第30話
30話くらいで終わるかなーと思ってたのに、まだ全然話が進んでいません。
書くの遅いけど、頑張って書いていくので、読んでいただけると嬉しいですヾ(๑╹◡╹)ノ"
私の1日は、精霊樹へのポーションやりで始まります。
この世界の人は、日の出とともに起きて行動。夜は暗くなったら寝るのが一般的。
ライトの魔法もあるし、電灯の魔道具もあって、街中は夜もある程度は明るいのだけれど、夜勤の騎士団の警備の人以外は、夜の外出はしない。
アビエルみたく、研究オタクで、夜通し作業してる人も中にはいるだろうけれども、社会のシステムが、昼型のホワイト体制なのだ。
夜は魔物の力も強くなるし、世の中の人みんなが夜に寝ているのなら、起きていてもしょうがないってことなんだろう。
郷に入ったら郷に従えってことで、私もそんな感じの生活スタイルを心掛けてる。
一番の早起きさんはレオンで、夜明けとともに起き出し、朝の鍛錬してからお風呂入って、朝ごはんを作ってくれる。
私は、朝ごはんが出来る頃に起きて、精霊樹のポーションやりをしてから、レオンが作ってくれた朝ごはんを食べて、魔物狩りに出かける。もちろんレオンと二人で。
この時点では、アビエルは起きてくることはほとんどなくて、私たちが、ひと狩して昼ごはん食べに帰ってくる頃に、食事を用意して待っててくれるパターンが多い。
魔物狩りは、行く場所によって帰宅時間が変わるけど、たいていは、夕方までには町に帰って来る。
夜は門が閉まって町に入れなくなるし、野営とかは私が無理。
元々、アウトドア派じゃないから地面に寝るという選択肢がないうえに、魔物も怖い。
現状で、生活が成り立つなら、無理して遠くに行く必要性を感じない。
アビエルが、冒険者ギルドに置いてあったよりも詳しい町周辺の地図と、魔物の分布図を持っていたので、さらに計画的に稼ぐことが出来るようになったしね。
ちなみに、私たちが魔物狩りをしている間、アビエルは部屋にこもって錬金術の研究をしたり、魔道具作っているようです。
「精霊樹がこんなに簡単に大きく育つなんて、リリはやっぱり凄いね」
「アビエルおはよ」
毎朝のポーションやりをしながら、ぼんやりと精霊樹の成長ぶりを眺めていたら、珍しく早起きしたアビエルから声をかけられた。
「おはようリリ」
アビエルは、朝が苦手のようで、まだぽーっとしている。
「にょきにょき伸びてるよ。この調子だと大木になっちゃうね」
毎日、目に見えて大きくなってる。
竹とかもこんな感じなのかな?
「そだねー。そうなると水場も作りたいよね」
「水場?噴水とか?」
「別に拭き上げさせなくても、泉で充分だよ。たぶんそろそろ水脈も来ると思うし」
水脈って寄って来るものなのかー。
さすが異世界。
「庭に川でも作るの?」
箱庭的な。
「いや、湧き水を大地と循環させるんだよ。美味しい水が飲めるよ?」
「やったー、たのしみー」
美味しいお水、大好きです。
「リリが喜んでくれるの嬉しい」
アビエルが本当に嬉しそうににっこりするので、私も嬉しくなる。ほわほわんと良いね。
ちなみに、精霊樹は一週間ほど前に苗木で植えたものが、現在では高さ2メートル、太さは直径20センチほどにまで成長している。
これも毎朝心を込めてポーションをあげてるからだね。
「この木の近くにいるとホッとするというか、森林浴というか、パワースポット的な何かを感じるんだよね。気のせいかキラキラしてるようにも見えるし」
「キラキラが見えるの?それは下級精霊かもね。ふふふ、僕の実験、超成功。ありがとリリ!リリって本当に凄いよ!大好き!」
アビエルにギュッとされています。
「よくわからないけど、喜んでくれて何よりだよ」
「庭に泉作っていいよね?」
「うん。アビエルのやりたいようにやったら良いよ」
「ほんとリリ大好き!早速準備するね」
アビエルが顔を輝かせながら走って行くのを見送る。
「がんばれー」
庭に泉が出来るようです。
お魚も釣れるようになるのかな。楽しみ。
魚なら、塩ふって炙り焼きで充分美味しいよね。




