表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『デジタル探偵シャドー』  作者: さらん
第十八の事件:『リアル・アカウント』篇

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

64/148

第六十四章『神の視線』


デジタル探偵シャドー:第六十四章『神の視線』


2025年8月1日、金曜日、午前0時14分。

ゲーム内の、広場は大混乱に陥っていた。

冴木の、挑発に乗った『T-REX』のアバターが、暴れ回っている。


だが、冴木はそんなことには、お構いなしに、ただ、冷静にシャドーからの、応答を待っていた。


やがて、シャドーのウィンドウが、静かに更新された。


シャドー: 『…見つけました』


その、短い一言に、冴木は不敵な笑みを浮かべた。


シャドー: 『あなたの、仮説は正しかったようです。あなたが、『T-REX』と、接触したその刹那。二つのアカウント間で、やり取りされた、膨大な、通信パケットの中に、一つだけ全く、異質な、データが紛れ込んでいました』

冴木: 『…それは?』

シャドー: 『全ての、プレイヤーの行動を監視し、記録するための、「神の視線ゴッド・アイ」とでも言うべき、隠しプログラムです。ゲームマスターは、このプログラムを通して、全てのプレイヤーの通信を、リアルタイムで、監視していました』

冴木: 『その、「神の視線」の、発信源はどこだ?』

シャドー: 『はい。それこそが、ゲームマスターの、本当の隠れ家です。

IPアドレスを、逆探知。…特定しました。

神奈川県、横浜市。山下公園近くの、古い雑居ビルの一室です。おそらくそこが、全てのクエストが、発令されている秘密基地です』


ついに、尻尾を、掴んだ。

ゲームの盤上から、神を気取っていた男の正体を暴く、手がかりを。


冴木は、スマートフォンで、静かにゲームから、ログアウトした。

彼のアバターが、光の粒子となって、消えていく。


「…さて、と」


彼は、立ち上がると、コートを羽織った。


「ゲームの時間は終わりだ。これからは、現実リアルの、鬼ごっこを始めようぜ。ゲームマスターさんよ」


彼は、部下たちに、短い指令を出す。

横浜の、雑居ビルへの突入準備だ。


ゲームの神の、正体を暴き、そして、その歪んだ遊びを終わらせるために。

冴木とシャドーの反撃が、今、始まろうとしていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ