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治癒術師の非日常―辺境の治癒術師と異世界から来た魔術師による成長物語―  作者: 物部 妖狐
第七章 変わり過ぎた日常

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集合場所の説明とお義母様 

ダート視点

 レースが出て行った後の会議室は何て言えばいいのかな……、ちょっとだけ気まずい。

フィリアさんの行動のせいって言うのもあるけど、スイさんは不機嫌な顔をして薬品の整理をしていて黙っているし……。

エレノアさんはそんな私達に対してどうしていいのか分からないみたいで、おろおろしてしまっていた。


「えっと……エレノアさん大丈夫?」

「だ、大丈夫なんよ……、ちょっと緊張してもうて」

「緊張?私達を見て緊張するってどうしたのよ」

「だ、だってAランク冒険者様がお二人もここにおるんよ!?緊張するんよぉ……、あ、するんですよぉ」

「そんな緊張しないで大丈夫だよ?」


 確かに冒険者の中でもAランク冒険者って多くは無いから珍しいのは分かるけど……、そこまで緊張しなくてもいいと思う。

ギルドの職員さんだったら、色んな人と関わったりしてきただろうし……。


「む、無理なんよぉ……いくら高ランク冒険者専属職員になったいうても、トレーディアスに居た時とかBランク冒険者までなら見た事あるけど、Aランクってなると【闇天の刃】ミュカレー様や【深淵の牙】ディーン様けんど……、前者は指名手配されてもうたし……、後者の方は海専門で陸には滅多に上がって来ないですし、高ランクの方達には基本的に専属の職員が付くじゃないですか……、だから見た事は会ってもお話しした事はあんまりないんよぉ」


 ミュカレーと言う名前を久しぶりに聞いて嫌な思い出が蘇って来る。

あの時彼女がマスカレイドに言われて私を迎えに来た時に、私達の前の家を壊されたりして正直嫌な感情しかない。


「深淵の牙ってあれでしょ?、魚類の獣人えっと何だっけ魚人?、トレーディアスの海に生息してる希少種族じゃなかった?」

「そうなんよ、何でも陸に出る長く呼吸が続かないとかで……、後魚人ではなく獣人って呼んであげてください」

「そう?ごめんなさいね」

「……私がレースと行った時に観光船に乗ったけど会わなかったなぁ」

「多分近くにいたと思うけど……、近くに海軍の船とかおらんかった?基本的に冒険者になる人以外は海軍に所属しているのと、観光船が海のモンスターに襲われないように護衛をしてくれてるから出て来なかっただけなんよ」


 ならどうしてあの時ゴスペルからレースとダリアを守ってくれなかったの?と言いたくなるけど、相手はSランク冒険者だから戦えと言われても無理があるのは分かってる。


「へぇ……、ってあれ?誰か来る?」

「いえ、そのような予定は無いと思うんやけど……」

「私も聞いてないけど?」


 会議室の外から足音が聞こえて来たかと思うと、扉が勢い良く開かれ……、お義母様が入ってきた。


「そろそろ依頼の説明が終わる頃かと思ったから来たわよぉ?」

「え、え?」

「あら?あなたは?」

「【叡智】カルディア様ぁ!?ってひゃあっ!?」

「ちょっとあなた危ないわよぉ?」

 

 エレノアさんが驚いてバランスを崩して倒れそうになったと同時に、お義母様が肩を抱き抱えるようにして受け止める。


「ご、ごご、ごめんなさいっ!う、うちSランク冒険者様にお会いするのは、はじ、初めてでぇ!?」

「あなた緊張し過ぎだけど大丈夫なの?、スイちゃん気持ちを落ち着かせる薬とか持ってる?」

「カルディア様、薬に頼るのよりも落ち着くのを待った方が良いと思いますけど?」

「そう?ならそうしようかしら」

「お義母様が来たって事は、診療所の方は大丈夫なのかな……」


 確か朝家を出た時に外から見た時は魔王様と一緒に診療所にいたから、今日の依頼に着いてくるのを止めたのかなって思ってたんだけど違かったのかな……。


「勿論大丈夫よ?全部ソフィーちゃんとカエデちゃんに今日は任せて来たの、だって娘とちゃんと話し合う機会何てそうそう無いもの……だから頑張らないとねぇ」

「……娘様?」

「フィリアの事よ、結構前に喧嘩しちゃってねぇ仲直りする為にレースちゃん達に同行する事にしたぉ、ギルド長さんには先程お話しをして許可を貰ったから大丈夫よぉ?」

「ギ、ギルド長がっ!?わ、わたし何も聞いて無いんよぉっ!」

「はぁ……、しょうがないわねぇ」


 お義母様が指先に魔力の光を灯すとそのままエレノアの頭に触れる。

すると先程までお義母様に抱き抱えられていた彼女の様子が落ち着いて来て……


「あれ?何だか気持ちが落ち着いて……」

「あんまりこういうのは得意じゃないのだけどねぇ……、治癒術の応用で相手の脳に働きかけて落ち着かせたのよぉ」

「待って……、私そんな凄い術知らないわよ?」

「それはそうよ、まだ私しかこの時代に仕える人がいないもの……、でも後十五年位したら何処かに産まれた綺麗な髪の色をした水色の眼の男の子が考え付くかもねぇ」

「ちょっと何を言ってるか分からないわね……」


 ……お義母様が何を言ってるのか分からないけど今は触れない方が良いのかも?


「あなた達には分からなくていいのよぉ?それよりも職員さん、お話しの方は終わったのかしら?」

「え?あ、はい、賢王ミオラーム・マーシェンス様とSランク冒険者【宵闇】フィリア・フィリス様が二時間後に現地集合をするという事で会議室を出て行きまして……、それに続いてレース様が二人に着いて行きましたので……、お二人に集合場所をお話ししようとタイミングを考えてました」

「あらそうなの?、それにしても何でレースちゃんが二人に着いて行ったのかしらねぇ」

「お義母様、それはフィリアさんの態度がおかしいというか……、高圧的な態度でそれに疑問を持ったレースが事情を聞きながら一緒に行くって言って……」

「そうなのね、なら私達も直ぐに行きましょう?三人の後よりも前に到着した方が私も都合がいいから……」


……お義母様がそう言うと、口調に訛りや緊張が抜けたエレノアさんが『はい、それでしたら書いた口の森に入って暫くしますと、木の柵で覆われた小さな集落がありますのでそこが集合場所になります……、ですが少し離れた場所に【死絶傭兵団】が森を拓いて作った拠点がありますので間違えないようにしてくださいね?』と説明してくれる。

死絶傭兵団……、カーティスさん達とこの一週間の間都市で会わないと思ったら外に拠点を作っていたみたい。

ただ……死絶傭兵団の言葉を聞いたと同時にスイが嫌そうな顔をしたけど、もしかして過去に何かあったのかも?、そう思っていると……『あら?そこなら知ってるわ?じゃあ今から転移で移動するからダーちゃんと、スイちゃん先回りするわよぉ?』、お義母様がそう言うと私の眼に映る光景が一瞬にして見た事も無い集落へと変わり、椅子に座ったままの私とスイは勢いよくその場に尻もちを付くのだった。

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