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レントたち、はぐれる2

「ビッグパイソン!? モンスターがこんなところにいるなんてっ!」


 サラが声を上げる。


「くそっ!」


 兵士たちが剣を抜いて斬りかかろうとするが、サラが止める。


「待って! 迂闊に近づくのは危険よ! レント、風魔法で攻撃して!」


「分かった!」


 レントは風の刃を生み出し、蛇の首を断ち切る。


 風属性、第三位階魔法のウィンドカッターだ。


「た、助かった……」


 仲間に助けられた兵士は安堵の息を漏らす。


「安心してる場合じゃねえぞ……」


 ムーノが緊迫した声を発する。


 見れば、いつの間にか、レントたちの周囲に大量の蛇モンスターが出現していた。


「ここはモンスターが発生するような土地じゃないわ。これも魔族の罠みたいね」


「ってことは、俺たちがこの森に逃げ込むのも想定済みだったってことかな?」


「そうかもねっ!」


 サラは答えながら火属性魔法で攻撃する。


 その火力に蛇たちが驚いて道を開ける。


「今のうちに!」


 レントたちは一斉に走り出した。


 蛇の包囲網は意外と簡単に突破できた。


 しかし——。


「こ、今度はビッグボアだ!」


「こっちにはケイヴスパイダーがいるぞ!」


「蜘蛛いやあああ!」


「サラお前克服したんじゃなかったのかよ!」


「トラウマがそんな簡単になくなるわけないでしょ!」


「くそっ、バラバラになるな!」


「そんなこといったって——」


「ぎゃー!!!!」


 とにかくみんな身を守るために行動するのが精一杯で、固まって行動するのは不可能だった。


 気づけばレントたちはバラバラになってしまっていた。


         ○


「みんな、大丈夫……?」


 モンスターたちの姿が見えなくなったところで立ち止まり、レントは問う。


 サラから返事があった。


「私は大丈夫。みんなは——っ」


 慌てて周りを見回す。


「ディーネ! ムーノ!」


 二人の姿はなかった。兵士たちもいない。この場にいるのはレントとサラだけだ。


「完全に逸れてしまったみたいね」


「マズいな。みんな大丈夫かな」


「自分の心配はしないの?」


 問われてレントは苦笑する。


「俺とサラなら、よっぽどのことがなければ大丈夫でしょ」


「っ……ま、まあそうね」


 その迷いのなさすぎる信頼に、サラは照れて顔を逸らす。


 それを誤魔化すように声を大きくして言う。


「困ったわね。魔族がどんな魔法を使ってるかわからないけど、下手に動き回ってレントと私が逸れても厄介だし」


「時間をかければ魔族の魔法を解除できるから、それで少しずつ進んでいくしかないんじゃないかな」


「そんなことできるの?」


 レントは頷く。


「周囲の魔力を探知して、そこに術式を流して作用を中和していく。時間がかかるからさっきは言わなかったんだけど、この状況ならそれしかないかな」


「じゃあそうしましょう。ほかのみんなを探しつつ、この森を出るルートを見つけ出すのよ」


「わかった」


 レントは周囲の魔力探知を開始した。

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え、みんな古代魔法使えないの!!???~魔力ゼロと判定された没落貴族、最強魔法で学園生活を無双する~
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