登場人物紹介⑥(リコリス・マウナカイア)
括弧内の数字はスタート時の年齢です。
◇◇リコリス◇◇
ヌーメリアの故郷。領主だった父の亡き後、母は入院して姉のマライアがデレクを婿に迎えて家を継いでいる。
【アレク・リコリス(10)】
青い髪と瞳を持つヌーメリアの甥。魔力の兆しがあり、よく魔道具を壊しては叱られている。生来活発な少年だが事情があって学校は休みがち。
【マライア・リコリス】
ヌーメリアの姉で艶のある栗色の髪が自慢。ワガママな女王様気質。領主の娘であることを鼻にかけており、妹のことは気に入らない。ヌーメリアの灰色の髪や瞳を「ドブネズミみたい」とバカにした。
【デレク・リコリス】
マライアの夫でヌーメリアの義兄。元は真面目な青年だったが、あることをきっかけに性格が変わった。執念深く恨みごとばかり言うようになり、ビジネスの場では虚勢を張って失敗し借金を抱える。マライアの婿となり家を継ぐが、領地経営はおざなりで息子のアレクもないがしろにする。
【メラニー・リコリス】
ヌーメリアとマライアの母。姉を可愛がり、ヌーメリアのことはよく叱った。何も考えず夫につき従う人。自分自身では何も決断できない。
【ガルロシュ・リコリス】
先々代のリコリス領主で、妻と共に事故で亡くなる。町役場には記録が残されているが、領主館に彼の存在をうかがわせる物はない。
【アメリア・リコリス】
〝灰色の貴婦人〟と呼ばれ、穏やかな人柄は領民からも慕われていた。夫と共に事故で亡くなる。メラニーとは親しく、愛娘を彼女に預けた。
【リョーク】
ボザボザ髪にヒゲもじゃで、初登場時は身なりにまったくかまわなかった。翌日にはヒゲをそり、髪をきちんと束ねている。リコリスの町唯一の魔道具師だが、自分の不整備が原因で、先々代領主夫妻を魔導車の事故で死なせたと思いこんでいる。
【マグナス・ギブス】
ゆるくカールした黒髪と黒い瞳を持つ、野性味あふれる男。グワバン周辺の地方領主でやり手。領地で暮らすよりも、商会を経営して各地を飛び回る。領主夫妻とも親しく、よくリコリスを訪れているらしい。「王都で働く魔力持ちなら、それなりだろう」とヌーメリアとの縁談にも乗り気。三十台半ばらしく堂々としていて男ぶりもいい。ヒルシュタッフ宰相とも知り合い。
【ミア】
リコリス領主館のメイド。アレクに同情しているが、いつも領主夫妻にビクビクしている。
◇◇マウナカイア◇◇
王都から魔導列車で南に四日かかる、エクグラシアの南端。珊瑚礁で有名な世界屈指のリゾート地。そこで暮らすひとびとは〝人魚の末裔〟と呼ばれ、人魚にまつわる伝説がいくつもある。
【ポーリン・リヴェ】
オレンジの髪と瞳を持つ、海洋生物研究所長。ダルビス学園長に辺境の閑職に追いやられたが、「自分の研究には理想的な場所」と割り切って楽しんでいる。
【カイ・ストローム】
緑の髪に澄んだエメラルドグリーンの瞳を持つ。現地採用で海洋生物研究所に雇われ、助手として働いている。ウミウシの世話が得意。ビーチにある〝人魚のドレス〟を売る店『カナイニラウ』の店員でもある。
【レイクラ】
『カナイニラウ』の店主でカイの母親だが、子どもを置いて家をでたため、訪ねてきたカイに気兼ねしている。
【リリエラ】
藍色の深い吸いこまれそうな瞳を持ち、身を覆うほどの長い髪をゆらめかせる妖艶な美女。海王が鍛えたアダマンティンの鎖で、海底の牢獄につながれていた〝海の魔女〟。海育ちで生粋の人魚。レオポルドに〝人魚の歌〟を教える。
【海王】
心優しくも厳しい人魚の王様。とにかく体はでっかくてクジラぐらいある。人間の海王妃を迎えて慈しんだが、グレンがマウナカイアまで魔導列車の線路を敷き、王都から大勢観光客がやってくるようになったのを嫌い、マウナカイアへの門を閉じた。
【ワジ】
人魚と恋をして人魚の王国に住み着いた船乗り、元コックで料理の腕はレイクラを喜ばせた。
【エミ】
ワジの妻で人魚。人魚の男は娘を歌で海に呼び、人魚の女は海で船乗りを誘惑する。人魚同士で恋をすることもある。
【ナジ】
ワジとエミの息子で、カイとは幼なじみ。泡の王宮で働き、牢に入れられたネリアにも差しいれをした。
【キティ】(4巻に登場)
王族の別荘でネリアの世話をするスタッフ。ヌーメリアの作る化粧水に喜んだり、ネリアを心配したり、リリエラに人間の暮らしを教えたりと活躍。
【コーラル】(4巻SSと短編集に登場)
カナイニラウでウブルグが出会う人魚。明るい珊瑚色の髪と瞳を持つ。料理が得意できれいな歌声。









