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幼神はまだ夜明けを知らない

チートなし。ステータス・オープンなし。だがそこに、ヒューマンドラマあり。

投稿日:2020年10月11日 20時53分

 父親が遺した謎のウイルスによって、ゾンビが蔓延し荒廃した地球。日本で必死に生き抜いてきた彼は、抵抗虚しくゾンビに噛まれ、薬を呑んで死んだ。

 だが、その先で待っていたのは管理者と名乗る不思議な少女。彼女は異世界にまでゾンビが召喚されてしまった事を語り、倒して欲しいと告げてくる。こうして貴族の一人息子・ウェスティンとして転生した彼は、異世界でまで父親の尻拭いをすることに……?


 舞台はゾンビが召還されてしまった異世界、エリス国。

 その地に神に選ばれし勇者──神託者として転生したウェスティンでしたが、五歳という年齢のせいか勇者としての力はまったく開眼しておらず、冒頭から苦悩を重ねます。


 いわゆる異世界転生系ファンタジーなのですが、昨今よく見られる作品とはまったく趣が異なります。

 チートなし。(むしろ弱い)

 ステータスの概念なし。(冒険者のランク表示はあり)

 所々ほのぼのとした展開もありますが、シリアス・ファンタジーといえば雰囲気が上手く伝わるでしょうか?

 

 作品の魅力はなんといっても豊富な登場人物と、各々がしっかりとした意思を持って動くヒューマンドラマ作品であることです。

 また、筆者の文章力、表現力が非常に巧みで、ウェスティンの心情と時々一体化してしまうほど。

 多くの出会いと別れ。様々な困難を乗り越えた末に冒険者となったウェスティンが遭遇する「聖クレスタット編」におけるラストバトルでは、思わず「頑張れ!」と拳を握り締めてしまいました。


 その後で訪れる辛い別れ……。


 ゾンビ化という現象を、作品のテーマとして上手く落とし込んだ展開と、「兄」としての役割をウェスが託される結末に、じんわりと涙しました。


 この先もまだまだ続くウェスティンの冒険活劇を、見届けてみませんか? 五歳とは思えぬ (まあ中身は青年なので笑)彼の人間臭い魅力と、個性的なサブキャラクターたちの虜に、きっとなってしまうことでしょう。



 今回も、小説家になろうさんに投稿したレビューではなく、ノベルアッププラス版で紹介しました。例によって、制限文字数の関係から、ノベプラ版のレビューが完全上位互換なので笑。

 白胡麻もちさんの作品を紹介するのは、「オオカミちゃんと黒ずきんくん」に続いて二作目となります。

 初のハイファンタジージャンルからの紹介ですが、昨今流行の異世界転生系列の作品でありながら、中身はまったくそれっぽくない作品です。

 レビュー本文でも書いたとおり、主人公は弱い。いや、神に選ばれし勇者なのだから、決して弱くはないのでしょうが、魂が転生する過程でなにかの行き違いがあり力が戻っていない、とでも言った方が適切でしょうか?

 現在私は二章の中盤まで読んでいますが、主人公のウェスティンは相変わらず弱いです苦笑。

 ですがその分、悩み、考え、ひとつひとつ結論を纏めた上でアクションを起こしていきます。

 ハイファンタジーにしては爽快感がない! という不満を覚える可能性もありますが、その分濃厚なヒューマンドラマがそこにあるのです。


 何故ゾンビがエリス国に召喚されてしまったのか?

 何故、ウェスティン本人も認知していない力が時折発揮されるのか?

 彼を転生させたエリス神は、いったい何を知っているのか?


 様々な謎を巻き込んで、豊富に顔を揃える登場人物たちが各々葛藤を見せる本作。

 ファンタジー好き。ヒューマンドラマ好き。双方が楽しめる作品となっているのでしはないでしょうか?


※こんな人にオススメ

・一風変わった転生モノが読みたい方

・ヒューマンドラマが好きな方

・情景描写が巧みな作品を読みたい方


作品名:幼神はまだ夜明けを知らない

作者名:白胡麻もち様

ジャンル:ハイファンタジー〔ファンタジー〕

作品URL:https://book1.adouzi.eu.org/n9445fm/


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