③
俺は聞きたくない事を聞いてしまった。
葵や片岡有紀が話していた、内容だ。
『この島から脱出する』…。
最初は何を言っているのか、よくわからなかったが…。
俺は自分なりに整理をしてみた。
俺たちはどうやら、この島に軟禁されている事…。
今のところは危害を加えられる心配はない事…。
そして、葵たちはこの島からの脱出を画策している事…。
どうしてこの島から脱出する必要があるんだ?
この島で、皆で仲良く暮らしていけば良いじゃないか。
何が気に入らないんだ?
そんな事を考えながら、夕食後俺は部屋に戻った。
部屋に戻ると、扉に何かが挟まっている。
俺はそれを手に取った。
「何だ?メモ?……」
手にしたメモには何かが書かれている。
アルファベットで『amtuka』と…。
「何だよ、これ?」
裏にも何かが書かれている。
俺はそれを読み上げた。
「『君に力を与える…選択しろ、神になるかを…』」
俺はすぐには理解できなかった。
しかし、やがてすぐに理解した。
「まさか…」
俺は部屋に入り、すぐさまPCを開いた。
そして、あるアプリケーションを開いた。
俺は恐る恐るそのアプリケーションのパスワードを入力する。
amatukaと…。
そのアプリケーション、『AMS』はすぐに開いた。
俺はその内容に驚愕した。
そして、俺は笑った。
「は、ははははは……確かにこれがあれば…神になれるっ!」
「脱出なんかさせるもんかよっ!」
興奮が冷めぬところに、PCに反応があった。
「メッセージ?…」
PCにメッセージが届いていた。
タイトルは『神の掲示』とあった。
俺は迷うことなくそれを開いた。
俺はまた笑った。
「ははははは……そうか、神は俺じゃ無いな、俺は神を味方にした、この世界の王だっ!」
「邪魔な奴は消してやる…」
「俺に優しくない奴はいらない…」
「取り敢えず愛美を始末し、後は反応を見て…必要ない奴は消してやる…」
絶対的な力を手にした俺は、自信に満ちた。
「ここが、俺のいるべき場所だっ!」
俺は立ち上がり部屋を出た。
「さぁ…王様ゲームの始まりだ…」




