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76話 ネタバラシ2

「まず、私が行ったことは非常に簡単な理屈ですね! ゼロデイ攻撃ですよ」


 エイヴェリーさんがそう言うと、場のみんなは泉やメアリー社長を除いてキョトンとしたような様子でエイヴェリーさんを見た。


「つまり、脆弱性とかそういったことでありますか……?」


 泉からIT技術の教えを受けている田所がそうちょっと不安そうな顔で聞いた。


「君の言った通りだと思うよ。僕が不在にしていた最中、僕が導入しているOSに権限昇格の脆弱性が報告されていたはずだね。その対策パッチが当てられるタイミングとのズレで僕のシステムに侵入したというところだろうね」


 泉がそう言うと、エイヴェリーさんはその通りとニヤニヤした笑みで続けた。


「私は暗号化されていないファイルを片っ端から観覧しましたね! 普段はネットから分離しているためか少し防御意識が薄かったみたいですね。色々と面白いファイルを見つけました」


 エイヴェリーさんはそう言うと、俺や彩、早苗さんから大塚ちゃんまで次々にいたずらな目をメタガラスメンバーへと向けていった。


「おい、泉、一体そのパソコンにどんなデータを保管していたんだ?」


 俺が追求するのに合わせて彩たちも刺々しい視線を泉に向ける中、泉は視線を明後日の方向に向けながら言う。


「僕は知らないね」


「お前、失踪してからキャラ付けがブレ始めてるぞ」


 俺がそう追求すると、泉は俺のその言葉を無視した。


「ふふ、これで私は烏城とメタガラスメンバーの弱みを手に入れました。これは、もう私の初恋たる泉さんは私と結婚するしかないですね!」


 と、エイヴェリーさんがいきなり会話を飛躍させてそう言った。


「断る」


 すると、泉はすかさずそう言って、俺の背中に隠れるように身を隠した。


「なんてことなんでしょう! 烏城は金髪碧眼の美少女じゃなくてチビで顔の平ったい黒髪モブ顔男子高校生を選ぶんですか!」


 あの、俺に対する流れ弾がひどすぎやしませんかね?

 俺が真剣に涙目になっていると、梓が負けじと声を張り上げた。


「違うね、泉さんと玉の輿結婚するのは私だよ……!」


 お前、玉の輿って本人の前をして言うなよ。目尻に流れる水気を感じながらそう思っていると、エイヴェリーさんは勝ち誇ったような顔をして言った。


「ふふ、すでに体を合わせた私達の絆に比べてあなたみたいなチンチクリンが勝てる道理はありません」


 エイヴェリーさんがそう言うと、対する梓はそんなことを気にしないとでも言うように言った。


「何が、すでに体を合わせただね! ただハグしたくらいでいい気にならないでね。私なんか、既に泉さんと、(カンセツ)キスしたんだからね!」


 梓がそう言うと、場のみんなは一気に驚きの声を上げた。


「泉さん、ロリコンだったの? 高校生が女子中学生相手になんて……。あずちゃん、一回落ち着いた方がいいわよ」


 と、彩がわざとだとしか思えないほど泉に聞こえるようにそう言った。


「そう、そうですね。そんなチンチクリンじゃなくて同い年の私相手の方が……」


 大きな精神的ダメージを受けたらしいエイヴェリーさんは弱々しい声音でそう泉に言った。

 対する泉は恥ずかしいのか顔を真っ赤にして何も言い返せないでいる。

 すると、呆れたような声で大塚ちゃんが言った。


「おい、このモブ妹が言っているのは普通のキスじゃなくて、自分がちょっと使ったくらいの箸を泉が女装をしていることを良いことに口に突っ込んだだけの間接キスだかんな」


 大塚ちゃんがそう言って、ざまあみろとでも言うように梓の方を見ると、梓は大塚ちゃんに突っ込んでいった。


「それ、いっちゃだめだよ! これは口止めするしかないね!」


 梓はそう言うと、今更口止めもなにもないにも関わらず合法的に大塚ちゃんをハグできると抱きしめ始めた。


 なんだろう、この光景。この世の終わり過ぎるのだが。

遅くなりました。

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