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異世界召喚が多すぎて女神様がぶちギレました【連載版】  作者: 湯立向日/ガタガタ震えて立ち向かう


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校門を出た瞬間短くなる女子のスカート

 制服。

 学校と言えば制服というイメージがありますが、その学校制服が誕生したばかりの明治時代には実はあまり浸透しておらず、和服に学帽かぶって学校に通う生徒も沢山いたそうです。

 要するにはいからさんみたいなもんです。


>ハイカラだろう?


>どうでもいい。


 因みによくハイカラの対義語のように扱われるバンカラですが、本来は「人間は外見ではなく中身である」と主張するエリート層が始めたもので、決して不良スタイルではありません。

 でもぶっちゃけ人間外面も大事だよねという正論は、相手が現代でいう中二病みたいなものなので言ってはいけません。


「……ちょっとスカートが短くないでしょうか?」


 そしてそんな制服が届いたので試着してみているのは、ようやく学校に通う目途がたったシーナさんです。

 スカートの短さを気にしていますが、その長さは膝上5cmと実に模範的です。


「いやいや。もっと短い女子も結構いるでござるよ。流石に下着が見えそうなのでシーナ殿にはお勧めしないでござるが」


 そう言うヤヨイさんのスカートも、膝上10cm程と大人しめです。

 因みにヤヨイさんの尻尾はマカミさんのもふもふ我侭尻尾とは異なり細めなので、少し窮屈ながらスカートの上から挟むように出して上着の中に隠しています。

 なので尻尾のせいでうっかりスカート全開というハプニングは起こりません。

 その事実に全ローマンさんが泣いた。


「シーナ殿はタイはリボンにしたでござるか。可愛らしくて似合ってるでござる」

「ありがとうございます。ネクタイとどちらでもいいと聞いて悩んだのですが、やはりネクタイには慣れていないので。ヤヨイさんはネクタイでしたよね」

「うむ。こう首元が引き締まって気も引き締まるでござるからな。まあ緩めすぎてみっともない輩もいるでござるが。そういう意味でローマン殿がきっちりネクタイをしていたのは意外だったでござる」

「フッ。着こなすのと着崩すのは違いますから」


 自分の話題が出た瞬間、影よりも早く現れるローマンさん。

 相変わらず物理的に無理のある傾斜のポーズをとっている安定の残念なイケメンです。


>そっとしておこう。


「そういう意味ではスカートも短ければいいというものではありません。男は女性の露出が多いと喜ぶと思われがちですが、本当に愛した女性が無防備に肌を晒すことに不快感を覚える我侭な生物なのです。それに普段隠されているからこそ、いざ見えてしまった時に燃えるのだから!」

「それを拙者たちに力説してドン引きされるとは思わなかったでござるか」

「何でうちの男性陣は一言多いんでしょうか」


 自分の性癖をオブラートに包んで主張していたのに、我慢できずにエクスプロージョンさせてしまったローマンさん。


 確かに昨今の女子学生たちのスカートの短さはある意味問題ではありますが、冬でもそのスタイルを貫く姿はバンカラにも通じるロックな心意気だとも言えます。

 でもだからと言ってスカートの下に短パンならまだしも長ズボンを履くのはどうかと思います。

 昼休みに「あー寒」とか言って女子のスカートの下から長ズボンの裾が伸びてくるのを目撃した日には、どんな顔をすれば分かりません。


>笑えばいいと思うよ。


「まあお二方がその手の心配をする必要はないかと」

「何故でござるか?」

「万が一下着を覗くような不埒な真似をする輩が居たら、指という指にさかむけができる呪いをかけるとリィンベル様が」

「何でござるかその地味に嫌な呪い」

「というかそれだと私たちの下着が呪われてるみたいな扱いになりませんか」


 相変わらず過保護な上に呪いの方向が斜め上なリィンベルさん。

 今日も日本は平和です。



 一方高天原。


「ねえツクヨミ。コスプレするならメイド服とナース服どっちがいいと思う?」

「……」


 突然実の弟に究極の二択を強いるアマテラス様。これにはシスコンのツクヨミ様も「また面倒くさいこと言い始めたな」と思いながらもしばし無言です。


「……大体予想がつきますが一応聞いておきます。何故にそんなことを?」

「ほら、最近私も改めて周知されてきたし、ここらで一発サービスしておけば人気もと考えて……」

「そうですかー。よく考えましたねー。でもそこまで考えたら方法が主神として著しく間違ってることに気付きましょうねー」


 面倒くささが限界突破したのか、幼児に言い聞かせるような話し方になっちゃってるツクヨミ様。

 でもアマテラス様の御姿を見てテンション上がってる読者も多いので、方向性は間違ってない気もします。

 このロリコンどもめ!


「解せぬ」

「ついこの間に威厳がないと悩んでいたのは誰ですか。大体姉上は天津神ひいては日本の神々の代表としての自覚が……」

「……じゃあトヨちゃんと一緒に魔法少女系で!」

「それは是非見た……トヨウケヒメを巻き込まないでください」


 アマテラス様の提案に危うく流されかけた今日も沈着冷静百合好きなツクヨミ様。

 今日も高天原は平和です。


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[一言] この話が書かれた2016年時点でもう高校生のスカートは短くなくなっていました。思えば1995年前後から都会を中心に短くなり1996年には田舎の真面目な女子高生も太ももを晒すように。 そのまま…
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