表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界召喚が多すぎて女神様がぶちギレました【連載版】  作者: 湯立向日/ガタガタ震えて立ち向かう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

75/536

カレーの王妃様

 カレー。

 日本と同じアジア圏であるインド発祥の料理ではありますが、日本に入ってきたのは文明開化後と割と最近だったりします。

 明治に入り解禁された牛肉と、日本人が大好きな米と合うということで、文明開化の象徴とされることもあったそうです。


 ちなみに日本でもしばらくはイギリス製のカレー粉がもてはやされていたのですが、ある時イギリス製と偽って国産のカレー粉を販売するという事件が起こったため「あれ? 国産でも味変わんなくね?」と国産のカレー粉が普及し始めたそうです。

 それでいいのか日本人。


「おかわり」


 そしてドワーフ王国のとある食堂にて、そんなカレーをおかわりしているのは、ガルディアの王妃様であるアサヒさんです。

 久しぶりの故郷の味に胃が張り切っているらしく、既におかわりは三皿目です。隣で同じくカレーを食べていた王様が、呆れた視線を向けています。


「……アサヒ。確かにこのカレーとやらは美味い。香りと刺激が強いというのに、具材の味も損なわれておらずその辛さには中毒性があるとすら言える。だがいくら何でも食べるのが早すぎないか?」

「カレーは飲み物!」


 王様の苦言にある意味名言で返す王妃様。

 ちなみに「カレーは飲み物」というのはウガンダ・トラという芸人さんの言葉が元ネタなのですが、最近になってその言葉を現実にするべくカレーコーラなる飲み物が開発されたそうです。

 発売日が四月一日なのでネタなのかと思ったら、普通に販売されていました。

 やっぱ日本は未来に生きてんな。


「お待たせしました」

「お、ありがとジュウゾウさん」


 おかわりを持ってきたジュウゾウさんに満面の笑みで礼を言い食べ始める王妃様。

 自分には滅多に向けてくれない笑顔大サービスに王様が嫉妬しています。でもここでジュウゾウさんを害したら、ドワーフ王国と全面戦争になりかねないので王様も我慢です。


「ふむ。主人。このカレーのレシピを教えてもらうことはできないか? もちろん外部には漏れないように考慮するが」

「別に構いませんが、スパイスは今の所フィッツガルドの東地方でしか栽培されていないので少々値がはりますよ。お城で使われるなら、値段よりも希少性の方が問題になるかもしれませんが」

「そうなのか。あまり大量に輸入してこの店にも影響が出るようなら諦めるか」


 そして王妃様のためにもカレーを輸入できないかと画策したものの、スパイスの量が少ないと聞き諦める王様。

 しかし一方の王妃様は上げて落とされた形なので不満そうです。


「そういえばジュウゾウさん。カレー粉だけでも国生のところに送れないか?」

「カレー粉をですか?」

「ああ。あいつ忙しくてカレー食いに来れないって落ち込んでたんだよ。カレー粉があればあいつなら自分で料理できるだろうし」

「なるほど。なら私が調合したスパイスを送っておきましょうか」


 王妃様の言葉を聞いてオネエにスパイスを送ることにしたジュウゾウさん。

 後日テンション上がったオネエが勢いでカレーを騎士団の面々にご馳走したせいで、多くのカレー中毒者を生み出すことになります。

 そして比較的ドワーフ王国に近いため、続々と仕事を休みカレーを食べに行く騎士たち。

 メルディアの騎士たちがジュウゾウさんに屈服する日は近い。


「……やはりアサヒのためにもこの店に料理人を修行に出すべきか?」

「いいなそれ。是非やろう。すぐやろう」


 そして王妃様ラブなあまり暴走を始める王様と止めない王妃様。

 ジュウゾウさんのお店の明日はどっちだ。

 今日も異世界は平和です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらの作品もよろしくお願いします。

スライムが倒せない
 とある田舎の村の少年レオンハルトは「冒険の旅に出たい」という夢を持っている。
そのため手始めに村の近くに出没したスライムで魔物との戦いの経験をつもうとしたのだが……。
コメディーです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ