エピローグ ~ 春風桜の花びら舞う頃にだよ ~
長澤由紀恵15歳(中学三年生)。
根っからのお兄ちゃん大好きっ子。
そんなお兄ちゃん大好きっ子が学校見学で兄の高校に行くと‥‥‥
「私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!」
ここから始まるラブコメディー。
さいとう みさき が送る初のラブコメ小説!
「お兄ちゃん、またあの夢見た! こわいよぉ~」
「あのなぁ、あの夢って、崖から落ちるやつだろ? 無い無い、そもそもあれはじいちゃん家の裏の沢で遊んでた時に土手から落ちそうになった由紀恵を引っ張ろうとして小川に落ちてびしょ濡れになったんだろうに?」
「ちゃんと守ってくれないからトラウマになっちゃったんだぞ? 責任とってお嫁さんにして!」
私とお兄ちゃんはそんな事を言いながら玄関を出る。
そして同じ方向へ歩き出す。
「おはよう~友ちゃん、由紀恵ちゃん~」
しばらく歩くと紫乃が手を振って待っていた。
紫乃はさっそく私の腕を取り抱き着いてくる。
「う~ん、由紀恵ちゃんと一緒だぁ~ 私、由紀恵ちゃんの事だ~い好きぃ!」
「あのねぇ、紫乃」
「本当だよ、由紀恵ちゃんのお嫁さんになってもいいんだよ!」
「紫乃、まさかあんたってそっちの気が本当に有るの?」
「う~ん、分かんない。でも友ちゃんより由紀恵ちゃんの方が好きぃ~♡」
「まあ、良い方の意味で受け取っておくわ‥‥‥」
朝から何かましているんだかこの娘は。
そう思っていると後ろからいきなり声がする。
「長澤君‥‥‥ おはよう‥‥‥」
「おう、泉。おはよう」
「あっ! あ、相変わらず気配を消していきなり現れるのは上手ね?」
ちょっとびっくりした。
もう毎朝味わっているはずなのにまだ慣れない。
「ああ、先輩おはようございます! 由紀恵ちゃんもね」
「おいーっす。ああ、由紀恵様おはようございますぅぅっ!」
矢島紗江や親友その一、いや、今度は下僕その一になった太田剛志も合流して朝の挨拶をかわす。
そしてみんなで向かう先の校門に高橋静恵が待っていた。
「おはよう長澤君! 今日もいい日になりそうだね?」
「そう言いながらその凶器をお兄ちゃんに押し付けようとしないでください、高橋先輩!」
お兄ちゃんに寄って来てあのでかい胸を押し付けてこようとする高橋静恵を撃退する。
全く朝から油断も隙も無い。
「なによ、由紀恵ちゃんは毎朝長澤君に押し付けているじゃない?」
「私は良いんです! それにいくら押し付けたってお兄ちゃんは反応しないし‥‥‥」
「いやぁ、でもさ、由紀恵少し大きく成ったろ? ちょっとむにっと感じるようになったぞ?」
「そりゃぁ私だって成長してますし、Aカップにやっとなった‥‥‥ってぇ! お、お兄ちゃん何言わせるのよ! ばかっ! えっちぃいぃっ!!」
「はははっ、おっと予鈴が鳴った! 急ぐぞ由紀恵!」
きーんこーん、かーんこーんー
「もうっ! 私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!?」
校門の近くに植えられている桜の木から沢山の花びらが舞う中私たちは校舎へと入って行くのだった。
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<あとがき>
ども、みさきRです。
はい、「私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!?」これにて終了です。
いやはや、やっと終わりました。
ラブコメって初めて書きましたが書いているとなんとなく学生時代を思い出しますねぇ~。
あの頃って先が見えないし、なんでも出来そうなのに何も出来ない自分に結構挫折を味わう時期でした。
本作は相方が入院中に暇つぶしに難題を吹っかけて来やがったのでさっくりと終わらせるつもりでした。
しかし書いているうちに面白くなってしまって長々と此処まで。
由紀恵ちゃんの奮闘をお楽しみいただけたでしょうか?
その後の由紀恵ちゃんたちはきっと毎日をドタバタと過ごすでしょう。
そして地元の大学に行くまで友也お兄ちゃんの女難の相は続くでしょうw
こいつらの未来も見てみたいですがとりあえず今回はここまで。
ご意見ご感想いただけると嬉しいです。
そんな訳で、ここまで読んでくださった読者の皆様、本当にありがとうございました!
物書きは読んでもらえるのが一番うれしい。
またどこか別の作品で読者の皆様にお会いできますように!
それでは!
さいとう みさき
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