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私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!?  作者: さいとう みさき
第七章クリスマスは家族で一緒にいなきゃいけないよ?
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7-2由紀恵の話

長澤由紀恵15歳(中学三年生)。

根っからのお兄ちゃん大好きっ子。

そんなお兄ちゃん大好きっ子が学校見学で兄の高校に行くと‥‥‥


「私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!」


ここから始まるラブコメディー。

さいとう みさき が送る初のラブコメ小説!


よ、陽子ちゃんがぁッ!!(由紀恵談)


 「で、結局どうなったのよ由紀恵ちゃん?」



 勉強がひと段落して私が持ってきた飲み物を飲みながら高橋静恵は聞いて来た。


 「どうもこうも、しっかりとお断りして後腐れない様にしましたよ」


 「由紀恵ちゃんの事だものどう断ったが聞きたいわ」



 むう、こう言う話はやはり長引きそうだ。 


 

 私は仕方無しに一つづつ話を始める。




 三浦佳奈美について ~~


 

 「と言う訳で、受験勉強が忙しく、そして今まで他の人にも同様にしっかりお断りしたと伝え、生徒会として、先輩としての相談には応じますと言う事にしました。そうじゃ無いと後で逆恨みされて高橋さんみたいになりそうでしたからね」


 

 「うわぁ、由紀恵ちゃん流石ですね。それって生かさず殺さずじゃないですか!」


 「‥‥‥絶対防壁展開した」


 矢島紗江と泉かなめはそう言って飲み物を飲んだ。

 しかし高橋静恵は少し考えこんでから私に聞く。


 「それで、その子は何て言ってたの?」


 「ええと、確か『ずるいです。そんなんじゃやっぱり先輩を嫌いになんかなれないじゃないですか‥‥‥』とか言っていたような」


 すると高橋静恵は大きくため息をついて言った。


 「まさしく殺し文句だったのね。彼女、あなたの事あきらめてはいないでしょうね。ただ、距離は取りながら遠くから見守っているような感じになるでしょうね」


 「え? まだ付きまとわれてるんですか、私!?」


 「うーん、付きまとわれるとか言うのではなく見守られているって感じかしら? だから知らない誰かと仲良い所なんて見られてらやばいかもね?」



 なんだそれは?

 じゃあ、お兄ちゃんの身に何かあるって言うの!?



 「え~、じゃあ私危ないんですか?」


 紫乃が自分を指さしそう言う。


 「いや、それは無い。断じて無い」


 私の即答に紫乃は「え? なんで? 私由紀恵ちゃんと仲良いよ!!」とか言っている。



 「まあ紫乃ちゃんと由紀恵ちゃんが仲良いのはもう見られているし、由紀恵ちゃんの紫乃ちゃんへの扱いを横で見てれば問題無いでしょう」



 なんなんだそれは?

 私はちゃんと紫乃も幼馴染として、親友として取り扱っているわよ!?



 「う~、確かに由紀恵ちゃんの私に対する扱い見てればそうかもぉ」


 紫乃はショボーンとしている。



 え?

 私なんか酷い事とかしたっけ??



 ちょっと焦ってしまう私。


 「なんなんですそれは!? では高橋さんは私にどうしろと?」


 「そうねえ、さしあたり外出時では長澤君といちゃいちゃしないとか!」



 「なっ!?」



 お兄ちゃんと仲良くしちゃダメって言うの!?

 思わず高橋静恵を見ると意地悪な笑みをしている。



 くっ、こいつ!!



 「そう言えば由紀恵ちゃん、他にも生徒会長さんにもラブレターもらったんですよね? そっちはどうなったんです?」


 矢島紗江にそう言われ他の人も一斉に私を見る。



 「まあ、あれは‥‥‥」




 新田泉一郎について ~~



 「あれは論外ですよ。何をとち狂ったか将来私が官僚の妻って設定に何でなっているとか有り得ないですよ!!」



 私は簡単に概要を話しそしてそう言い切る。



 「うわぁ~、それって本当に早い所手を打たないと取り返し突かないパターンだわね」


 「たまにいますね、我が道行くって人」


 「‥‥‥由紀恵ちゃん既に妄想の中の嫁、もうはぁはぁされてる?」


 会長の変なのはみんなにも伝わったらしい。

 あれで頭良いのだからほんと天才となんとかは紙一重だ。



 「あれ? でもそうするとどうやって断ったの?」


 「勿論、桜川東に好きな人がいるから私は私の目指す幸せの為にそこへ行くってはっきりと言いましたよ?」


 「由紀恵ちゃん容赦ないですね‥‥‥」


 「‥‥‥一刀両断」


 私は自分の飲み物を飲んでから続ける。


 「でも書記の天川陽子ちゃんが会長の事ずっと好きだったからその場で暴露してあげて後は二人っきりにして置いてきました」


 するとみんなが私を一斉に見る。


 「由紀恵ちゃん、それってスケープゴートで後輩を差し出したっての?」


 「大丈夫なんですかその子?」


 「‥‥‥乙女の危険。もうされちゃったかも」



 え?

 もしかしてやばいの?


 

 思わず紫乃を見る私。

 しかし紫乃は飲み物飲んでこたつでへにゃ~としている。



 「だ、大丈夫だと思うのですが、やばかったんですか?」



 「うーん、その会長さんが常識的な人なら‥‥‥」


 「二人っきりで生徒会室だなんて‥‥‥」


 「‥‥‥中学生で初体験、由紀恵ちゃんのお陰」



 私は血の気が引く。



 や、やばいの?

 どうしよう!?



 「どどどどっ、どうしよう!? 陽子ちゃんが大人の階段上っちゃうの!?」


 「ふにゃ? エスカレーター?」



 紫乃!


 それって大人の階段上るだけでなくあーんな事やこーんな事、いや、会長って変だからもしかして!!



 私が青くなっていると高橋静恵はため息をつきながらパタパタと手を振る。


 「まあ大丈夫でしょう。流石にいきなり襲われる事は無いと思うし、その会長って女性経験無いのでしょ? だったらいきなりそう言う事にはならなと思うけどね」



 うーん、でもすごく心配になって来た。

 陽子ちゃんああ見えても一途だし会長の為なら体でも差し出してしまいそうだし。




 私は明日陽子ちゃんを捕まえてその後大丈夫だったか聞くことを心に誓うのであった。


 

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