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16.初仕事その後

ふー、やり遂げましたって感じのコムムンたち

まだ仕事をしてないちびちゃんたちは、

今からがんばるぞーっと意気揚々でラムムンの中でお勉強中だったらしい


まだちっちゃいのに、やる気は大人顔負けです

まぁラムムンも昔からすごかったもんね


勝手にもぐもぐ食べてるし、戦ってるし

私が採取してる間もさっくりご飯してたらしいしね


そして、話合いと契約の結果

食堂は、二匹 月曜朝預けと水曜の午後 報酬は一匹月5カチ

私に10カチの計20カチになった

多すぎませんか?といったら


ゴミ出し金+掃除と食器洗いの労力を考えれば

お釣りがくるらしい

人を雇えば月20カチでは働いてもらえないしねとのこと

まぁ確かにということで、サインをする


カフェも、同じで

プラスアルファ、こっそりランチ利用の時デザートを付けてくれることになった

食堂は学生時代利用したけど

学生が多くて嵐なので、先生になってからはカフェ利用ばかりです


図書館は六匹 実は司書さんたちが六人で

あと一匹ーって思ってたらしい

そしたら、食堂とカフェが二匹ずつでいいってことで

四匹で、あまり六匹は、図書館用よと確保されちゃいました


あと、修復魔法を覚えさせてもいいか?

復元魔法もっと言われたので、無理のないことなら育てちゃってください


なので、図書館印も付けることにした

名誉職員になりました

なので学校から支払われるのでこの子たちはかなり稼ぎ頭です


食堂、カフェの子たち新しい図書館印がうらやましくてしょんぼりしてたので

従業員バッチをもらって満足そうだった


その内、ハネムンになれたら、お届け便でできるようになるねーと

リーナさんに言われて、ほんとだっていうと笑われた

全部を上手く回すのってちょっと大変だけど

相談しながらやってくねっていうと

それがアンのいいところねって褒めてもらえた


帰り道、コムムンたちは爆睡

ギルドのクエストと、みんなのご飯を狩ったり獲ったりして

今日のノルマ達成


「ただーいまー」

「おかえりーアン」

おばさんがにこにこ顔で出迎えてくれた


「プロロンはすごいねぇ」

うん、宿も食堂も綺麗だしみんなに余裕が生まれてる

そしてふわりと漂う甘い匂い


「久々にねー、私も冒険してきたのさ」

えええっ現役退いてぴー年

大丈夫なのっとおもったのがばれて失礼ね、と言われたけど

プロムンを五匹つけての大冒険だったらしく

いないとやっぱり困ったわね、とのことで

そちらでも大活躍だったらしい


そして、ジャムの材料となる果物を収穫して

現在、ジャム作りの真っ最中

ふだんなら夕食の匂いが漂ってる戦争中だろうけど

おじさんも鼻歌まじりに楽しそうだ


余裕って大事だなぁ

ちょっとね、私も反省してたんだ


ほら、もともと冒険者引退して子供さんが独立したあとの

趣味でしてる小さなお宿を面白いからって

どんどん大きくしていっちゃったから

従業員さん雇う前は私も含め全員へろへろになったもんね

明らかにキャパシティオーバー


まぁ雇用ということの踏ん切りのいい機会にはなったけど

やりすぎ感はいなめなかった

夜にそう言うと、私らもちょーっとだけそう思ってたけどねぇ


やり始めたことを無理だから投げ出すなんて

情けないことはしたくないし

楽しいからねぇー


「それに夢も叶ったしな・・・」

そうおじさんがぽつりとこぼした

「いやだよ、あんたぁ

 あんなたわごと・・・」

ぽっと頬を染めておばさんはおじさんを見る


何?と私は、首をかしげる

ラムムンも聞きたそうにぷよりと跳ねる


「もう、たわごとじゃないだろう」

おじさんの目は優しい

うう、心が・・・心がちょっと痛い

独り身の哀しい感じで、辛い・・・

らぶらぶ光線が出まくってます


そりゃぁ、相思相愛わかるぐらいだよ

告白もするよっ


「そうねー

 ギルドのね推薦宿になることだったんだよ」

ああ、確かに、去年ギルドからギルド章とギルドに登録がされたんだ


うちの宿は現在、マックス百人泊まれて

一人部屋から六人部屋まででパーティ組んだ人にも人気です

女性がいる場合は、ちゃんと仕切りもできるけど

あんまり使われた形跡はない


アンは恥ずかしがり屋だなぁって二人に言われたけど

ねぇ、お二人

一緒に冒険してた時どうしたのよって

聞きたいけど怖くてきけません


そんなこんなで大成功

従業員の人たちとも、上手くやっていけそうなので

うまくやりくりしてお任せしようねってことになった


なので、ラムムンがやってるシーツの匂い付けとかも

今度伝授しようってことになった


その夜みんなでだるーんっとベッドに転がった

気疲れはしちゃったけど、体的には楽


「ラムムン?もしかしていっぱい分裂したのってこういうこと?」

ふるるんと横に震える

だけど、しばらくしてうん、と頷いた


結果的にはそうなっちゃったのか


「死ぬのいや」

ラムムンがそう言った

「ずっと一緒」

そう言われた途端、私の涙線が崩壊した


するりとラムムンが私にくっつく

私はそれを抱きしめる


ラムムンはもしかすると、自分が老年化してるのを理解してたのかもしれない

だから、どうにかして先延ばしにしたい

細かな罅は、もしかすると自分で付けたのかもしれない

山先生のルイズ印ちゃんの核の表面を上手に割れるぐらい

試して練習して、そして、仲間も自分も

そして私も救った


「もう死なない」

ラムムンはそういう

私は頷く


「死ぬ時一緒」

うん、そうだね・・・

ラムムンも私がいなくなったら寂しいだろう

私が寂しいのと同じぐらいに


「ありがとうラムムン」

「うん」

らむむんはふよりと揺れる

つるりと包み込まれ私は大声で泣いた

ラムムンがラムムンでよかったと

ずっと一緒で嬉しいと・・・


ラムムン、分裂秘話でしたー

初期スライム、だいたい15年が寿命みたいです

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