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三十六話



「誰…?!」


どうやら大当たりの様だ。

ひいふうみい…六人いるな。従者と王か?


「俺は対戦相手の南雲獅剛だ。投降しろ。悪いようにはしないからーー」


「これはご丁寧にどうも。そうね、私はクーデリア…とでも名乗っておこうかしら。ふふ、素敵な提案だけど、それは出来ないわ。私だって昇王戦を勝ち抜いてきたんだもの、こんなところで負けるつもりは毛頭ないわ。」


「そうか…なら一対一でケリを着けよう。無駄な負傷者はお互い出したくないだろ?」


お相手さんは戦えそうなのが一人だけ。他の四人は見るからに文官タイプでペンより重いものは持てないと言った様な風体だ。


若しくは降した王候補かもしれない。


その中央に立つ王の女性もとても戦えそうには見えない。


すごいナイスバディな白人さんが不適な笑みを浮かべつつも俺を睨み付けてくる。


…最近この手の視線を浴びることが多いが気のせいだろうか?

気のせいじゃないんだよなぁ…


「私が行こう。王よ、構わんな?」


その代わりめちゃくちゃ強そうな女性だ。


鉄鎧にレイピアを腰に履き、銀髪赤目の目付きが鋭い美人さんだ。


おまけにさっきのマルが連れ出してくれた巨女に雰囲気が似ている。


流石は護衛といった見た目をしている。


ジャンヌに力を示す。当初の目標を思い出して俺はジャンヌの前に出ようとするも、


「ジャンヌ、俺がーー」


「マスター、あれは私の獲物よ。貴方は私が勝つのを黙ってみていればいいの。」


はい…すいません…


「アマゾーンの女王、ヒッポリュテーだ。そちらの名は?」


「ジャンヌダルクよ。そうね…(・・)の、聖女ってところかしら?」


にこり、と嗤うジャンヌにヒッポリュテーは威嚇するように歯を剥き出して笑う。


これ…多分煽り合ってるよな?おぉ、怖い…


「名乗りも済ませた。唯のジャンヌ(なにがし)よ、死合おうぞ!」


「ジャンヌ!分かってるだろうけど、殺しちゃーー」


「分かってるよ、マスター。さぁ、開始よーーフッ!」


ジャンヌは宣言と共に姿を消した。


気付けばヒッポリュテーは窓側の壁に衝突している。


それに間髪容れず追撃の二連打。


ガシャーンと衝撃で窓が割れガラガラと大音を立てヒッポリュテーは二階から飛び落ちた。


勝負有り…かと思ったがこれくらいではやられてくれないらしい。


床を砕いて現れたヒッポリュテーはジャンヌの足首を掴むと下へ引きずり込んだ。


姿は見えないがソウウン、サナー、ジョンのモノらしき声が聞こえる。


さて、俺は座ってのんびり待つか。


あ、緊張を解いたら欠伸が…


「あら?敵陣で欠伸とはいい度胸じゃない。貴方の従者がやられているかも知れないのにずいぶんとのんびりしてるわね?」


「ん?あぁ、まぁな。ジャンヌはうちの最大戦力だし、仮に負けたとしてももう打つ手は無いしな。けど、絶対負けないと思うぞ?」



俺がそう告げると一瞬場を静寂が支配する。一拍置いて呆気に取られて居た相手は俺の顔を訝しむ様に見つめてきた。


そんなに見つめられちゃ照れちゃうぜ、へへ!鼻を擦って居るとドアが開く。


その人物は正しくジャンヌでその左脇には気を失ったヒッポリュテーが抱えられていた。


「神の末裔と言ってもこの程度なのね。けど退屈はしなかったわ。」


そう言い残すとヒッポリュテーをお相手さんの前に投げ俺の前に立った。背中が物語っている。


『まだやるの?』と。


敗けを悟ったお相手は平伏し、試合の幕は閉じた。


携帯の画面にYOU WINの文字が踊る。


俺達は転移させられ本拠の隈本城の前にいた。


その日は戦勝会と言う名のバーベキュー大会を開催し俺は自室でゆっくり眠りについた。



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