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第二話 運命値100!?

 教室の前に到着し、生まれて初めての遅刻にドキドキしながら、取っ手に手を掛け意を決して扉を開けた。


 「入学早々仲睦まじく遅刻とはいい度胸だな?」

 

 「え?」


 僕は後ろを振り返った。


 銀色の長い髪が透き通った青い瞳をより一層際立たせている。

 整った顔立ちで身長は160cmくらいだろうか?まるで海外のファッション誌から飛び出して来たかのような女の子が目の前に立っていた。


 「さっきはごめんね」


 左目をウィンクさせ右手でごめんの仕草を悪びれながらしている。

 

 「さっきですか?」


 僕が聞き返すと彼女は苦笑を浮かべて話を続けた。


 「曲り角でぶつかったじゃん?覚えてないの?」


 急いでたのもあってか顔を見てなかった、でもぶつかった相手に『覚えていない』は失礼だと思い今一度謝罪する事にした。


 「すいませんでした、本当に怪我はありませんでしたか?」

 

 そう言うと彼女は怪訝そうな顔で僕を睨んだ、何故睨まれたかは正直わからないが、僕に失礼な態度があったと勝手に認識してしまい頭を下げた。


 「怪我は無いよ、てか覚えてないのかよ」

 

 「し、失礼しました」


 「そこの二人喋ってないで早く席に着きなさい。立花さんは窓際一番後ろ、その隣が二階堂さんね」


 「「まじ?」」


 元よりその席しか空いて無かった。

 遅刻はしてしまうし、ぶつかった相手には失礼な態度をとってしまうし、その人は隣の席だし、ディスプレイが現れるしと入学早々最悪な滑り出しだと思い机に突っ伏した。


 担任(長谷部先生)の話しが続く中、僕は頬杖を付く体勢に変えてディスプレイを眺めていた。


 ずっと目の前に浮かれているのも目障りだし、取り敢えず消し方だけでもと思ったが点滅している運命値一覧が気になりすぎる。


 まだ長谷部先生の話は続きそうだし押してみるかと恐る恐るそこをタッチしてみた。

 


ーーーーーー

【運命値一覧】

立花 蒼 運命値 100


ーーーーーー


 「立花 蒼?100?」


 僕はまわりに聞き取れるか取れないかくらいの、か細い声で呟いていた。


 ヤバ聞こえたかな?念の為周りをキョロキョロと見渡したが特に問題無さそうだったので胸を撫で下ろした。


 立花 蒼は恐らく隣の女の子だよな?ぶつかったタイミングで出てきたわけだから、それより運命値100とは?1000/100って事なのかそれとも100がMAXなのか?そもそも運命値ってなんだ?


 俯き呻っていると入学式が始まるのか、長谷部先生が全員廊下に並ぶようにと促してきた。


 今は考えても調べる事すらできない、それなら入学式に集中して終わってから調べた方が絶対に効率的にもいいはずと思い目の前のディスプレイは一先ず置いとく事にした。宙に浮いてるから置くことはできないが⋯⋯


 あぁー!本当にこのディスプレイ目障りだ!

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