バレンタインデーパーティー♪ その2
私はミーゼさんと共に、昨日家で作ったカップケーキを手に王城のミラの部屋に向かっていた。
前までは、広い、という言葉では言い表せないくらい巨大な王城に四苦八苦したけれど、ミラやユリアーナさん、ミーゼさんの案内で、今では目隠ししてでも目的の部屋にたどり着けるだろう、と思えるまでに王城の仕組みを覚えることが出来た。
「ミラ、喜んでくれるかな……?」
「アリス様が作った物ならなんでも喜びますよ。……アリス様だって、ミランダ様の作った物ならなんでも喜びますよね?」
「ま、まあ、そうかも……」
「だから、安心してください♪」
「ありがとう、ミーゼさん!」
そんな事を話したりしているうちに、目的のミラの部屋に着いた。
ミーゼさんが一歩踏み出し、扉を軽くノックする。
コンコンコン。
「失礼します、アリス様をお連れしました」
「……来たのねっ!」
アリス、の“あ”の字が聞こえた瞬間、部屋の中で大きな物音――これはミラが喜びで急に立ち上がった音だと思う――が、そして、“しました”という言葉が言い終わらないうちに、部屋の内側からガチャッと扉が開いてミラが顔をみせた。
「こんにちは、ミラ」
「うん! 入って♪」
ミラは私の手を引いて部屋に連れ込むと、ミーゼさんが中に入り、扉を閉めた事を確認してから、むちゅぅぅぅっ、と熱烈なキスをしながら抱き付いてきた。
「……んっ、ぷはっ」
「……んちゅっ♪」
「待ってたわ、アリス♪」
「うん、久しぶりミラ♪」
そう。昨日までミラは王族のお仕事で出掛けていて、会えなかったのだ。私はミラの妻として、王城にいようかと思ったのだけれど、しばらくお父さんやお母さんに会っていなかったから、城下にある実家に戻って、一緒に過ごすことにしたのだ。
そんな中、急にミラからバレンタインパーティの招待状を貰ったのには驚いたけれど、ミラらしくてつい笑ってしまった。
だから昨日は、元々作る予定でいた を作ると同時に、お洒落な普段着としても使えるドレスを手直しして、パーティのために準備をしていた。
「わぁ、アリスのドレス、すごく可愛い♪」
「ふふっ、ありがと♪ ミラも可愛いわ♪」
ちゅっ♪ ちゅっ、ちゅぅぅぅ……っ♪
久しぶり、と言っても3日くらいだけど、一緒に居られなかった時間は、私とミラにとっては、もう何十年も会っていなかったかのような喪失感に襲われていた。私たちは常に一緒じゃないと寂しい。
3日ぶりのキス。
……甘くて、優しくて、情熱的なキスは、私たちの寂しさを瞬時に癒し、一気に喜びへと変わっていった。
チラリと横を見ると、同じくユリアーナさんとミーゼさんも、久しぶりの熱いキスを交わしていた。
あっ、ミーゼさんと目が合った。
……キスをしながら目で微笑み見つめあう。やっぱり愛し合う事が一番うれしいね、と。
完璧に息の揃ったタイミングで私たちとユリアーナさんとミーゼさんは離れると、ミラが宣言した。
「さ、アリス、ユリアーナ、ミーゼ。パーティを始めましょ♪」




