8-5新年のご挨拶だよ
長澤由紀恵15歳(中学三年生)。
根っからのお兄ちゃん大好きっ子。
そんなお兄ちゃん大好きっ子が学校見学で兄の高校に行くと‥‥‥
「私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!」
ここから始まるラブコメディー。
さいとう みさき が送る初のラブコメ小説!
お年玉で福袋~!!(由紀恵談)
「あけましておめでとうございます」
「はい、おめでとう。それじゃこれね」
そう言って両親に新年のあいさつをするとお母さんはさっそくお年玉をくれた。
「やったぁっ! ありがとうお父さん、お母さん!」
「由紀恵の事だから大丈夫だろうけど、無駄遣いするんじゃないぞ」
「うん、分かってるお父さん」
私はホクホク顔でもらったお年玉を開けてみる。
そして目を輝かす。
「やったぁっ! 一万円っ!!」
もう私のお小遣いの何か月分よ!
これだけあればいろいろな物も買える。
「はい、これは友也の分ね」
「ありがとう、父さん、母さん」
お兄ちゃんもお年玉もらった。
でもお兄ちゃんは開けずにそれをすぐにポケットにしまった。
後でゆっくり見るつもりかな?
「さてと、それじゃぁお雑煮食べておせちも食べましょうかしら。そうしたらお父さんとお母さんは神社にお参りに行ってくるからね」
お母さんはそう言って用意していたお雑煮の鍋にオーブントースターで焼いたお餅を入れてからおわんに入れてくれる。
私は出来上がったお雑煮をテーブルに運ぶのを手伝う。
お兄ちゃんとお父さんはおせちの御重を広げていた。
うーん、毎年同じだけどやっぱり朝からこう言うご飯だとお正月っていう感じよね?
ちなみにうちのお雑煮はやさいがたっぷりと入ったおしょうゆベースのさっぱり風味のやつ。
最後に好みで三つ葉やゆず入れるのよね。
あ、でも紫乃の家はお味噌のお雑煮だって言ってたっけ?
味噌のお雑煮って美味しいのかしら??
私はそんな事をおみながら大好きな伊達巻や栗きんとんも小皿にとって食べる。
う~ん、甘くておいしい!
あ、お兄ちゃんとお父さんは味付けカズノコ食べている。
私はあれご飯と一緒が好きなんだよなぁ、ちょっとしょっぱいから。
そんなこんなでお雑煮を食べおせちも食べてからお父さんとお母さんは神社にお参りに行った。
「さてと、明日はおじいちゃんの所へ行かなきゃだからお兄ちゃん初売りの福袋買いに行かない?」
「初売りは明日からじゃ無いのか?」
私は取っておいた広告を取り出す。
「私のよく行く文房具店は元旦から営業でお昼から福袋セールするの! お年玉もらったし買いに行こうよ!」
私はずっと行きたかった福袋を狙っている。
だって三千円でなんと六千円相当の品物が入っているって書いてあるのだから!
何が入っているかは開けてからのお楽しみだけど、あの文房具店のファンシーグッズはどれもこれも可愛い。
「分かったよ、それじゃ行きますか」
そう言ってお兄ちゃんと私は福袋を買いに出かけるのだった。
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