表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀翼の冒険者がゆくVRMMO冒険譚~ときどき(彼女が)配信中~  作者: あきさけ
第七章 【シナリオ】は続くよ完結まで
101/101

100.館が出来ても旅は続く

「いやー! どうよ、私の作った家は! なかなか立派でしょう!!」


 俺とサイが始まりの街ファストグロウに館をもらってから半月が過ぎた。

 その間、サイはひたすら家具集めに奔走し、課金アイテムにまで手を出して屋敷を完成させたのだ。

 すごい執着心だな。

 正直、怖い。

 あと、どこに行くんでも俺を引きずり回さないでくれ。


「はいはい、すごいすごい。それで、俺だけにこの屋敷を見せたかった訳じゃないだろう? 俺だってこの屋敷にはいつでも入れるんだから。家具集めだって手伝ったし、配置だって手伝ったんだぞ?」


「そんな事わかってるって。フィートにお願いしたいのは、私のカメラになってほしいってこと」


「お披露目配信か」


「そういうことよ。じゃあ、始めよう!」


「はいはい。始めよう」


 サイが始めたこの屋敷のお披露目配信はとても評判がよく、サイが配信した動画の中でも最高クラスの再生数を誇ったのだとか。

 あとからでもじわじわ伸びているのは、サイがホムンクルスの作り方についてわかっている範囲の素材を話してしまったからだろうな。

 配信内でまだ足りないって話をしたし、設備がないとホムンクルスは作り出せないとも話をした。

 それでも、動画の中に登場したふたりのホムンクルスは十分なインパクトを与えていったようだ。

 サイにはときどき問い合わせも来るらしいし、有名人は大変だね。


「そう言えばフィート、『飛行』スキルって覚えた?」


「『飛行』? まだだな。それがどうかしたのか?」


「いやね。フィートほど飛び回っていて『飛行』スキルを覚えていないっていうのも珍しい、というか初めての事例なんだって。知り合いのスキルマニアが言ってた」


 そうだったのか。

 俺はてっきり『飛行』スキルを覚えるために、これ以上苦労するものだとばかり考えていたのに、実際にはレアな事例だっただけだなんて。

 サイに振り回されすぎていて何かを見落としていたのか?


「それでね、そのスキルマニアの子がフィートと話をしてみたいんだって。あと、検証もしてみたいと」


「つまり、どうすれば飛行スキルを覚えられるかの実験もしたいと」


「そうなるね。フィート、どうする?」


 ふむ、悪い話じゃないな。

 俺はひとつ頷くと了承の返事をした。

 俺にとってもメリットのある話だからな。

 渡りに船ってやつか。

 スキルマニアっていう人が悪人じゃなければいいんだが……。


 数日後、屋敷に呼び出されたスキルマニアの知り合いという人から、いろいろと実験と称した度胸試しをさせられたのは言うまでもない。

 最終的には『飛行』スキルを覚えられたからいいものの、かなり大変だったぞ。

 スキル取得条件の検証とやらも大分進んだとか言っていたし、よかったと思う事にしておこう。


「いやー、フィートが『飛行』スキルを覚えてくれて助かるよ。『滑空』スキルじゃ絶対にいけない場所へもこれで行けるから!」


 サイがものすごくいい笑顔でのたまってくれるがこれが目的だったのか……。


「さあ! 次の冒険に出発だよ! 配信のネタも集めなくちゃ!」


「わかった。わかったから、今日はもう休もう」


「だめ! 今日から冒険に行くの!」


「……わかったよ。じゃあ、準備してくる」


「うん! 何が待っていてくれるかな? 面白いものだといいな!」


 サイを止める事は不可能だな。

 はあ、このまま俺とサイは冒険を続けるのか。

 これも悪くはない、か。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓小説家になろう勝手にランキング参加中↓
小説家になろう 勝手にランキング


作者の代表作です。お時間があればどうぞ。
Unlimited World ~生産職の戦いは9割が準備です~
― 新着の感想 ―
[一言] お疲れ様でした。他のも楽しみにしてます
[一言] あけましておめでとうございます 完結お疲れ様です 他作の更新も気長に待ってます
[一言] 完結お疲れさまでした。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ