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20−2、目覚め

更新遅くなり申し訳ありません。


「えーっと。そろそろ僕たち声かけてもいいかな?」

「もうちょっと待ったほうがよくねぇか?」


 柱の影から聞こえた声に、思わず殿下の胸元に埋めていた顔を引き剥がした。


「レクス! ヴァス!」


 苦笑いしながらこちらを見ていた二人が歩いて来る。


「い……いつから……そこにいたんだ?」

「いつからも何も、初めから?」


 デュオス殿下の肩にニヤニヤしながら腕を乗せたヴァスに、ちょっときまり悪そうに殿下が眉を顰める。


「いやしかしあれだな。聞いてたものの、本当にデュオス殿下の中にシリウスが入ってるんだな」

「僕も初めて聞いた時はびっくりしたけど、言われてみれば確かにシリウスだよね。上品さが無いっていうか」

「どういう意味だよ」


 そんな三人の懐かしいやり取りにこちらも自然と笑みが溢れた。

 こんな風に、みんなといる時間が好きだったのを思い出す。


「っていうか、ヴァスはどうして王都に来てるの? カーリオンと出て来るからびっくりしちゃった」

「え、何? アリア、お前『カーリオン』って呼ぶ仲なの?」


 ヴァスの質問に、どうしてそこが気になるのとか思いながら、アズ伯爵領での話をすれば、「なるほどね」とどこか嫌そうな顔をしながらも頷いた。


「で、話は戻るけど何でヴァスが?」

「あぁ、そのお前たちがアズ領に行ったっていう直後ぐらいに、カーリオンが俺のとこにやって来たんだよ」

「ヴァスのところ? って……どこにいたの? 確かジダルに行くって……」

「おう、そうそう。実はさ、一旦そこの魔術師団に入団しようかと思ったんだけど、『うまい話がある』って聞いて冒険者ギルドに入ってたんだ」

 


 ジダル国はリントヴルムに劣らず裕福な国でもあるが、土地が広い分魔物被害も多い。

 その為、冒険者ギルドへの依頼も多く、国籍問わず実力揃いの人材が揃っているというのは有名な話だ。


「へぇ。で、それで何でカーリオンと……ぁっ……」


 先ほどカーリオンが出した書類を思い出し、小さく声を上げた。


「そう。あの書類は俺が用意したものなんだ。『シリウス』に頼まれてな」

「シリウスに……?」


 デュオス殿下ではなく、シリウスからという言葉に目を見張った。

 殿下を見れば、少し困ったように笑って肩を竦めた。


「俺がアズ前伯爵に言ったんだよ。デュオスと入れ替わってることを。彼は信用できる人間だし、長い間国境警備を担っている要の人物だったし、何よりアリアを大事に思ってくれていたから。それだけで俺は信用できると思ってる」

「そんなの、分かんないじゃない。基準が緩すぎるわ……」


自分の父親にも言っていないというのに、何故一介の伯爵に? と疑問が過ぎる。

 

「だから言ったろう? 国境警備を長年担って、王家がこんな状況でも力を貸してくれる人だったんだ。不義理は出来ない」


 笑って言うその表情だけで、あの豪快豪傑の老人前伯爵に、彼がどれほど絶大な信頼を寄せているか分かった。


「あ、でもカーリオンには言ってないけどな」

「え。何で」

「「「あいつは別の意味で信用できない」」」

 

 何故そこだけ言わないのかと尋ねれば、殿下もヴァスも、レクスも声を揃えて謎の結束を見せる。

 けれど、相変わらず変なところで気の合う人たちだと笑ってしまった。


「まぁ、そういう訳で、『シリウス殿下』の名前で書かれた手紙の内容を読んで、指示通り手紙はその場で焼却して情報提供をすることになったんだよ」


 にっと笑ったヴァスに、目を見張る。


「情報提供? 収集じゃなくて?」

「提供だって」


 ドヤ顔で言ったヴァスに首を傾げた。


「言ったろう? 『うまい話がある』って言われたって。その内容がさ、魔物を生け捕りにして、売り捌くんだよ。お前も分かると思うけど、生きたまま捕えるのって相当なスキルがいるだろ? 」

「そうだね」


 当然魔物のレベルが上がれば上がるほど殺さず捕らえるというのは難しい。


「その依頼がさ、どこぞのお貴族様で、金払いも良いって言うんだ。まぁ、後は分かるだろ?」

「お父様……と、姉様……?」


 そう尋ねれば、ヴァズは右口角だけ上げ、無言の肯定をした。


「まぁ〜調べれば出てくる出てくる。消された書類もあるんだが、元々依頼に関係した冒険者は腕が立つ者ばかりで。ただでは消されないし、逃げ切ってた奴もいた。そこから話を聞いたり、証拠隠滅で消された冒険者、足跡、全部徹底的に調べ上げてたんだ」

「何で……そんな事……」


 たとえそれが分かったとしてもヴァスが構うことではない。

 そんなことしたら余計ヴァスの命が危険にさらされるに決まっている。


「ま、簡単に言えばレイルズ公爵家とシリウスを、タイミング見計らってぶっ潰してやろうと思ってネタ集めしてた訳だな」

「え?」


 目を見張ってヴァスを見上げれば、レクスも何故か「うんうん」と頷いていた。


「ぶ……ぶっ潰し……?」

「そう。『俺たち』第一を裏切ったシリウスをどうしてやろうと国を出る道中考えててよ。あっさり団長辞めて? あんなクソ公爵に全権渡して? 舐めてんの? って思わねぇ奴いないだろ?」

「な……なるほど?」

「ま、それだけじゃねぇけど」


 ふっと目を細めてこちらを見たヴァスに、「それだけじゃ無いとは?」と首を捻るも、何とも言えない笑みで答えをはぐらかされる。


「まぁ、そういう訳で色々情報集めてたんだけど、一向にシリウスとお前のねーちゃんの結婚どころか婚約の話が出なくてよ。それはそれで色々探ったんだがこれまた情報が集まんねぇ。そんな状況で国に戻って来いって変な使いは来るし、やべー臭いしかしなくて様子を窺ってたら七年経ってて自分でもびっくりだぜ」

「いや、待ちすぎじゃん?」


 何をしてるんだと思わず突っ込むも、ヴァスはにっと笑って私を見た。


「後は、ひょっとしたらお前が来るかもって、思ってたからな」


 そう言ったヴァスの笑顔に、あの別れの日、『約束を果たしたら会いに行く』と、交した言葉を思い出す。

 

「ヴァス……」

「で? お前ら結局何しに部屋まで来たわけ?」


 ヴァスと私の会話を断ち切るように不機嫌そうな殿下が尋ねれば、レクスがやれやれと肩をすくめた。

 


「いや、まぁ二人が心配でね。っていうのもあるんだけど、……アルズ教授が核に閉じこもっている『シリウス』の状況を見に行きたいって。それで声をかけに来たんだ」

 

 困ったように微笑んだレクスの言葉に、私は一気に現実に引き戻される。


 そう。

 まだシリウスが魔力を使い意識があるにもかかわらず、何故まだ目覚めない状況なのか分からないのだ。


 彼は、アルズさんによって目覚めることが出来るのか、いつ目覚めるか分からないのか、ひょっとしたら……ーー。


 

 不安からか、私は無意識にシリウスの手を握りしめていることに気づかなかった。

 


 ****




 アルズさんやオルトゥスがいる部屋まで迎えに行き、シリウスの本体が眠る部屋に向かいながら、アルズさんはレクスと会話をしながら私たちの後ろを歩いていた。


「しかし、ローゼリアといったか? あんな恐ろしい女性が我が国に留学に来とったとは、気づかんかったのう? 彼女はよっぽど平凡だったのかの?」

「どうでしょう? 当時から白魔術に関しては優秀だったと思いますが、僕らの得意とする魔術のみに関しては、まぁ……『平凡』というのが妥当かと……」

「まぁ、儂はあんまり白魔術に興味がないからのう……しかし、あの禁域にあっさり入っておったのか。確かに竜の記述があったが……」



 やれやれと言わんばかりのアルズ教授は、大きなため息を吐いた。


「おいアルズ、あの女が見たという竜の記述は正しいのか?」

「正しいと言えば正しい。ただ情報が少ないからの。アレンダ国ができる前の国にも昔竜の子孫のいた時代があったが、五代目ぐらいで『竜魔症』によって竜の血族は途絶えておる。王族に竜の血が混じっておるのは今の所リントヴルムぐらいではないか?」

「なるほど……それで竜の記述があったのか」

「そうだな。恐らく竜の血に関しても二度目の竜魔症に関してもその少ない血族の中での出来事であろう。竜の恩恵によるメリットばかりが書かれたものじゃ。儂がそもそもアレンダ国に行ったのはその竜と人間のことを調べるためだったからな」


 レクスもそれを読んだようで、難しい顔をしていた。


「僕がその竜の記述に関して読んだのは最近なんだが、確かに竜魔症にかかった人が三日で膜のような核から目覚めると書いてあったよ」

「へぇ……」

「それから、もちろん、竜の血に関する記述もあったよ」


 その本が無ければこんな悲劇は起こらなかっただろうか……と、考えてもしようがない『たられば』が脳裏を過ぎる。


「呪いに関しては……何も?」

「そうだね。呪いのことには何も触れていなかった。彼女の言ったように竜の血には魔力の上昇や、病気や怪我を治す力があったり、老化を遅らす記述はあったね」

「そう……」

「呪いに関しての記述が無かったのは、竜の血族が数代で終わったことと、その短期間に竜の血を悪用する人間がいなかったからかも知れないね」

「えぇ……」


 きっと、その消えた王国も竜を神の化身のように祀っていたのではないだろうか。そんな存在から血を奪うなど、考えることもしないだろう。

 

 

 そんな話をしながら、私たちはシリウスの眠る部屋へと着いた。


 部屋に入った殿下はベッドに近づき、じっと自分の体を見つめる。

 中にいるデュオス殿下と何か話しているのであろうか……。


「うーん。これはまた厄介じゃのう……」


 ベッドに眠るシリウスの様子を一通り見た後、アルズさんが深くため息をついた。


「結界を張り続けているそうだが、そんなことが出来るのか?」

「そのせいで魔力の消費が激しく、お前さんの魔力と上手く馴染めんのんじゃろうて。……しかし聞いたことも見たこともない事例じゃ。あぁ、いや、ちょっと待てよ? こっちに……」

 

 どこから出したのか、分厚い本をパラパラと捲るアルズ教授に会話が一時中断し、私はチラリと殿下を見上げた。


 ずっと気になっていたことを聞いてもいいだろうか。

 

「ねぇ……二度目の竜魔症ってどういうこと……?」

「は? どう……とは?」

「だって、一度目の竜魔症はオルトゥスの鱗で克服したんでしょう? だったら――」


 先ほどの姉のあの言葉。

 一度目の竜魔症をオルトゥスの鱗によって克服したのではないかのような口ぶり。

 

 『二度目の竜魔症を狙って鱗を飲ませた』


 意味が、分からない。


「あぁ。俺は一度目の竜魔症は自分で克服したんだ。知らなかったのか」

「は……?」

「アリア達が竜谷から戻ってくる直前に、『源』を自分で見つけたんだ」


 本当に知らなかったのかと驚いているシリウスの顔を穴が開くほどに見つめる。


「そんな……はずは。……だって……一度目は、間に合わなかったのに……」

「一度目?」


 今度はシリウスが何のことかと首を捻った。


「あ……いや。……え? え?」


 おかしい。

 どういうことだろうか。


 一度目の竜魔症は間に合わず、すでに彼は亡くなっていた。

 だからこそ、私はウェイラさんの短剣を使ったのに。

 貴方を、助けるために。


「アリアーナ。そなた、ひょっとしてあのブローチを使っていたのではないか? というか、薄々気づいてはおったが、あのブローチの術式を知らんのではないか?」


 オルトゥスの少し呆れたような声に顔を上げれば、横にいた殿下が一瞬緊張したのが分かる。

 

「ブローチ……?」

「そう、ここを出る時に置いてきたと言っておったブローチだ。『一度目』に使ったのではないか?」


 訝しげに言ったオルトゥスの言葉に「あぁ……」と小さく呟いた。


「確かに、一度白線内で発動したけど……それと何の関係があるの? そもそもあれは一回だけ攻撃から守る魔法でしょ……」


 オルトゥスに問えば、不意に横から腕を掴まれる。

 驚いて見上げれば、シリウスは目を見開いて固まっていた。


「発動した……?」

「え? ええ……白線内で」

「……だったら何故……俺は生きてるんだ……」

「……は?」


 信じられないほどに見開かれた目に、今の言葉の意味を探る。

 揺れる濃いブルーの瞳は、何か尋常でないものを感じさせられた。


「待って。どういう……」

「いや、そもそも一度目というのは何だ? 状況が全く掴めない。説明をしてくれ」

「そ……それは……」


 チラリ、とオルトゥスを見れば、なぜ我を見ると言わんばかりに顔を顰めた。


「アリアーナ。ヤツが信じる信じないは別にして、話をしておいた方が良いぞ? 余計拗れる。小僧、お前もだ。ややこしくて敵わん。こっちの頭が拗れるわ」


 その言葉に私は頷けば、シリウスも小さく「そうだな……」と呟く。

 

 ちょうどその時、レオナルド殿下とカーリオンも部屋に入ってきて、なんの話をしているのかと席に座った。

 

「……シリウス、私はこの人生が二度目なのよ」

「二度目?」

「ええ。一度目はあなたも、第一のみんなも……誰も守れず死なせてしまった。そのやり直しなのよ」


 そう説明すれば、レクスもヴァスも誰もが固まって目を見開く。


「時間を巻き戻したってことか……?」

「多分そうだと……思う」

「何だそれ、俺たち第一が死んだって……」

「アレンダの研究室でも僕はそんな魔術は見たことないけど、一体どこでそんな魔術を? いや、そんな魔術が存在するのか?」


 混乱するヴァスとレクスとは別に、アルズ殿は興味深そうに目を爛々と輝かせて聞いていた。


「時間か……ウェイラ殿じゃな?」


 そう呟いたアルズさんに「そうだ」とオルトゥスが答え、胸元から黒い短剣を取り出した。


「ウェイラはな、時間に関する魔法が使えたのよ。その希少すぎる魔法ゆえか、魔力の消費が激しく、体力も衰えて病気にかかってしまった」

「病気というのは……本当だったのね」

「そうだ。だからこそ子どもたちも『病気で死んだ』と納得していたし、受け入れていた」

「そう……」


「おい。まだ話が途中だ。ざっくりすぎて分かんないからわかりやすく説明してくれ」


 ヴァスの言葉に頷くと、私は口を開く。


「時間を巻き戻す前、私たちは第一のみんなで鱗を取りに行ったの。けれど、白線内を進むのは容易では無かったわ――」


 そうして私はあの日の暗い記憶をぽつりぽつりと話し始めた。


****

 

「――で、私はシリウスを助けられなかった責任を追及されて王都を出て竜の元に行ったの。そこでウェイラさんの剣の力を借りて時間を巻き戻したと言うことよ」


 流れだけわかるように端的に説明すれば、部屋の中はしん……と静まり返っていた。

 

「なるほどな、アリアがあの時シリウスの部屋で急に雰囲気が変わったのはそう言うことか」

「ヴァス、覚えているの?」

「当たり前だろ? お前は自分の意見を言っても、結局シリウスの指示に従ってたからな。シリウスの判断が間違っていると俺たちも思ったことはないし、結果が伴っていればそれも当然。だが、あの時アリアが急に代理になると言って違和感を感じないわけない」

「そうだね。僕もあの後からの討伐に行くアリアの姿は別人に見えたよ。当時のシリウスよりも強い魔力に驚くほどの判断能力。竜谷に行く時もこんなに簡単に進めるのかと信じられなかった」


 レクスとヴァスは腑に落ちたような表情をしているが、シリウスは言葉を失い、真っ青になっている。

 

「……全部過去に経験していたから、シリウスの命が尽きる前になんとしても短期間で鱗を手に入れようと必死だったのよ」


 ヴァスとレクスにそう言えば、納得したように頷いた。


「それに、その時に魔力の源を教えてもらってね……魔力の解放をしたのがかなり大きいわ」


 そう言って、『源』の心臓に手を当てた。

 本当に、魔力の解放がなければ、あんなにもスムーズに竜谷に辿りつくことはできなかっただろう。


 

「……そうだと分かれば、あの時の、竜との会話も腑に落ちるよ」

「黙っててごめんね」

「到底信じられる話じゃないからな。俺でもそうしたさ」

「ありがとう。ヴァス」

「でも不思議だね。どうしてシリウスは一回目は死んだんだろう……」


 レクスの言葉に、全員の視線がシリウスに集中した。

 私の隣に座っていたシリウスは、両手で自分の顔を覆うようにして俯いている。

 気分でも悪いのか、私の話を聞く間も何も言葉を挟むことなく黙って聞いていたが、話が進むたびに顔色は悪くなっていく一方だった。

 

 

「……ヴァスが死んで……魔物の攻撃からお前を守るためにブローチが反応したんだろう?」

「そうよ。その魔力にオルトゥスが惹かれてきたの」

「我を蟻のように言うな」


 そんな軽口を言うも、シリウスは顔を隠したままだった。


「……たのか……」

「え?」


 あまりに小さい声に、聞き返そうと彼の顔を覗き込めば、不意に抱きしめられて、体が硬直した。


「俺は……守れてたのか……。良かった……」

「え? シリウス? だって、攻撃から身を守るために渡してくれたものでしょう? 不良品だとでも思ってたの?」


 クスリと笑ってそう言えば、雫がひとつ、私の肩にこぼれ落ちた。

 わずかな彼の体の震えを感じ、どうしたのかと、形容し難い不安が過ぎる。



「シリ……?」

「アリアーナ、小僧にもらったそのブローチの本当の効果は単に攻撃から身を守るためのものではないぞ?」


 背後から言われたオルトゥスの言葉にシリウスの抱きしめる腕の力が強くなった。

   

「本当の効果って……。シリウス?」

「……あれは、アリアに死をもたらすほどの攻撃を防ぐ魔法と、脅威の対象を殲滅する保護魔法で……それは……」

「うん……」


 続きを促すも彼から言葉が出てこない。

 体も私を固く抱きしめたままだ。

 

「? シ……」

「――俺の命と魔力を引き換えに発動する」



 少し、言いにくそうに言った彼の言葉に思考が停止する。


「……は?」


 しん……と静まり返った部屋に、私の間の抜けた声だけが響いた。 

 

  








 

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