ないからね、と頬杖を付いて窓の外を眺めていると。


 「よぉ〜二階堂」

 

 「はひ?」


 唐突に呼びかけられ思わず体が『ビクッ』と跳ね上がる、恐る恐る声が聞こえた方に視線を向けると、見たことのない人が僕の前に立っていた。


 「覚えてねぇか?」

 

 「う、え、あー(誰?)」


 「俺だよ俺」


 あ、詐欺かな?と思って、怪訝そうな表情を浮かべながらもう一度彼の顔をよく見てみる。


 「まじかー、小学生の時同クラだったんだけど覚えてない?」

 

 「昔の事はあまり覚えていないんです(てことは、この人あの時あそこにいた可能性のある人なんだ⋯⋯)」


 別に昔の事を引きずってるわけではない、ただそういう関係をリセットしたくて、わざわざみんなが選びそうにない高校を受験したのにと項垂れていると。


 「あーそうだよな思い出したくもねぇよな」

 

 そう言って視線を逸らし、頭をポリポリと掻き始めた。僕はその様子をみて気まずそうな表情を浮かべた。


 「その、あれだ、あの時はごめん」

 

 「あ、うん、僕の方こそ名前覚えてなくてすいません」


 やっぱりいたんだ⋯⋯今更感はあったけど、謝られるとは思っていなかったので拍子抜けしてしまう。


 「改めて俺の名前は日下部春樹だ、春樹って呼んでくれ」

 

 正直名前を聞いてもピンとこなかった。「あー、うん、わかりました(僕になんの用だろう?)」


 「いや実はお前に聞きたいことがあってさ」

 

 「なんでしょうか?」


 日下部くんはまわりの様子を窺いながら、僕の耳に口を寄せて、誰にも聞こえないように話し始めた。


 「立花と付き合ってるの?」

 

 「は、はいーー?」


 突然訊かれて、声が裏返ってしまった。


 「つ、付き合ってるのか!?」

 

 「つ、付き合ってませんよ、どう見たら付き合ってるように見えるんですか?(告白はされたけど⋯⋯)」


 「だってお前らめちゃくちゃ仲いいじゃん?」

 

 「仲良く見えますか?(あれは親分と舎弟みたいな関係だと思うけど)」


 僕は天を仰ぎ、腕を組んで首を傾げた。


 「うん、見える、それにやってんだろ?」

 

 「や、やってる!?」


 端から見たらそんな風に見えるの?と驚愕して慌てふためいた。


 「え、やってないの?LOVE♡GAME」

 

 「あ、あー、やってます」


 勘違いした事に赤面する。たぶん日下部君は僕の表情を見て別な意味で勘違いしている事だろう。


 「顔赤いぞ」

 

 「いや、これは違うんです(何が違うんだよ)」


 弁明しないとこれはまずい、そう思った瞬間、立花さんが教室に入ってきた。

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