表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結済】当て馬氷の女王は生涯独身~全権力を行使して推しグッズを収集してみせますわ~  作者: 降魔 鬼灯


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/47

海峡封鎖

 

 マリー先生は、イスパニア側の港は狭いと言ったが、なかなかのものだぞ。ランスの港よりは狭いけど。


 取り敢えずあちらの軍艦が身動き出来ないよう、軍艦の舳先だけ凍らせるよう指示を受けた。椅子にパーシヴァル様と腰かけ望遠鏡で覗くと戦艦2隻に駆逐艦10隻がぎっしり停泊している。


 魔力切れで倒れないように、パーシヴァル様が後ろからがっちり抱えこんでくださる。前世あわせて人生初のバックバグに、不謹慎ながら笑いが込み上げる。暗くて良かった。


「エスメラルダ、何をにやけておる。さっさと凍らせて、魔力補給してもらえ。」


 そうよ。私の目標は、この程度ではないわ。

魔力補給よ。推しとの思い出の1ページを残すのよ。

 魔力、たっぷり使うわよ。


 集中して、一番大きな戦艦の舳先を凍らせていく。


「エスメラルダ、もういい。」

 はっと気がつくと、マリー先生が状態維持の魔法を重ね掛けしていた。


「あれ以上、凍らせるとうちの海産物に影響が出る。」


 マリー先生、シーフードがお好きですものね。

軍艦が停泊していた港がすべて凍っていた。

 私の魔力は、まだまだ大丈夫そうだ。しかし、パーシヴァル様に補給して貰わねば。


「パーシヴァル様、私、魔力補給を…。」


「エスメラルダ、まだまだ暴れたりないようだな。」

マリー先生が怖い。鬼軍曹がここにいますわよ。


 パーシヴァル様が私の頭をそっと撫でてくださった。

「補給しようか?」


 ええ、頂きますわ。こくんと促ずく私に。マリー先生は追い打ちをかけた。

「エスメラルダは放っておけ。パーシヴァル、一瞬でいい。あの港を水の壁で覆えるか?」


「はい。やってみせます。」


 さっき凍らせた軍艦のあたりに水の壁を作るらしい。一瞬とはいえかなり大変だ。単に凍らせるのとは違う。


 パーシヴァル様、魔力切れを起こした暁には、このエスメラルダが補給して差し上げますわ。


「エスメラルダ、お前はパーシヴァルの作った水の壁を凍らせろ。チャンスは一瞬だ。良かったな、初めての共同作業だ。」


 初めての共同作業。なんと。

 マリー先生、もしや、やる気スイッチを入れる天才ですか?

 

 その甘美な響きに私はやる気を漲らせたのだった。




いつもお読みいただきありがとうございます。


少しでも、面白いと感じていただけましたら、スクロールの先にある星や、ブックマーク、感想などをいただけましたら、モチベーションアップに繋がります。


これからも毎日更新していけるよう頑張りますのでよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] マリー先生、口調が!! 緊迫した状況なはずなのに、下心ダダ漏れ☆
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ