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私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!?  作者: さいとう みさき
第四章文化祭でもお兄ちゃんは勝手にしちゃいけないよ!!
21/75

4-1準備なんだけどね

長澤由紀恵15歳(中学三年生)。

根っからのお兄ちゃん大好きっ子。

そんなお兄ちゃん大好きっ子が学校見学で兄の高校に行くと‥‥‥


「私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!」


ここから始まるラブコメディー。

さいとう みさき が送る初のラブコメ小説!


学園祭かぁ(由紀恵談)


 夏休みも終わりだるい始業式も終わっていよいよ二学期が始まる。

 私は今放課後の生徒会室にいた。


 

 「長澤ぁ! 一体どう言う事だぁ!?」

 


 「はぁ? 何がですか、会長?」


 「全国模試だよ全国模試!! 一学期の終わりに参加した全国模試の結果だ!!」

 

 私はふと全国模試の結果を思い出す。


 まあ、そこそこできてたとは思う。

 期末試験は紫乃の方に力を入れてたのとヤマが見事に外れ思いの外伸びなかったけど。


 全国模試はそれまでの全ての範疇から出題されるから基礎と応用の場所さえ押さえておけば予想通りの出題傾向だった。



 「こ、この僕を押さえ上位百位に入っただと!? 貴様一体どんな魔法を使った!?」



 「なんですかそれ? 人をチートスキル使いみたいに!」


 最近読んでいるネット上の無料の投稿小説が面白くて読み漁っていたけど、異世界に転生したりしてチートスキルを取得して無双するお話しって多いよねぇ~。

 

 私は恋愛小説を主に読んでいるけど、「俺の妹がこんなに~」とか「お兄ちゃんだけど愛さえあれば~」とか有名な小説は勿論読破していた。

 けどネット上はもっと凄い内容のモノが多くて、思わずかぶりつきだった。



 だって、きょ、兄妹であんなことやこんな事しちゃうお話が‥‥‥


 い、良いじゃない、せめてお話の中で妄想するくらいは!


 そりゃぁ、お兄ちゃんとはもっと親密になって、キ、キス位はしたいっていうか、その‥‥‥


 あーっ!!

 唯ちゃんのせいで最近の私はエッチな事意識しちゃう!!



 「おい、長澤聞いているのか? そうか、貴様学校の期末を捨てて全国模試に力を入れていたのか!? くっ、確かに狭い範囲で先生方の気分次第で出題傾向が変わるものをやるより全国模試に力を入れる方が有意義だった。おのれ長澤、謀ったな!?」



 いや、謀るも何も私は新田会長に対して何もしてませんが?



 「ふん、覚えておくがいい! 次はこうはいかんからな!」



 何なのよ新学期早々。



 「終わったようなのでそろそろ良いですか会長? それで今日のホームルームで話は出てるはずですが文化祭実行委員会の立ち上げで各クラス二名の役員を選出してもらって生徒会の補助のもと文化祭実行委員会の委員長を一名、副委員長を二名選出しなければなりません。明後日の放課後に視聴覚室で集まりますから休み中に作った資料を配ります。その後は実行委員会が中心で各クラスの出し物や出店の申請ですね」


 吉野君は新田会長のいつものが終わるのを見計らってすらすらと予定を言っている。



 最近更に出来るようになったわね、吉野君。


 

 「あの、予算の方はどうするんですか?」


 「学校側からは既に予算提示していますので、文化祭で使う宣伝費と校内装飾費を差し引きしたものが予算になりますね」


 資料を見ながら吉野君は陽子ちゃんに答える。

 とはいえ、中学の文化祭の予算何てたかが知れている。


 部活予算の時のとり合いみたいにはならないだろうけどその辺も生徒会が指導しなきゃだめだよね?


 「文化祭委員会にだけお任せって訳にはいかないわね?」


 「そうですね。なので僕たち生徒会が協力という形で進行の手助けをしないといけません」



 なんか実質こちらに任せっきりになりそうな‥‥‥



 「ふむ、悩んでいても仕方ないだろう。先ずは委員会立ち上げが最優先だな」


 会長がそう言ってとりあえずは今日は終わり。



 文化祭かぁ。


 それが終わると次期生徒会の役員選挙が始まるのか。


 やっと肩の荷が下りるわね。



 そしてお兄ちゃんの為にいろいろと高校ライフの計画も立てなきゃ。

 今の所地元の国立大学を目指すと言う事でお兄ちゃんも承諾しているし。


 お兄ちゃんと一緒に高校‥‥‥



 にへらぁ~。



 「なんだ長澤その抜けた顔は!? さては貴様また良からぬことを企んでいるな!? させんぞ! 今度こそ僕が上になってやる!」



 相変わらずな生徒会長様を適当にいなして私は家路につくのだった。 

 


 

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