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翌日私は葵にチケットを渡すため、葵の自宅へ向かった。
昨日帰宅後、チケットを確認したら、キャンセルの場合は本日中に、専用のwebに返信しなければならなかった。
少し焦った私は、今朝、葵にメールしし、葵の自宅へ向かっている。葵が起きているかどうかは…少し不安だったが、時間が無いので、とにかく葵の自宅へ向かった。
葵の自宅へ到着し、葵に旅の説明をすると、意外にも葵は行くと、言った。
兄の読みは正しかったのだ。葵もどこかで気分転換のタイミングを求めていたのだろう…。
葵が旅に付き合ってくれる事になり、私のモヤモヤはいっきに晴れた。夏休みの予定が埋まったのも嬉かったが、葵と旅に行けるが何よりも嬉しかった。
葵に恋愛感情があるのかと、問われても…正直わからない。幼い頃から一緒にいるので、そういった感覚が麻痺しているのかも…。
葵は天才だとか、変人だとか言われているが…私にしてみれば、放っておけない幼馴染み…。
だが、葵と旅に行ける事に喜んでいる、この気持ちが私の答えなのかも知れない。
おそらくこれからも、葵と生きて行くことになるだろう。
友人達は恋人だの、何だの言うが、私は今のままで満足だ。
この気持ちを忘れなければ、現状維持でも楽しいし、安心できる。
葵もそう思っていてくれれば、私はそれで良かった。
次回は小林順平を掲載予定です。




