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私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!?  作者: さいとう みさき
第九章お兄ちゃんは妹の為に看病しなきゃいけないよ?
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9-3お兄ちゃんは寝てなきゃダメだよ

長澤由紀恵15歳(中学三年生)。

根っからのお兄ちゃん大好きっ子。

そんなお兄ちゃん大好きっ子が学校見学で兄の高校に行くと‥‥‥


「私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!」


ここから始まるラブコメディー。

さいとう みさき が送る初のラブコメ小説!


お、お兄ちゃんのも大人よね?

ど、どうなってるんだろう??(由紀恵談)


 インフルエンザの恐怖に私たちは慄きつつも受験日まで体調管理を最優先でその日は下校をした。



 うちの学校も大丈夫だろうか?


 私も一応予防接種はしているけどインフルエンザにかからないのではなく症状を緩和するだけだからやっぱり注意が必要だ。



 そんな事を考えながら家に着く。



 

 「ただいまぁ~、って、あれ? お兄ちゃんの靴がある?」


 お兄ちゃんが私より先に帰っているなんて珍しい。 

 どうしたんだろう?


 そんな疑問を感じながら先に手洗いうがいをしてから二階に上がる。

 そしてお兄ちゃんお部屋の扉をノックする。



 「お兄ちゃん? ただいま、いるの?」


 ノックをするけど部屋から返事がない?

 私は気になって扉を開ける。


 するとこんな時間なのにお兄ちゃんがベッドに寝ている?



 まさかどこか調子が悪いの!?



 私は慌ててベッドのお兄ちゃんに駆け寄る。


 「お兄ちゃん! どうしたの!?」


 私が駆けつけるとお兄ちゃんは熱が有るようで苦しそうに目を開く。



 「由紀恵か‥‥‥ どうやら風邪かインフルエンザにでもなったみたいだ‥‥‥ 移ると大変だから俺にかまわず離れるんだ。今は由紀恵の大事な時期だからな‥‥‥」



 だいぶ熱が出ているようで苦しそうだ。



 「でもお兄ちゃん‥‥‥」


 「大丈夫だ、帰りに医者寄ってきて事情を話したからもう薬も飲んだ。あとは大人しく寝ていれば治るさ‥‥‥」



 苦しいはずなのに無理矢理笑顔を私に作ってくれる。

 でもお兄ちゃんをこのまま放っておけるわけない!


 「待っててねお兄ちゃん、いま準備して看病してあげるから!」


 「いや、由紀恵、俺は大丈夫だから俺からはなれて‥‥‥」



 「病人は大人しく言う事を聞きなさい。とにかく移らない様にマスクして除菌クリーナーで奇麗にするから大丈夫よ。それよりお兄ちゃん凄い汗だから着替えと体拭いてあげるね!」



 私はそう言ってすぐに自分お部屋に戻る。


 「あ、おい、由紀恵‥‥‥」


 お兄ちゃんはそう言ってくれるけどやっぱり心配だもん。



 私は部屋で普段着に着替え、マスクや花粉症の眼鏡をして除菌ウエットティッシュを携え万全の準備をしてお兄ちゃんの部屋に戻る。


 着替えと体を拭くお湯やタオルも準備している。



 「すまないな、由紀恵‥‥‥」


 「いいのよ、お兄ちゃんの為だもん。パートしてるお母さんが帰ってくるまで私がちゃんと面倒見てあげるから心配しないで」



 そう言ってお兄ちゃんの服を脱がせるのを手伝う。

 もう汗で肌着もびしょびしょ。

 脱がせながら背中を拭いたりしてあげる。


 そして乾いた新しい服を着せるとお兄ちゃんは気持ちよさそうにしている。



 「ふう、次は下っと」



 そう言って私はお兄ちゃんおズボンを脱がせる。

 そして下着を見て初めて気づいた。



 こ、これってパンツも履き替えないと気持ち悪いわよね‥‥‥



 こ、これはお兄ちゃんの為、決していやらしい事じゃなくてつらいお兄ちゃんの為。

 ドキドキと心臓が口から出るんじゃないかと思うほど高鳴っている。

 

 私はお兄ちゃんのパンツに手をかける。



 「お、お兄ちゃんには私の裸見られているんだからこれでおあいこよぉ~!!」



 震える手でいよいよお兄ちゃんのパンツを下ろそうとした時あたしの手をお兄ちゃんがはしっと止める。



 「‥‥‥ここは自分で出来る」



 そう言ってお兄ちゃんは私に後ろを向くように言ってさっさとパンツも履き替えてしまった。



 うう、残念‥‥‥



 「でもおかげですっきりしたよ。ありがとう由紀恵‥‥‥」


 お兄ちゃんはそう言ってまたベッドに横になった。

 そしてそのまま眠りに落ちる。



 「お兄ちゃん‥‥‥」



 わたしはお兄ちゃんのおでこに持ってきた冷えるシートを張り付けて汗で汚れた服を掻き集める。


 「お休み、お兄ちゃん」


 それだけ言って私は部屋を出るのだった。










 ‥‥‥ああ、残念!

 でも見ちゃったらどうなっていたんだろう?

 お、お兄ちゃんも昔と違うよね?

 き、きっと、おおぉ、大人だよね?



 私の頭からさっきの事がしばらく離れなかったのは絶対に内緒なのである。




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