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異世界召喚が多すぎて女神様がぶちギレました【連載版】  作者: 湯立向日/ガタガタ震えて立ち向かう


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いちご大福を勝手に食べられて仁義なき戦い勃発

 餡。

 あんこといえば小豆などを砂糖で煮詰めたものを思い浮かべるのが当然ではありますが、元々餡というのは饅頭などの中につめる具をさす言葉だったりします。

 そもそも餡を甘くするのは江戸時代に砂糖が輸入され始めてからのことであり、それ以前は小豆の類も塩で煮詰めるのが一般的だったのです。


 さて、そんな砂糖で煮詰めて作る餡子ですが、実は生クリームやらケーキやらに比べればダイエットに向いたお菓子だったりします。

 カロリー自体の少なさもありますが、油脂が少ないため脂肪がつきにくいうえにビタミンB1による糖分の分解。小豆の食物繊維による便秘改善やポリフェノールによる美肌効果。さらには鉄分による貧血予防効果まで期待できるのです。


 ダイエットするなら洋菓子ではなく餡子やきな粉が使われた和菓子。

 日本人ならお茶漬けやろがに匹敵するほど日本人にマッチしているのが和菓子なのです。


「まあそれでも食べ過ぎれば太るのは当然じゃな。今日の大福は一つだけにしておけ」

「むう。仕方ありませんね」


 毎日恒例のランニングの後。

 今日もご褒美のために頑張ったイネルティアさんですが、だからと言って食べ過ぎたら意味がないのでリィンベルさんによる食事制限が設けられます。


「今日の大福は桃を入れてみました。いやー、イチゴだけかと思いましたが、案外他の果物も合いますな」


 そして今日も無駄にお菓子作りの腕を上げているフリーダム神官ナタンさん。

 大福に桃と聞くと微妙に感じる人もいるかもしれませんが、大福と果物の相性はいいのでいちご以外にも様々なフルーツ大福があります。

 中には外皮を剥いたみかんをまるごと餅で包んだみかん大福なるものも存在するのです。


 ……餡子どこ行った!?


「むふぉー……みずみずしい桃としっとりした餅の組み合わせが何とも」

「……おぬし本当に幸せそうに食べるのう」


 桃大福を両手で頬張り、至福の笑みを浮かべるイネルティアさん。

 凛としてカッコよかった意識高い系エルフは何処かへ消え去りました。最初から割と残念だったよねとか言ってはいけません。


「そういえばリィンベル様はお菓子もそれなりに食べているのに太りませんな」

「ああ、わしは暇なときはよく散歩に行くからの。体がなまらんように、森の木々の上を跳び移りながら走ったりもしておるし」

「ターボババアの亜種と間違われそうですな」

「アッハッハ。〆るぞ貴様」


 にこやかに爆雷を投下するナタンさんに同じく笑顔でぶちギレるリィンベルさん。

 でもリィンベルさんは銀髪なので、実際に木の上を跳び移ってるのを目撃されたらターボババアと間違われても仕方ありません。


「おお恐い。どうかこれでお許しください」


 恐いと言いながら余裕の顔で追加の大福を差し出すナタンさん。

 何故このフリーダム神官は地雷原でタップダンスをしたがるのでしょうか。


「む……よかろう。許す」


 そしてこちらはこちらでイネルティアさん程ではないものの、やはり甘味には勝てないリィンベルさん。

 今日も日本は平和です。



「アワビせんべいって美味しいけどアワビの味かと聞かれたら微妙だよね」

「いきなり何を言っているんですか」


 一方高天原。

 アワビが好物なアマテラス様ですが、アワビせんべいについては話が別なようです。


「というかPCを見ながらせんべいを食べるのはやめてください。カスがキーボードの隙間に落ちますよ?」

「大丈夫。私袋の中で割ってから食べる派だから」


 袋の中で一口サイズにしてから食べる。

 確かにカスが落ちにくい食べ方ですが、ツクヨミ様が「うわっ子供っぽ」と思ったのは内緒です。


「そして残ったカスは一気にザーッと」

「はしたないからくれぐれも人前ではやらないでください」


 最近弟というよりオカンと化しているツクヨミ様。

 今日も高天原は平和です。


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