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第69.5話 だから、荷が重いって!


ガット君目線です!


台風が近づいてきてるから、皆さん気をつけてくださいね!

それではよろしくどうぞ( ・∇・)ノ

 






「では、そういうことで。あまりわたくしが表に出過ぎるとアリエスの負担になりますから、ここで失礼しますわ。それでは、ご機嫌よう」



 そう言ってスコンッと寝落ちたアリエスさんーーのようで違うヒト。

 〝すぴよぉー、すぴょー〟なんて間抜け寝息がーー。


「ガット君?」

「何も考えてませんっ!」

「そう。なら良いけど」


 ギロリッとルイさんに睨まれたおれは、もう本気で泣きそーだった。

 いや、なんで心の声が見抜かれっかなぁ!? めっちゃ怖ぇんですけど!

 おれは一度溜息を零して、改めて目の前の二人を観察する。

 穏やかに眠るアリエスさんと……そんな彼女を愛おしそうに見つめるルイさん。

 …………いや、ホントよぉ……?



 …………………色々と、餓鬼にゃ荷が重過ぎる話じゃねぇかなぁ!?



 なんでこんなとんでもねぇのに巻き込まれてんの!? おれ、ただの平民なんだけど!?

 ヤケクソでさっきは巻き込まれてやらぁなんて言ったけどさぁ!!

 後出しで出される情報のヤバさよ、もぉぉぉぉぉぉお!!


 ……。

 …………。

 ……………と、まぁ心の中で愚痴ったってどうしようもならねぇのも分かってんだけどさ。

 はぁ〜……ホント〜に面倒くせぇ〜……。


「…………んで? こっからどうするつもりで?」


 おれはぐでぇーんっとソファに凭れながら、ルイさんに聞く。

 すると、彼はアリエスさんから目を離さぬまま、それに答えた。


「これから? メノウに頼んで、どっかで模擬戦出来るようにする……って感じかな」

「え? メノウって……校長か?」

「うん」

「…………校長に直談判って……そんな簡単にいくかぁ?」


 学校で何かをしてもらうなら、学校の校長トップにお願いするのは道理に合ってる。

 でも、そう簡単に受け入れてもらえるとは思えねぇんだけど……。


「大丈夫だよ。最悪、兄様にも協力してもらうし」

「………えっ!?」


 ルイさんのお兄さんって軍部の特務……《ドラゴンスレイヤー》だよな? そんな超危険人物に、協力してもらう?

 そんなの絶対、無事に終わらなくなるじゃねぇか!!

 愕然としたまま固まると、彼は苦笑しながら肩を竦める。

 そして、おれを励ますように軽い口調で話を続けた。


「まぁ……メノウはメノウで永生きしてるから、頭良いし。こっちからお願いしたとしても、向こうの利益になるような上手い落とし所見つけてくると思うよ?」

「…………えぇぇ?」

「まぁ、今回はボクが頼むけど。今度からこういう交渉はガット君に頼むから、よろしくね」

「えっ、なんで!?」

「君にはその才能があるから、だけど?」

「はぁ!?!?」

「うわ、声デカい。アリエスが起きちゃうだろ? 静かにして」


 えぇぇぇぇぇ……?

 またもや睨まれたおれは黙り込むしかない。

 でも、頭の中はぐるっぐるとフル回転していた。

 次から交渉を任せるとか、意味分からんし。才能あるとか更に分からんし。

 なのに、ルイさんはそれ以上話すつもりはないのか……ニコニコと笑いながら、アリエスさんの頭を撫でている。



 そうして、それ以上の会話をすること叶わずおれは転移の精霊術で自宅に送られることとなる。

 …………いや。マジで転移の精霊術なんて使える奴いるんだって、ルイさんの凄さに改めて驚愕したけれど。

 取り敢えず……。



「マジでおれ、やらかしたよなぁ〜……」




 ルイさんを利用しようとしたことで、おれの運命がとんでもない方向に大きく変わったのだと……そう思わずにはいられなかった。








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