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異世界召喚が多すぎて女神様がぶちギレました【連載版】  作者: 湯立向日/ガタガタ震えて立ち向かう


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ダイエットは明日から

 肥満。

 いわゆるデブることですが、たかがデブと侮るのは危険であり、様々な病気を引き起こす可能性があり危険因子でもあります。

 日本は比較的肥満率が低いとされていますが、仏教の影響で肉食を禁じられていた期間が長かったためか、多くの人が栄養の吸収率のよくなる遺伝子――言い換えれば肥満になりやすい遺伝子を持っていたりします。


 つまり日本人は油断するとすぐ太ります。


 ますますもって日々の運動が重要です。

 散歩に慣れてきた人は是非走ってみましょう。

 大丈夫。人間40kmくらい走れるのはフルマラソン選手の方々が証明しています。

 健康のためなら死んでもいい!


「……イネルティアさん太りましたよね」

「……」


 そしてそんな肥満絡みで容赦ない豪速球を放つエルテさん。

 もはや言葉のキャッチボールを越えてドッジボールと化した一撃に、さすがのイネルティアさんもイチゴ大福にかじりついたままフリーズです。


「……え、エルフは太りませんから」

「などと供述してるんですけどリィンベルさん」

「いや普通に太るじゃろ。最近は森暮らしのエルフばかりで知られておらんのかもしれんが、わしが若いころは飽食が過ぎて太るエルフは山ほど居ったぞ」

「そんな!?」


 必死に言い逃れようとするイネルティアさんでしたが、まさかのリィンベルさんによる裏切りに逃げ場を失います。

 というか一目で分かるほど顔が丸くなっているので、最初から逃げ場などありません。


「くっ、それもこれも日本の食べ物が美味しすぎるのがいけないのです!」

「いや確かに美味しいですけど、イネルティアさんの場合はお菓子食べ過ぎです」

「最近ナタンが菓子作りにハマっておるからのう。少し自重するように言っておくか」


 そしてイネルティアさんが丸くなった原因は、まさかのナタンさんでした。

 さすがはフリーダム神官。最近は見えてる地雷を踏みに行くだけではなく、周囲にも地雷を設置しているようです。


「まあ間食を控えて運動をすればすぐに元に戻るじゃろ。元々エルフは太りづらいというのは本当じゃしな」

「間食を控えるなど、私に死ねとおっしゃるのか!?」

「何かイネルティアさんどんどん駄目な人になってませんか?」

「真面目な者ほど一度身を持ち崩すと一気にいくからのう」


 キリッとした表情で情けない抗議をするイネルティアさんと、冷静に流すリィンベルさんとエルテさん。

 今日も日本は平和です。



 一方高天原。


「た、タヂカラオ! ダイエットに効果的なトレーニング教えて!」


 太らないと思っていたエルフのまさかの肥満っぷりに、次は自分なのではと危機感を覚えたアマテラス様が焦って運動を始めていました。

 ツクヨミ様は「今の生活習慣で太るならとっくの昔に太ってるだろ」と思いましたが、放っておいた方が面白もとい良い方向に転がりそうなので、微笑ましく見守ることにしました。


「ダイエットをッフッフッ……するのならば……フッフッ……筋肉を……フッフッ……つければよろしいかと……フッフッ」

「貴方はそればかりですね」


 スクワットをしながら安定の筋肉祭りな答えを返すタヂカラオ様に、呆れた声で言うツクヨミ様。

 脳筋だから仕方ありません。


「ふう。いや実際筋肉をつけるというのはダイエットに効果的ですぞ。筋肉量が増えれば日頃の活動で消費するエネルギーが増えるため、自然と太りづらい体質になるのです。筋肉質になるのを嫌う方も多いですが、そもそも女性は皮下脂肪が多いので、余程体脂肪を減らさない限りは筋肉が目立つことはありませぬ」


 とか思ってたら意外に論理的な説明が出てきました。

 さすが力の神。筋肉を語らせたら右に出る者はいません。


「それと筋肉には速筋と遅筋というものがあるのですが、瞬発力のある速筋に比べ持久力のある遅筋は、増えても見た目で筋肉と分かるほど膨張しませぬ。脂肪を減らす意味でも持久走が一番ですな」

「よし! 私ダイエット始める!」


 タヂカラオ様の説明を聞き決意を固めるアマテラス様。

 見た目幼女で成長が止まっているアマテラス様にトレーニングの意味はあるのかとか考えてはいけません。


「ふう。ただし筋肉が増え皮下脂肪が減りますと胸も縮むでしょうな」

「よし! 私ダイエットやめる!」


 しかし続くタヂカラオ様の言葉に即座に前言撤回するアマテラス様。

 ツクヨミ様は「縮むほどねえだろ」と思いましたが、口にしたら太陽が昇らなくなる(引きこもる)前に月が昇らなくなり(殺され)そうなので、呆れた視線を向けつつ口をつぐむのでした。


 今日も高天原は平和です。


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