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秘密結社、三人団 -神の国計画-  作者: 山口遊子


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第80話 成都突入!2


 アズランに案内されてやってきたのは、青いガラスの外装の現代的な高層ビジネスビル。ビルの出入り口や外装から黒い瘴気が漏れ出てそれが周囲に広がり、いい雰囲気だ。一般人では視認できないのだろうが、瘴気が周囲に立ちこめている関係か、ビルの四方を囲む道路の歩道上に人はほとんど見当たらない。


「フー、ハー」「スー、ハー」「スッスッ、ハー」


 俺たちは3人揃って久々の瘴気を胸いっぱい吸い込んだ。


「生き返るなー」「久しぶりー」「気持ちいいー!」


 瘴気を久々に浴びて胸いっぱい吸い込めただけでも、ここにきたかいがあった。


「なんだか、ここをぶっ壊してしまうのは惜しくなったな」


「そうですね。どうします? スッポーンで中の連中を半分殺しちゃうと瘴気は薄れるのかな? というか、瘴気の大元おおもとって何なんですか?」


「なんか、ワクワクするほど禍々(まがまが)しい何かだと思うぞ」


「ということは、そのワクワクをいただいてしまえば瘴気はこっちのもの?」


「まあ、そういうことになるな。大きなビルだが、これほどの瘴気が漏れているなら、そのワクワクを見つけるのも簡単だろ?」


「ですね。この感じだと最上階あたりでしょうね」


「だいたい瘴気は下に溜まるものだからおそらくそうなんだろうな。

 それで、大元を持って帰るとして、涼音たちにはさすがに毒だろうから扱いが難しいな」


「キューブに入れておけば瘴気も漏れないから持ち帰りは簡単。持ち帰ったら拠点に瘴気用に気密室みたいなのを作りますか? サウナみたいな感じの」


「瘴気サウナか、それはいい。ホントにサウナ機能も付けてもいいしな。そうだ! 大きな風呂場も作るか? 温泉みたいな。昼間から温泉に入って、湯舟の中で飲む酒は格別だぞー。

 瘴気サウナには入れなくても、涼音たちも俺の祝福や加護を受けてるから、瘴気耐性がある程度はあるはずだから少しくらい気密室への出入りで漏れ出るぶんには大丈夫だろう。心配なら、気密通路でよそと繋げればいいしな。

 よーし、瘴気の元をいただくぞー! 善は急げだー!」


「いっくぞー!」「ヒャッホー!」


 ここにきた目的が何だったのか半分忘れてしまったが、瘴気の元をいただけば、目の前の建物の中にいる悪魔崇拝者たちには相当な痛手となるのは間違いない(・・・・・)。少々間違いがあってもいただく物はいただく。



 俺たちは歩道から一段高くなったそのビルの、御影石で舗装された敷地に突入し、出入り口の自動ドアに飛び込んだ。


 空調の効いた玄関ホールの先に、エレベーターホールが見えている。エレベーターホールの手前にはセキュリティー用のカードリーダー改札機が並んでいた。改札機の横には制服を着て警棒のようなものを持った男が4人立っている。4人が4人とも無表情で魂が抜けたような顔をしていた。場所が場所だけに、本当に魂が抜かれているのかもしれない。


 そいつらの着ている制服の胸に漢字で2文字書いてあったが、『警』の隣りの漢字が読めなかった。警備とか警備員とかの意味だろうが、ちゃんと日本でも通じる漢字を使えよ。


 社員?カードがない俺たちはもちろん強行突破一択だ。


 俺は着ている服が諸々(もろもろ)で汚れないよう『装着!』と心の中で唱えてダークサンダーを着込み、


「トルシェは俺の後ろに、アズランは遊撃で。できれば瘴気の大元(おたから)のある場所を見つけてきてくれ」


「「はい」」


 俺の後ろからアズランの気配が消えた。


 目の前の警備員たちはいきなり現れた?黒ずくめの俺を見て警棒のようなものを振り上げながら向かってきたが、数歩も歩かないうちに首根っこから盛大に血を吹き上げて二人の頭が床に転がり、残りの警備員の頭の上半分が見事に真上に吹っ飛んだ。


 玄関ホールは3階分くらいの吹き抜けで天井まで14、5メートルある。絶好のスッポーン天井だ。高々と吹き上がった頭の上半分2つは天井に当たることなく磨かれた大理石の床に落っこちてきて、脳漿と体液をぶちまけた。本体ももちろん床に倒れてそれなりのものをぶちまけている。


「いやー、よく飛んだな。いまのは新記録じゃないか?」


「ヤッター!」


 後ろからトルシェの屈託のない明るい声が聞こえた。顔を見なくても満面の笑みを浮かべているトルシェの顔が想像できる。


 警備員の他にホールにいた数人もこの瘴気の中で普通にしていた連中だ、容赦することはない。すぐに、そいつらの頭の上半分が天上に向かって打ち上がった。


 死体だけでなく、足元が血とかもろもろの体液で汚れてしまった。足元に気を付けないと滑りそうだ。


 このところ、コロにろくなものを食べさせていないので、ちょうどいい。


「コロ、そこらの死体を片付けて、床もきれいにしてくれ」


 コロから触手が伸びて、あっという間に床に転がった諸々が消えていき、床もすっかり綺麗になった。


「襲撃犯がこれほど現場をきれいにすることはないよな。

 世界一きれいな襲撃者として、ギ〇ス認定してくれんかな。ところでギネ〇認定されたら金一封出るのかな?」


「やっぱり金一封は出ないんじゃないですか。でも、スッポーンも〇ネス認定されたら嬉しいかも」


「そのうち、ギ〇スを買収してもいいな。ついでにミシ〇ランも買収して女神さまの(おれの)国のレストランを三ツ星だらけにしてやるのも面白そうだろ」


「それはいいかも」


「それじゃあ、瘴気の元(おたから)を探しに行くぞ!」



 俺が、左手に持ったリフレクターでカードリーダー改札機を叩き壊しながらエレベーターに向かっていたら、2人の警備員を首チョッパしたまま、どこにいったのか分からなかったアズランがフェアを肩に乗せて急に現れた。


「最上階までいってきました。瘴気の元があるらしく瘴気がかなりの濃さで最上階からエレベーターシャフトの中に漏れています」


「アズラン、エレベーターシャフトを伝って上まで行ったのか?」


「エレベーターは全部止まってるみたいです」


「そりゃそうか。俺たちのさっきのおふざけも、どっかで監視してたんだろうしな。

 そんなら俺たちもエレベーターシャフトを伝って一気に最上階だ、といいたいところだが、面倒だから階段でいこう。ここもエレベーターホールの近くに階段があるんだろ?」


「階段はこっちです」


 さすがはアズラン。抜かりはないようだ。俺とトルシェはアズランについてエレベーターホール横の扉を開けて、非常階段が上下に伸びる踊り場に出た。


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