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第一話 LOVE♡GAME開幕!?

 日本の人口が徐々に減少し始めているらしい。これは戦後最大の危機と言っても過言ではないと思う。

 

 人口減少の理由は至極単純で、若者の恋愛離れによる婚姻数低下と、出生率の低下が原因だと囁かれていた。


 日本政府はこの問題を早急に対応しないといずれ日本人がいなくなり日本が消滅してしまうと判断し、ある政策を考案実施したそれがLOVE♡GAMEである。

 

 全貌は明らかになっていないが、ようは国が恋愛成就させるために一肌脱いだって事らしい、いい迷惑だ。


 今わかっている事は、運命値とやらが一定数ある男女が出逢うと、ホログラムディスプレイが現れて、LOVE♡GAMEが始まるらしい。


 「ちょっと景いつまでテレビ見てるの?学校遅刻しちゃうわよ」

 

 「え?」

 

 母さんにそう言われて、時計に視線を向けると、全力で走らないと遅刻してしまう時間を時針が指しているのが見え焦慮(しょうりょ)する。


 「い、行ってきます」


 「いってらっしゃい」


 入学当日から遅刻したくない⋯⋯急いで玄関に向かい靴を履いて、扉を開け飛びだした。


 暖かい風が桜を舞い散らせる通学路を、脇目も振らず一心不乱に走った。


 角を曲がった瞬間『ドンッ』ヤバイぶつかった、その勢いで僕はその場で尻もちをついてしまったのだ。

 

 「いったぁぁぁぁぁぁぁい」


 「すいません、完全に不注意です」


 急いでいた為か全くまわりを注視していなかった、完全に僕が悪いと思い、立ち上がりぶつかった人に怪我が無かったか確認をする。


 目の前の人が腰に手を当て擦りながら尻もちをついていたのを見て、僕は手を差し出した次の瞬間、右目前方の場所にホログラムディスプレイが浮かび上がった。


 唖然とし開いた口が塞がらない。

 ニュースで見聞きした光景が今目の前で起こっている。いや今はそれどころじゃないと自分を律し目の前の人に声をかけた。


 「大丈夫ですか?お怪我は無いですか?」

 

 「大丈夫、こっちも不注意だったごめんね」


 そう言って彼女は、右手を前に突き出し制止してきた。

 僕の助けは不要みたいだ、怪我していない事が確認取れて安堵し顔が綻ぶ。


 「怪我とか無くて良かったです。すいません急ぐので失礼します」

 

 「うん、こっちこそごめんね、バイバイッ」


 僕は会釈してその場を離れ、また学校への道のりを全力で走った。


 校門を過ぎ昇降口で上履きに履き替えた。だめだ完全に遅刻だ、今まで遅刻なんてした事無かったのにと項垂れジト目でディスプレイを睨んだ。


 そもそもこのディスプレイはいつまでここにあるのだろうかと疑問符が浮かぶ。

 ディスプレイにはまるでゲームみたいな項目が並んでいる。


――――――――――

【スキル】

【ステータス】

【運命値一覧】

【ヘルプ機能】

――――――――――


 運命値一覧が点滅しているのが分かったけど⋯⋯気になる⋯⋯でも今は教室に急ごう、そう思って僕のクラスである1-A組へと向かう事にした。

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