10 それぞれの成長に向けて2
「再戦に決戦……か」
俺はレイヴンの言葉を繰り返した。
マルスが今後どれくらい強くなるのかも気になるけど、レスティアについても最大限の警戒を払わなければならない。
レスティアとは学内トーナメントで一度ぶつかっているけど、彼女の実力のすべてを見たわけじゃない。
まして彼女は魔王だ。
レスティア単体の戦闘力だけじゃなく、彼女が率いる魔族軍の戦力も合わせたものが魔王軍の力ということになる。
来たるべき魔王大戦の日、俺は対抗できるだろうか。
人間側の戦力と共に戦い、魔王軍に打ち勝てるだろうか。
破滅ルートをいくつも抱えている以上、魔王大戦においても、俺にどんな運命が訪れるか分からない。
「【神】の存在もあるしな……」
すべてを覆し、跳ね返すために――俺には、さらなる力が必要だ。
「修行をつけてやるよ、相棒」
レイヴンがニヤリと笑った。
「お前が死ぬってことは、俺が死ぬってことでもあるからな」
「助かるよ」
俺は素直に礼を言った。
「お前がふがいないときは、すぐに俺が変わってやるからな」
「それは御免だ」
俺はニヤリと笑った。
「俺は、俺のままでいたい」
「ちっ」
レイヴンは舌打ちした。
「……まあ、いい。とにかく――魔王の魔力は人間をはるかに超える。いくらお前でも、単純な魔力勝負では分が悪い」
「それでも――勝てる方法を探さないとな」
俺は言った。
魔力をさらに上げるか、あるいは魔力差を覆せるような必殺の術式を開発するか。
「なあ、俺の魔力をもっと増やすことってできないのか?」
「何?」
「魔力アップができるトレーニングとか、さ」
「……なくはない」
俺の問いに答えるレイヴン。
「おお、それなら――」
「ただ、危険を伴う。それも相当の」
レイヴンは苦い顔だ。
「そもそも、簡単に魔力が増えるなら、みんなやってるだろう。やらないのは、それだけの理由があるってことだ」
「なるほど……」
うなずく俺。
「で、その方法ってどんなものなんだ?」
「お前……実行する気じゃないだろうな」
レイヴンがジト目になった。
「内容次第だ」
俺は表情を険しくした。
たとえどんな試練でも、俺は乗り越えてみせる。
そして破滅ルートをすべて叩き潰して、幸せに生きるんだ。
そのとき脳裏に浮かんだのは、キサラとマチルダ、二人の笑顔だった――。
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