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√悪役貴族 処刑回避から始まる覇王道 悪いな勇者、この物語の主役は俺なんだ  作者: 萩鵜アキ


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よくさされる

 これまで、遺跡の開拓は極秘裏に行ってきた。

 勇者とか国に気取られるとまずいからな。


 だけど、遺跡に直接物資を送ると、輸送ルートを見ただけで大規模な開発やってるってバレる。

 かつてエレン・ヴァルトナーが化粧水の材料を見抜いたようにな。


 商人の行き来が激しいこの場所に村があれば、物資を積んだ商人が来ても自然だし、この村で積載物資の中身が変わったとしても、誰も確かめる手段がない。


 つまり、遺跡への資材搬入を誤魔化すために、この村は作られたんだ。

 そして今も中継地点として活躍中と。

 村の商店に並んだ、あの異様な数の食料や日用品は、いずれファンケルベルクの街に行くはずだ。

 腐った食料は廃棄したとかなんとか理由を付けて、な。


 さらに、それだけじゃここにいる人間は暮らせないから、宿とか色で稼いでると。

 考えられてるなあ。


 まさか、遺跡を開発したいって言っただけで、ここまで大がかりな仕掛けが生まれるとは思わなかった。


「そ、その他、新人キョウイクや商人からの諜報など、すべて順調でございます」

「わー黒いなー、真っ黒だぁ」


 ニーナの視線が冷たい。

 なんか、どっと疲れが……。

 もう帰りたい。


 俺が打ちひしがれている時、扉が音を立てて開かれた。


「チョリーッス、そんちょ、よんだ?」


 耳にピアスを付けた無精髭の青年が現われた。

 すげぇ、この下品な挨拶久しぶりに聞いた。

 チョリーッスって言う奴、この世に存在するんだな。


 挨拶は下品なのに、顔はすごいイケメンだ。

 それに、大人の色香がすごい。

 若いのに渋いというか、すべてを許してくれそうというか。

 こいつ、きっと片手じゃ収まらないくらいの女性を泣かせてるぞ。


「ジェイ、陛下の御前だぞ。少し慎んでくれ!」

「陛下? おお、エルヴィン様、ハジァーシテ。おれ、ジェイっス。宜しくっス」

「……う、うむ」


 はじぁーして?

 ああ、初めましてか。

 一瞬なに言ってるのかわからんかった。

 っていうか村長、陛下っていうのやめて。

 背中がぞわぞわするから……。


「エルヴィン様、こやつをお供に付けていただけませんか」

「……は?」


 嫌だけど?


「お気持ちは十分理解出来ますが、先ほどユルゲン様から伝書鳩が届きまして……」


 おいユルゲン、なんでこんな奴付けようと思ったんだよ……。


「こう見えて盾役としては非常に優秀でございます!」

「ほう……」

「ですので、何卒……」


 盾役なら普通にほしい。

 ただし、その盾役が裏切り者でなければ、だ。


 俺は込めた魔力に命令を飛ばす。

 足の下の影がもぞもぞ動いて、ジェイに伸びる。


「うへっ、なんだこれ気持ちわるっ」


 ジェイは避けるが、影からは逃れられない。

 俺の影がもぞもぞ動く。

 だが、そこまでだった。


 影は盛り上がらず、元の形に戻った。


 ほう。

 こんな軽薄な挨拶しか出来ないから、中身もスカスカかと思いきや、忠誠心はちゃんと備わっているみたいだな。

 これなら裏切られることはなさそうだ。


 絶体絶命のピンチに逃走するパターンはあるかもしれないけど。

 でも、足手まといになるよりかは、どこぞに消えてくれたほうがまだマシだ。


「たしかに、ジェイは受け取った」

「あ、ありがたき幸せ。どうかジェイめを、使い潰してやってください」

「いやそんちょ、勝手に潰そうとするなッス」


 悪いなジェイ。

 丁度(トモエ用の)盾が欲しかったところなんだ。


 潰れないよう、頑張ってくれ。

 心の中では応援してるぞ。


 さて、ジェイを連れていくのはいいが、性能がまったくわからんな。

 こいつ、プロデニ本編には出てこなかったからなあ。


「ねえ、本当に連れていくの?」

「遠慮したいが、まあ使い道もあるからな。あの女にぶつけるとか――」

「鬼ね」

「冗談だぞ?」

「嘘おっしゃい。今本気だったでしょ」


 バレたか。

 いや、冗談だぞ。

 だってトモエにぶつけて秒で切り刻まれる未来しか見えないもん。

 それはさすがに可哀想だ。


 一応、念のために盾としての性能だけは聞いておくか。


「ジェイ。正直なところ、お前はどの程度盾として使えるのだ?」

「んー、結構使えると思うっス」

「……具体的に頼む」

「ユルゲン様の攻撃くらいなら無傷っスね」


 えっ、普通に凄いな。

 びっくりだわ。


 ユルゲンが戦ってるところを一度も見たことないけど、雰囲気バリバリ強キャラだからな。

 そもそも、ファンケルベルク使用人のトップ3の一人が、弱いはずがない。


 その攻撃を食らっても『耐えられる』じゃなくて『無傷』って言い切ったところが、なお凄い。


「あの男の攻撃を無傷って、凄いわね」

「む、ニーナはユルゲンに会ったことがあるのか?」

「ええ。教会に物資を届けに、何度かね。戦ってるところは見たことないけど、強さはわかるわよ」

「なるほど」


 それなら聖女の驚きも納得だ。

 アイツ、顔といい雰囲気といい、殺戮兵器としか思えないからな。


「ならばジェイは相当強いのだな」

「いやいや、全然強くないっスよ? 自分、攻撃はからっきしっス」


 ほう、防御特化型なのか。

 プロデニのメインキャラにはいなかったタイプだ。


「何故そこまで硬くなったのだ?」

「毎回、付き合う女にサされまくるからっスかねぇ」


 なに『授業中先生によく当てられる』みたいなノリで、さらっと怖いこと言ってんの?

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