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どうもオレです 白虎っぽい獣に転生して守護聖獣となりました  作者: タカハシあん
成長期編

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127 ベイガー族

レオノール歴17年

 コルモアに到着し、セオルたちにコルベトラであったことを説明した。


「一冬で一生分の出来事ですな」


「それならオレは千年は生きてないと計算が合わないな」


 確かに一生分にも思える出来事ではあったが、この体に生まれてからの出来事からしたらまだたわいもない出来事だろうよ。


「アハハ。確かにそうですな」


 笑い事ではないが、笑わなくちゃやってろんことはあるんだから笑って流してくれるほうがいい、のか?


「雪が完全に解けたら食料を運んでやってくれ。ブレイブが加われば港建設も捗るだろうからな」


「わかりました。開墾した土地も増えたので問題ないかと思います。あ、コミーの亜種みたいなのがコルモア周辺に現れたと報告が上がってます」


「亜種?」


「はい。通常のコミーより小さくて、毛が赤いものです。小さすぎて狩れてはいません」


「なにか害は出てるのか?」


「農作物が荒らされてます。まだ微々たるものですが」


 農業で害獣害虫病とは一生の付き合い。ましてや繁殖力が飛び抜けたコミーなんて絶滅できるかもわからん生き物だ。多少の被害は許容内だろうよ。


「今のうちに狩人を育てておくべきだな。経験のある者を選び出して当たらせろ」


「わかりました。コミーの肉は人気なので早急に当たります」


 人間にはコミーが人気あるんだ。種族による味覚の違いはよーわからんな。


「それと、レイギヌスのナイフとベルトの試作ができました」


「試作か。レイギヌスにするにはまだ時間がかかるか」


「ナイフ自体は一年もあればレイギヌス化はできるそうですが、レイギヌスの力を封じる鞘に手間取っているそうです。モンスターにすれば嫌な気配を放ったもの。いち早く察せられたらレオガルド様も面倒でしょう」


 言われてみればそうだな。


 最初は嫌な感じがしたが、慣れればなんか重い気配がするていどだ。だが、他のモンスターからしたら逃げるほど嫌な気配を放ったもね。垂れ流しにしたらオレの狩りが面倒なことになること必至だろうよ。


「なら、試作に慣れておくか」


 試作品を持ってきてもらい、自分でベルトを装着する。


「なかなかいいじゃないか」


 オレの動きを邪魔せず、調節もできるようになっている。ナイフの鞘も背中の邪魔にならない位置にある。


「ナイフの重さもいいな」


 ナイフも二十キロくらいはあり、謎触手で振り回しても苦はない。まあ、獣くらいにしか効果はないだろうがな。


「サマイ。ベルトはいくつか作っておいてくれ。モンスターを狩ると結構痛むだろうからな」


「わかりました。ナイフも替えを用意しておきます」


「ああ、頼む。だが、鉄は足りるのか?」


「ゴゴールが住む地に砂鉄がよく取れる川があるそうです。塩を買いにきたときに砂鉄と交換してます」


 ゴゴールに砂鉄が取れる川があるんだ。磁石、もっと作ったほうがいいかもしれんな。


 ナイフの柄と柄が捻ると固定される仕組みとなっており、革で巻いてあるので噛んでもしっかりと固定された。


 ……革の交換は頻繁にしないとダメそうだがな……。


「そうだ。砥石も用意して、マイノカに運んでくれ」


 オレの爪で研いでもいいが、なんか図的に間抜けすぎる。ちゃんと砥石で研ぐとしよう。


 ナイフを解除して鞘に収める。


「では、また暇ができたらくるよ」


「はい。お待ちしております」


 コルモアの連中に見送られ、ミナレアへ──ではなく、一旦、農業村へと顔を出すことにした。長いこといってなかったからな。


「レオガルド様!」


 すっかり見違えたリドリルたちに迎えられた。


「オレがくるのがわかったのか?」


 農業村のヤツらが揃ってるかのような出迎えであった。


「森が騒いだのでレオガルド様だとわかりました」


 ベイガー族に呪霊はない。が、なにか特殊能力はあるみたいだ。


「そうか。出迎え、ありがとうな」


「いえ。レオガルド様のお陰で安心して暮らせております。礼を言うのはこちらのほうです。ミディア様も我れらを気に入っていただき、我が子を選んでいただきました」


「娘? ライザーはリドリルの娘なのか?」


 まったく似てなかったぞ。ってか、十三、四くらいだったぞ。いや、身長はデカかったけど。


「はい。呪いが解けて初めてできた子です」


 呪いが解けた初めての子? って、十年前だよな? なら、ライザーは十歳──いや、九歳ってことか? この大陸の種族、成長速度が速いな!


「そんな子を巫女にしていいのか?」


 そう言う重要なことは先に言えよ! 大事な娘なんだからよ!


獣神ししがみ様に愛された子。ベイガー族にとっては大変名誉なことです」


 大人しい種族かと思ったらゴゴールと似た思想を持ってたとはな。これはオレの失態だな。


「そうか。なら、巫女と守人ガーディを選んで、マイノカに寄越せ。ギギに教育してもらうから」


 変な思想を持たれる前にベイガー族の巫女をしっかり教育しておこう。


「わかりました。すぐに選び出してマイノカに送ります」


「巫女は二人。守人ガーディは四人だ。それ以上はいらんからな」


 娘を何十人と送られてきても困る。ベイガー族はまだ数が少ないんだからな。


 他にもリドリルたちと話し合い、暮らしや問題なんかを聞き、ブレイブのことも教えておいた。


 二泊してマイノカへと向かった。

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― 新着の感想 ―
[一言] すごく面白いです。 埋もれてランキング外なのが残念。 私は他人のブックマークからここまでんできましたけど、すごく面白いです。 たまに一日に移動できる各民族の最大移動距離が過剰に少なかったり誤…
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