第71.5話 《ハイエナ》と愉快な仲間達(笑)
異なる世界線であった、とある軍人達の話になります。短いです。
いつもと違うテイストで、よろしくどうぞっ( ・∇・)ノ
ーーヒュルルルル……。
青い髪が風に靡く。
構えた剣が示す先は、最近出没するようになった盗賊団の拠点。
彼女は爛々とした獰猛な獣のような笑みを浮かべながら……仲間を置き去りにして、走り出した。
『あっははははははっ! 行くぞぉ!』
それに気づいた盗賊団討伐部隊の隊長ーー《ハイエナ》と呼ばれ始めた青年は、ギョッとした顔で叫ぶ。
『行くぞじゃねぇわ! 何先走ってやがる、阿呆ぉぉぉ!』
だが、脳筋に静止は無意味。彼女は笑い声を残して、拠点に突撃していく。
愕然とした青年の隣で、やる気ゼロの青年が呟く。
『脳筋には何言っても無駄だよぉ……抵抗するだけ面倒だって……もう勝手にやらせてなよぉ……そしたら多分、なんとかなるって……』
『なんねぇわ! 下手したら死ぬだけだわ! だぁぁぁぁあっ、くそぉぉぉぉぉぉぉおぉ! 作戦変更っ、おれらも行くぞ! 折角、楽に始末出来る方法を考えたのに……なんのための作戦案だぁぁぁっ!?』
『えっ、ちょっ、僕、行きたくないっ……い、嫌ーーふぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁあっっっ!?!?』
そうして……《ハイエナ》と、彼に首根っこ掴まれた青年に引きつられて、討伐部隊は作戦総崩れで突撃していく。
……いや、まぁ。
《ハイエナ》が立案した作戦は中々にエグくて……〝えっ? マジでそんなことするんですか? 本気で?〟と、人を襲う盗賊団に容赦は無用とは思っていても、ちょっと奴らに同情していた本作戦に参加している軍人達は、心の中で少しばかり作戦崩れが起きたことに安堵していたのだが。
盗賊団の奴らに、〝必要以上に苦しまなくてよかったね〟とか思っていたのだが。
まぁ、それはそれとして。
『本当っっ、なんで毎回尻拭いしなきゃならんの!? ターニャといい、カルセといい、ルイといいっ……もう嫌!!』
『僕の方が嫌だぁぁぁぁぁあっ!!』
『あははははははっ!!』
ーー《ハイエナ》と愉快な仲間達は今日も今日とて元気だな、と思うのだった。
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